ECサイトから年間300万の売上!デザイン力を武器に挑戦を続ける、イースト朝日の in2site 活用術
企業プロフィール
企業名
:
株式会社イースト朝日
所在地
(本社)
:
鹿児島県鹿児島市南栄3丁目30-7
設立年月日
:
1997年6月
従業員数
:
50名(2022年8月時点)
大手広告代理店も頼りにするデザイン力と特殊印刷の技術力を武器に、お客様の課題を解決するイースト朝日
「常に挑戦する企業でありたい」をキャッチコピーに掲げ、鹿児島市内の本社をはじめ、東京、福岡、宮崎に事業を展開する株式会社イースト朝日(以下、イースト朝日)。長年の印刷業務で培った知識や経験、そしてトムソン加工やホログラム印刷といった特殊印刷の技術を強みに、お客様が抱える課題解決に取り組んでいる。
他社と比べても、早期の段階から特殊印刷に対応した設備を導入しており、「イースト朝日といったら特殊印刷」という社のイメージを確立、大手の広告代理店からも相談を受けるほどだという。この特殊印刷技術を支えているのが、デザイン力に強みがある現場の社員だ。ベテランから若手までが参加するチームでコンペへ参加したり、印刷技術やデザインの技術を教えたりと人材育成に注力しており、今回お話を伺った営業部の益田氏もデザインの実務をこなせるほどだ。
「営業の前にはプリプレスの部署に在籍していまして、Illustrator、Photoshop、InDesignといったツールは一通り扱うことができます。ただ、これは弊社全体の課題でもあるのですが、ことホームページやSNSといったWebサイト周りに関しての知識や経験がありませんでした」(益田氏)
SEO、レスポンシブデザイン、SNS連携、そしてEC機能が実装されたホームページを作成したい
「正直なところ、ずっと自社のホームページは古臭いな、変えたいなとずっと感じていました。しかし、具体的にどのようにホームページを変えていけばいいのかは分かっておらず……」と語るのは、取締役社長の東垂水美代子氏だ。
以前のコーポレートサイトでは、最低限の機能しか実装されておらず、会社と事業の紹介ページ、問い合わせ窓口が設置されている程度だった。ECサイトのような機能はもちろんのこと、SEOやスマートフォン向けのレスポンシブデザインにも対応できていなかったと益田氏が当時の課題を振り返る。
「モバイルファーストの時代において、若い世代のお客様を取り込んでいくためにスマートフォンに対応したホームページを構築することはマストでした。実際、現在のホームページをGoogleアナリティクスで確認するとスマートフォンからの閲覧が半数を締めています。
人材不足と採用難が叫ばれる中、よい人材に自社の魅力を知ってもらうホームページをデザインし、そして人材が採用できなくとも売上を維持していくためのECサイト構築に取り組むことになりました」(益田氏)
自社の採用力強化とECサイト経由による新規顧客の獲得を目的に、SEOやレスポンシブデザイン化※1、SNS連携、カート機能の実装といった要素を含めたホームページのリニューアルに、イースト朝日は取り組むことになったという。
CMSにWordPressを使用。Web素人にも分かりやすく、印刷業界向けのオプション機能も
ホームページのリニューアルプロジェクトを進めるため、東垂水氏と益田氏はまず、印刷業界向けのホームページ活用に関するセミナーに参加し、情報収集を始めたという。in2siteとの出会いは、1枚のチラシがきっかけだと東垂水氏は話す。
「チラシを見て、コニカミノルタジャパンのDXに関するセミナーに参加しました。『デジタルを活用した、ホームページのリニューアルと営業力強化』といった内容だったと思います。
セミナーの内容はもちろん、お話しされていた方が印刷会社出身ということもあり、私たちの課題について詳しく理解されていると感じました。『この方なら』と思い、私たちのホームページが抱える課題について、後日相談させていただいたのです」(東垂水氏)
セミナー内では、in2siteでホームページを構築することで、ルーティンの営業活動を効率化して人件費や交通費を浮かしつつ、営業リソースをより事業利益に繋がる領域に投下できることをお伝えした。同社ではin2siteのサービス説明を受けたあと、他社ツールとの比較検討を経てin2siteの導入を決定。
in2siteの導入を決めた理由について、益田氏は「CMSにWordPressを使用している点がポイントでした。私自身Webの素人ですが、WordPressなら何か分からないことがあっても、導入している企業が多いツールなため検索すれば様々な先行事例や情報を知ることができます。また、印刷業界向けに構築された『印刷ミツモリンクス』との連携も、自社の見積り計算ルールをそのまま当てはめるだけで便利だと感じました」と話す。
in2siteで採用強化と売上への貢献を実現した、3つの工夫とは?
