三菱製紙販売株式会社 様
膨大な受領書を管理し、問い合わせに迅速に対応したい
三菱製紙販売株式会社 様
FSC® C011851
文書電子化とクラウドストレージを組み合わせたスキームで解決
業界に先駆けてFSC®森林認証に取り組んできた三菱製紙販売株式会社様。これまで、FSC認証品の証明にもなる受領書の管理と取り扱いに、多くの工数と時間を取られていました。長年のこの課題を、コニカミノルタが提案したスキャニングセンターとクラウドストレージ「Box」を組み合わせたスキームで解決。工数の大幅削減とお客様へのスピーディーな対応を実現しただけでなく、社内の保管スペースもほぼゼロにすることを実現。またこの成果をベースに、働き方改革や新たなビジネスに結びつけようとされています。
導入の背景
FSC®認証の証明として重要な意味を持つ受領書
紙類の専門商社として多彩な商品を取り扱っている三菱製紙販売様。「当社は業界に先駆けてFSC森林認証を取得し、事業を通して環境保全に取り組んできました」とおっしゃるのは、業務部 部長代理 物流チームリーダーの篠原進様。FSCは、木材を上手に使いつつ森を守っていこうという目的で生まれた森林認証制度の一つ。そして、勝手に木を切って勝手に製品化されたものではないことが証明された製品が、FSC認証品です。
「当社はFSC認証品の紙製品を数多く提供しています。この製品を使用することは環境保全に貢献していることを対外的にアピールできるため、多くのお客様がご利用になります。そこで重要になるのが、お客様からの受領書です。受領書は、木材を加工・流通する段階で適切な管理を行ってお届けしているというFSC認証品の証明書の役割を持っているため、定期的にその証明が必要になるお客様がいらっしゃいます。そのニーズに対して、受領書をお送りする作業が必要でした」(篠原様)。
業務部 物流チーム 部長代理
チームリーダー
篠原 進 様
受領書を管理し問い合わせに対応する作業が煩雑
「受領書は、FSC認証の証明としてだけでなく、納品の確認としてもお客様からの問い合わせが多いので、当社でしっかり保管することが定められていました」と話すのは、業務部 物流チーム 係長の坂元公一郎様。受領書は、お客様に直接製品を納品する物流会社に一部保管され、その後FSC認証品の受領書など、使用頻度が高いものは三菱製紙販売様に保管されます。「問い合わせがある度に、該当受領書の写しをお客様にお送りする作業が発生していました」(坂元様)。日々増え続ける膨大な数の受領書の中から、問い合わせがあったものを探し出し、コピーして送らなければなりません。問い合わせは月間1,000件程度、年間1万件程度にもなります。そしてFSC認証関連のものは、1件数百枚に及ぶことも。「この作業に大変な工数と時間がかかってしまい、作業をしている間、営業担当者は、お客様への訪問や電話の対応、メールチェックもできない状態になっていました」(坂元様)。
業務部 物流チーム 係長
坂元 公一郎 様
受領書の電子化でこれまでの業務の見直しを
2016年に社内書類保管規則の見直しが行われ、受領書の問題を解決する方策が検討されました。数社によるソリューション提案が行われた結果、コニカミノルタの提案が採用されました。これは、物流会社から送付されてきた捺印済受領書をスキャニングセンターにて、確認キーをファイル名として付与した電子データに変換、順次クラウドストレージの「Box」にアップロードするというもの。「この一連の手順が非常にスピーディーだったこと。また当社のデータベースシステムと連動した確認キーによって『Box』の検索がスムーズに行えること。この2つが導入の決め手となりました」(坂元様)。「さらにクラウド利用で、サーバーなどのハードを購入する必要がなかったことも採用の理由の一つです」(篠原様)。2017年3月にコニカミノルタに内定、8月に利用開始、10月から本格始動を始めました。
導入の効果
何時間もかかっていた作業が大幅にスピードアップ
「まず、受領書を当社主導で保存できるようになったことが大きいですね」(篠原様)。懸案だったコンプライアンス上の問題がこのソリューションで解決しました。さらに、これまで本来の業務に差し障りが出るほどだった受領書確認作業の時間とムダが解消できました。FSC認証の案件では、決まって半年から1年に一度、膨大な件数の問い合わせがあります。一度に数百枚もの提示が求められると、山積された受領書の束の中から該当書類を一つひとつ探し集め、まとめてコピーをしていました。1件のオーダーに応えるのに2~3週間かかることも。それが「Box」にアクセスして該当データを検索し、まとめてダウンロードするだけに。「1日もかからず作業が終了するようになりました」(坂元様)。担当者のPCで作業が完了するため、保管スペースまで足を運ぶ必要がなくなったことも効率化に繋がりました。
