西濃シェンカー株式会社 様
アジア・パシフィック全域へのグローバル契約導入の一環として、
国内17 拠点の出力環境の最適化をスムーズに実現
東京都品川区天王洲に本社を持つ西濃シェンカー様。このほど親会社のDBシェンカー様が、コニカミノルタのGMA(Global MajorAccount)商談にて契約を交わし、アジア・パシフィック14カ国、全205 拠点での複合機とシステムのソリューションを採用されました。その一環として、国内17 拠点でOPS( Optimized Print Service:出力環境最適化コンサルサービス)を導入、運輸サービスの課題であるドキュメントのペーパーレス化を着々と進められています。
背景
運輸業務にとって重要なドキュメントの管理とセキュリティーが課題
西濃シェンカー様は、世界各地に2,000以上の拠点を持つ総合物流企業DB シェンカーと、日本中を網羅する輸送網を有する西濃運輸の合弁会社。今年設立10周年を迎えたグローバル企業です。
「我々の業界では、もともと書類を多用します。ひとつは、オフィスでよく使う一般的な事務書類。それとは別に、貨物を送り出すときに作成する船積書類というものがあるのです」とおっしゃるのは在日14 年になるヴィルヘルム社長。 船積書類は、輸送貨物をお客様にまちがいなくお届けするためのもの。輸送代金の決算には、この書類の引渡しが条件となる重要な書類です。「この業界では、ドキュメントはとても重要なのですが、これまで管理面、セキュリティー面でさまざまな問題を抱えていました。デジタル化を進めて、ペーパーレスを推進することが大きな課題だったのです」。
代表取締役社長 ヘルベルト・ヴィルヘルム 様
ソリューションの総合的な評価で、コニカミノルタとグローバル契約を締結
このたびのOPS の際、アジア・パシフィック全域で統一されたドキュメント・フォーム。各帳票がカラーリングで分類され、機能的で美しい。
こうした背景から、親会社のDB シェンカー様が進めたのが、アジア・パシフィック全域にわたる情報システムの整備と出力・文書管理環境の最適化です。そして、さまざまなメーカーの出力機器やソリューションが精査された結果、コニカミノルタの採用を決定。グローバルなビジネス展開を推進するGMA販売部の主導で複数年の契約が締結され、西濃シェンカー様を含むアジア・パシフィック14 カ国、全205拠点へ複合機やシステムの導入が決定しました。
「最終的にコニカミノルタを選んだ理由としては、複合機の性能とアプリケーション、コスト面、つまりソリューションの総合的なクオリティーの高さ。それから国を問わず、世界中に同じ機器や均質なサービスを提供できるGMAの展開力とサポート力の高さでした」とおっしゃっていただきました。
効果
出力環境の最適化、セキュリティー強化、そしてドキュメントの電子化を実行
情報システム部 マネージャー
山口 勝彦 様
DB シェンカー様のグローバル契約の一環として、西濃シェンカー様では国内17拠点でOPSを導入されました。そのポイントは大きく3 つ。「プリンターのリプレース」と「カード認証の導入」、そして「ペーパーレスの推進」です。
まず、「プリンターのリプレース」は、ドットインパクトプリンターから複合機への置き換えです。「これまで、請求書や各種船積書類など重要な書類はすべてドットインパクトプリンターを使っていました。これが使いにくく、また見にくかったのです」とは、情報システム部マネージャーの山口勝彦様。ドットインパクトプリンターは、 数枚綴りの複写式の帳票用紙に、印字ヘッドの圧力で印刷する方式。印字スピードも遅く、動作音も大きく、解像度が低いのが欠点です。また専用の帳票用紙や印字リボンのセットなどの手間やメンテナンスも大変でした。
これらの問題は、大量のプリンターを複合機に集約することですべて解決。印刷効率のアップでコストやムダをカットし、印刷はくっきり美しく、視認性も大きく向上。「誤読などのミスが減っただけでなく、請求書などを受け取るお客様の評判も上々です」とのこと。
次のポイントは、「カード認証の導入」です。今まではPCからプリントキューを出すと、そのままプリンターに出力されていたため、書類の取り忘れや、まちがって持ち去ってしまうなどのトラブルが絶えませんでした。今回のOPSでは、各複合機に認証システムを付加し、スタッフがそれぞれ携帯するIDカードでプリント認証を行うことに変更。これにより情報漏えいを防止してセキュリティーをさらに強化することができました。
