適材適所のテレワークで業務のムダを省きつつ業績もアップ
KMソリューションズ栃木株式会社様
栃木県宇都宮市でOA機器事業、IT関連事業を中心にしてビジネスを展開するKMソリューションズ栃木株式会社様。業務効率化、経費削減を目指して2019年、全社的にテレワークをスタートしました。採用したのはリモート接続ソフトと、軽量・低スペックのノートPCを利用した、コストを抑えたテレワークソリューション。その結果、営業車の燃料費、事務所費用の大幅削減を実現するとともに、コロナ時の働き方改革にも貢献し、総務省の「テレワーク先駆者百選」に栃木県第1号で選出。業種、事業規模に合わせたテレワークで、大きな効果を上げています。
社内外どこでも業務・テレワーク
- 無駄な移動時間の削減
- 社内業務の効率化
- 日々の業務に、タイムロスなく迅速に対応したい
- 営業の自動車移動を無駄なく効率的に行いたい
- コストをかけず適材適所のテレワークを実現したい
- テレワーク効果を確かめつつ、対外的にアピールしたい
- ノートPCで遠隔地から作業ができるシステムを導入
- 無駄な車移動を減らし、仕事の効率化、経費削減を実現
- リモート接続ソフトの導入で低コストのテレワークを実現
- 「テレワーク先駆者百選」に栃木県で初めて選出
導入の背景
無駄な時間を減らしもっと業務効率を上げたい
栃木県宇都宮市で、2001年以来、OA機器、システムの販売、保守・メンテナンスを中心に、セキュリティー、オフィス環境など5つの事業を展開するKMソリューションズ栃木様。コニカミノルタの販売店様として20年以上のお付き合いをさせていただいています。
上野 将行 様
「もともと私は無駄なことが嫌いなのです。時間を有効に活用したい、もっと効率的なビジネスがしたいと常々考えていました」。お話いただいたのは代表取締役の上野将行様。営業のご出身で、今も自ら得意先訪問をされています。
栃木県では、営業は基本的に車移動。広い県内を車で回るのは大変で、時間もかかります。「以前は、客先で商談をしたあと、見積などを作るために一旦帰社、次の訪問のためにまた出ていくという仕事のやり方をしていました」。何度も帰社する時間が無駄で、車の燃料費もかかってしまいます。また、会議など社内の業務が多いのも問題でした。「朝から会議が始まり、それが長引いてお客様とのアポイントの時間が守れないこともありました」。長距離の車移動、会社内の拘束など、無駄な時間が多く、業務効率が悪いことがこれまでの課題でした。
コロナが蔓延する以前にテレワークをスタート
「実はうちのエンジニアたちは、今のようにテレワークが普及推進される以前からリモートで仕事をしていたのです」。2014年頃から技術系の社員はリモート接続を活用して、自宅や出先から社内PCの操作を実現していました。それを見た上野社長は、車移動が多い営業でもその機能を使えると考え、ご自分でも利用を開始。その便利さを実感すると、全社的な導入を推進しました。
営業には一人1台のノートPCを貸与し、テレワークの体制を整えました。これにより自宅でも、客先でも、車の中からも、詳細な資料閲覧や見積作成等ができるようになりました。「導入したのはまだ世間にコロナが蔓延していないときですね」。KMソリューションズ栃木様がテレワークをスタートしたのは2019年の初め、コロナ感染が世界中で広がる以前のことでした。
導入の効果
ビジネスに合ったテレワークを費用をかけずに
KMソリューションズ栃木様が導入したのは、会社のPCをそのまま持ち出したり、会社のサーバーにアクセスするテレワークではなく、リモート接続ソフトを利用したテレワークです。
これは会社のデスクトップPCに外部のノートPCから接続し、遠隔操作するもの。「安全性、機能性、導入コストから見て、この方法が当社に一番合っていると考えました。軽量、低スペックのノートPCを使って社内のデスクトップPC内のデータやアプリケーションを操作することができます」。リモート接続を使ったテレワークで、貸与用のノートPCの費用を抑えつつ目的に合ったテレワークを構築することができました。