お客様の捺印がされた受領書の束
数値にも現れるソリューションのさまざまな効果
お客様から受領書に関する問い合わせがあった際、これまでは営業が受領書を保管する物流会社や関係部署に問い合わせることが通常でした。しかし、今は営業も「Box」に直接アクセスできるため、その負担が大幅に軽減されました。「私のところにくる問い合わせが、とにかく減った実感があります。導入前の1/10程度になったのではないでしょうか」とは、業務部 物流チームのご担当者様のコメント。
また、物流会社が受け取った受領書は、スキャニングセンターで電子化され、原本は三菱製紙販売様を経ることなくそのまま外部倉庫に保管されます。「オフィスの一角を占めていた受領書の保存スペース、作業スペースもほぼ不要になりました」(坂元様)。
さらに、「これまでは受領書の問い合わせ対応をするために、業務のスタッフだけでは足りずにサブのメンバーが必要でしたが、今はそのサポートも要らなくなりました。少人数での対応が可能になり、コスト的なメリットも大きいです」(篠原様)。
コニカミノルタのサポートに満足
コニカミノルタのサポート体制にもご満足をいただいています。「何か問題が起こると、スピーディーに対応してもらっています。逆に、コニカミノルタさんの方から、何か不都合はありませんかと問い合わせをもらうこともあります。細かなところまでサポートが行き届いている点と、丁寧な対応には本当に助けられています」(坂元様)。
また、「ソリューションの運用仕様書が、常に最新の状態で提供されています。これにも助けられています」(篠原様)。コニカミノルタと、三菱製紙販売様、受領書の電子化を行うスキャニングセンターの間で常に情報共有がされるため、即時的、効率的に仕事が進むとのこと。「ソリューションという、カタチのないものだからこそ、きちんと業務が管理されているのが見えるのは本当に安心ですね」(篠原様)。
今後の展開
大阪支店へ 新たなビジネスとして
現在、受領書の電子化が進んでいる東京本店。そしてすでに大阪支店へのソリューションの導入を検討中です。また社内では、ソリューションを営業部署だけでなく、他の部門を含めた書類の電子化、業務負担の軽減に活かしていくことも考慮されています。「業務の効率化、省力化はもちろんですが、働き方改革の一環としても広げていきたいですね」(篠原様)。
さらに、ゆくゆくは現在の物流会社の受領書以外にも新たなビジネスとして展開する構想があるとのこと。「コニカミノルタさんをパートナーとして、このサービスを得意先、関係先へと紹介していきたい。当社でしかできないお客様への提案ができればいいなと考えています」(篠原様)。
受領書の電子化ソリューションの成功を背景に、新たなビジネス展開を視野に入れている三菱製紙販売様を取材しました。
東京本店オフィス
お客様プロフィール
三菱製紙販売株式会社
住所 | 東京都中央区京橋二丁目6番4号 |
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設立年 | 1956年8月 |
従業員数 | 251名(平成29年3月31日現在) |
事業内容 |
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概要 | 1912年に三菱製紙所(現在の三菱製紙)の西日本地区販売代理店として創業。100年以上にわたり、生活に密着した「紙」を通して社会に貢献してきた。森の恵みを活用する企業としての責任を果たすべく、2001年からISO14001(環境マネジメントシステム)の運用、2002年からは国内の紙流通業として初めてFSC®森林認証紙の販売を開始。さらに、2017年には本店でISO27001(情報セキュリティマネジメントシステム)の認証を取得し、「紙の専門商社」という立場から「幅広い商材・サービスを提供する総合商社」への転換を加速させている。社会変化を的確に捉え、事業を通して社会に貢献する企業を目指す。 |
取材 | 2017年12月 |
記載されている情報は取材時のものであり、閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。
- 当事例内の所属部署名、役職は取材当時にて記載したものです。