「認証作業のわずらわしさに不満や苦情が出るかと思ったのですが、意外と切り替えはスムーズでした」。取りたい時にカード認証してプリントするため、自分の都合でプリントアウトでき、スタッフの評判も良いようです。
最後は「ペーパーレスの推進」です。「これは現在、実行のタイミングを待っているのですが、書類のスキャニングをすすめて、あらゆるドキュメントをデータ化していこうというものです」。スキャニングしたデータは、ヘッドクォーターであるシンガポールのサーバーに蓄積されます。この基幹サーバーを通して、海外のどの拠点からもアウトプットが可能になり、グローバルな情報の共有が実現。管理体制の強化と業務の効率化が進みます。
個人認証カード(左)と、複合機にセットされたカード読み取り機(右)
グローバルなソリューションを手厚いサポート体制でスムーズに実現
今回の契約は、DB シェンカー様が国際物流のリーディングカンパニーであることを象徴するまさにグローバルなプロジェクトです。「それだけに基幹サーバーと新規複合機との連携、カード認証システムとの円滑な連動など、最初は手探りで不安要素はありました」。しかし、個々の拠点で、リサーチ、分析、打ち合わせを繰り返し、入念な準備をした結果、システム構築から入替、実際の運用までスムースな移行が実現しました。「コニカミノルタさんには、プロジェクトの立ち上げから現在までしっかりとサポートしていただいています。機器の設置やメンテナンスにとどまらない広い意味でのソリューションサービスが行き届いていると思います」とのお言葉をいただきました。
今後の展開
IDカード情報をデータベース化してコスト配分の最適化と環境負荷の低減を
現在進行中の西濃シェンカー様のOPSですが、今後の展開を山口様にお尋ねすると「せっかく認証システムを導入したのだから、スタッフのID カードから読み取れるプリンターや紙の使用状況をデータベース化して、管理に活用したいですね」とのこと。一人ひとりの使用状況がわかれば、拠点ごと、部署ごとのより的確なコスト・リソースの配分が可能になります。またムダなコピー、プリントを抑えることで、環境負荷の低減にもつながります。
出力ルーム
社内風景
業務の変遷にかかわらず安定したサービスを提供し続けるために
最後にヴィルヘルム社長に、今後のビジネスの展開についてお伺いしました。「現在、日本における我々のビジネスは輸出と輸入がほぼ同じで、バランスがとれています。しかし、日本のメーカーの多くが海外に工場を移転していること、また日本が資源の豊かな国ではないことを考えると、今後10年で、輸入のボリュームが増加するのではないでしょうか」。
変わり続ける社会状況のなか、運輸・ロジスティクス分野で安定したサービスを提供し続けるには、業務のさらなる効率化、特に運輸業務で重要な役目を担うドキュメントの合理化、ペーパーレス化は大きな意味を持ってきます。
「我々の強みは、世界をマーケットにするグローバルな企業であること。またコニカミノルタも我々と同様のグローバルな企業です。今回の案件を機に、アジア・パシフィックや日本に留まらず世界の他の地域でもパートナーを組んで、さまざまなソリューションを提案していただけることを、コニカミノルタには期待しています」グローバルな視野で力強くインタビューを締めくくっていただきました。
導入
bizhub 751×39台、bizhub C360×12台、C364×1台、bizhub C452×1台、bizhub C25×2台(合計55台)
プロフィール
社名 | 西濃シェンカー株式会社 Schenker-Seino Co., Ltd. |
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住所 | 本社 東京都品川区東品川2-2-24 天王洲セントラルタワー16F |
設立 | 2002 年4 月(1964 年ジャパンシェンカーとして日本支社開設) |
従業員数 | 本社 450 名 |
事業内容 | 航空輸送、海上輸送、ロジスティクス/SCM、展示会・見本市、海外引越、グローバル・プロジェクト |
ホームページ | |
概要 | 国内主要都市に経験豊富なスタッフを配置し、国内外のユーザーに国際輸送やグローバルなロジスティクスサービスを提供。その他、展示会・見本市、国際引越、グローバルプロジェクトなど、幅広い分野にわたって、付加価値の高いサービスを展開。 |
取材 | 2012年9月 |
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