「基本的に、データは会社のデスクトップPCにあり、出先のノートPCに重要なデータを置かないので、セキュリティー対策としても十分です」と上野様。リモート接続ソフトの導入に合わせて、勤怠管理もウェブアプリを導入しクラウド化。会社にいない社員の勤務を的確に把握することができます。
「テレワークと言っても、業務や業態に合ったものを導入することが重要だと思います。周りを見ていても、予算に合わないような大規模なシステムを組んで失敗したという例を何件か見ています」。身の丈にあったテレワークだからこそ活用し、継続できていると仰います。
デスクトップPCを遠隔操作
経費を大幅に減らし業績アップを実現
導入の結果、効率化、経費削減の成果が次々と出始めました。車で営業に出かけても、これまでオフィスでしかできなかった作業を客先や車内で済ますことができ、いちいち帰社する必要がなくなりました。これにより燃料費など車両にかかる経費、約2割の削減が実現。また会社にいる人員が減るため、省スペース化も実現できます。2022年8月に事務所の移転を行い、オフィスをコンパクト化、約3割の事務所費用削減に成功しました。
業務面でも大きな効果が出ています。「見積作成のためにだけ帰社する必要がなく、時間のロスが減り、効率よく客先が回れるようになりました」。オフィスに戻ることが減ったため、営業の訪問件数も増加し、社員一人当たりの売上も向上。残業も大幅に減らすことができました。
さらにこのリモート接続によるシステムは、承認を受ければお客様のPCも遠隔操作が可能です。「今まで大企業のサポートセンターでしか行っていなかった遠隔サポートが、当社でも提供することができるようになりました。おかげさまで顧客満足度も非常に高く、リピーターも増加しています」。
「コロナ禍で学校が休校になったときは、子どもと一緒に自宅にいて仕事をしてもらうことができました」。コロナ感染拡大に合わせてテレワークを始めたわけではありませんが、働き方改革という点でも効果がありました。
毎日のようにあった会議も、現在では全体会議が月1回、営業会議も週1回に削減。それぞれの業務に専念できる時間が増えました。「ルールで縛るのではなく、自己管理できるようなシステムをつくりたかったのです。一人ひとりのノルマを達成しやすい組織であることが重要と考えています」。
栃木県第1号で「テレワーク先駆者百選」に選出
KMソリューションズ栃木様のこのような取り組みは、栃木県で最初の「テレワーク先駆者百選」選出へと結びつきました。応募したきっかけは、先進的な取り組みを対外的にアピールすることと、テレワークの効果を第三者の視点から確かめたかったからとのこと。「すでにテレワークで成果を上げているコニカミノルタさんには、応募にあたり様々なサポートやアドバイスをいただき大変助かりました」。
「先駆者百選」のロゴは、名刺にも刷られ、お客様へのアピール、さらにはリクルート面でも効果を出し始めています。「いろいろな面で、タイミングよく始められたのが選出の大きな要因だと思います」。
今後の展開
自社実践を通し地域、他企業への提案へ
テレワークの取り組みは、現在、販売管理するシステムもクラウド化し、業務部のスタッフもテレワークができる体制を整備しています。「災害時など万一のときには、稼働できる状態にしてあります。これをさらに整備し、エンジニアや営業と同じレベルになるように進めていきたいと考えています」とのこと。
テレワーク導入の商談も複数発生しています。「客先で、社員たちがノートPCを開き、社内のデスクトップPCにアクセスしテレワークを実施する、これがもうお客様への提案になっているのですね」。テレワークの実践は、ビジネス拡大にも着実に繋がっています。「ただテレワークは我が社にとって、業務効率化と時間ロス削減の手段。それを忘れずにこれからも追求していきたいです」。
今回は適材適所のテレワークで、経費削減、時間有効活用、ビジネス活性化を実現したKMソリューションズ栃木様を取材しました。
コニカミノルタのテレワークソリューション [満足ポイント]
・燃料費約2割、オフィス賃貸料約3割削減を実現
・コロナ蔓延による学校休校時の自宅勤務を実現
・自社実践の効果でテレワーク導入案件を複数受注