in2siteの導入にあたって、コーポレートサイトとECサイトの構築を同時並行で進めることになった。コーポレートサイトの構築が先に終わり、ECサイトの構築ではこれまでの自社の見積り計算ルールをECサイト上の計算式に置き換えていく作業が進められた。益田氏にとって初めてのWeb構築であったこともあり、in2siteの導入サポートを積極的にご活用いただいている。
「分からないことを連絡すると、すぐに担当者の方に教えていただきました。参考サイトや他社の制作事例を提示いただけたので、まずは他社のページを参考にしながら私たち独自のカラーを出しています。HTMLも分からない状態からのスタートでしたが、制作会社さんにしっかりこちらの意図を説明してコミュニケーションできるようになりました」(益田氏)
コーポレートサイトとECサイトを構築する際、同社が特に工夫したポイントは以下の3つだ。
- 働いている人に焦点をあて、サイト内に社員の写真を掲載したこと
- SEOを意識して、ホームページ内の文言を決定したこと
- 特殊印刷という強みを全面に打ち出したこと
働いている人に焦点を当てるという工夫は、採用観点から進められた。以前のホームページにはなかった部署紹介のページを設置し、実際に働いている姿の写真を部署ごとに掲載することで、ものづくりに興味がある若い求職者が自社に関心を向けてくれるようにこだわっている。
SEOの観点では、狙ったキーワードで検索上位に表示させ、その検索結果からホームページへの流入数を増やすために「スタッフブログ」を開設。スタッフブログ内では細かくジャンルを分け、サイト訪問者が知りたい情報にアクセスしやすいように工夫がなされている。
3つ目の工夫が、特殊印刷という強みを全面に打ち出したことだ。具体的には、ECサイトには特殊印刷以外の商品を掲載しないという判断をしている。これにはWebならではの事情があると、益田氏は背景を説明する。
「対面の営業であれば、特殊印刷の実物をお見せした上で価格をご案内するので、少々高いお見積りでもお客さまに納得いただけます。しかし印刷されたサンプルを手にできないECの場合、単純に価格だけで判断されてしまいがちで、特殊印刷より安い一般の印刷商品にお客様が流れてしまいます。
また、当初はEC上で価格表を掲載していましたが、上記と同じ背景から、今ではお問い合わせいただいてからヒアリングと特殊印刷のご説明を行い、その後にお見積りするように変更しました。
Googleアナリティクスを確認しても、コンバージョンポイントを受注からお問い合わせに変更してからのほうが効果が高いことが分かっています」(益田氏)
サイトから年間300万の売上!デザイン力を武器に動画やホームページ制作の新規事業も
コーポレートサイトとECサイトの構築によって、インバウンドによる見込み顧客(リード)の獲得に成功している。ECサイトには1週間に10件ほどの問い合わせがあり、うち1、2件がオンライン商談に繋がっているという。新規顧客の内訳としては個人のデザイナーや広告代理店のクリエイティブディレクターが大半を占めており、購入意向が高いことが特徴だと、笑顔で話す益田氏にin2site導入後の成果を伺った。
「in2siteによるサイトの立ち上げ後、隔週で発注をいただける、いわゆるレギュラー案件をサイト経由で獲得することができました。その案件だけで年間で300万円ほどの売上に繋がり、単発で50万円前後の案件も不定期で獲得できています。
もう1つ大きな成果として、弊社のホームページに訪れた顧客から特殊印刷だけでなく、動画やホームページ制作の依頼をいただけるようになったことです。メインは印刷サービスであることに変わりはありませんが、弊社のデザイン力を武器に、Webを切り口にトータルなご提案ができるようになったことで、お客さまにご提案できるサービスの幅が格段に広くなったと思います」(益田氏)
益田氏主導で進められたin2siteの導入とサイト施策に対して、東垂水からもご感想を伺った。
「私がホームページを作り変えねばと考えていた頃と比べると、数段階レベルアップしました。弊社の情報発信も問い合わせ数も確実に増えていると思いますので、挑戦してよかったなと改めて思いますね」(東垂水氏)
なかでも東垂水氏が印象に残っている変化は、採用面接における面談希望者の自社理解度だ。以前とは違い、面接希望者がホームページ上の情報に目を通すようになった。それにより、部署ごとの業務をすでに把握している状態で面談が始まるため、面談希望者が自社の文化にマッチしているか、判断しやすくなったという。