手書きコードから in2site によるサイト構築へ!
コストを抑えるだけでなく、開発スピードも向上、SEO施策といった展開も
企業プロフィール
企業名
:
松澤印刷株式会社
所在地
:
長野県長野市七瀬中町82-1 本社ビル2F
設立年月日
:
1949年9月
従業員数
:
39人 グループ総計110名
(2020年4月1日現在)
事業のリスク分散を目指して。長野の松澤印刷が取り組む、お客様に寄り添う製本サービスとは
1946年、長野県北信地域に創立され、「みんなの喜びは、気付き・創意工夫・連携から生まれる」を経営理念に印刷製本事業やプリント通販事業に取り組む松澤印刷株式会社(以下、松澤印刷)。製本所としてスタートした同社では、冊子、本の印刷にこだわるだけでなく、一歩踏み込んだサービスをご提案していることが強みであり、BtoB事業として出版社や教育分野企業から厚い信頼を得ている。
その一方で、松澤印刷がBtoB事業で積み重ねてきたノウハウや経験を活かしてリリースしたBtoC事業がプリント通販サービスの「ぶっくりっく」と「卒園パック」だ。BtoC事業を始めた背景について、唐木田 直樹氏にお聞きした。
「2007年頃の当時は、既存のお客様に対する売上が、会社全体の売上構成比率の9割を超えており、さらにはご依頼いただくお仕事の数が少しずつ減少していました。このままでは事業リスクが非常に高いなと感じていまして、リスク分散を目的により幅広く事業を展開していくことになったのです。また、弊社の代表は新しいことへのチャレンジに積極的であったことも、新規事業の後押しとなりました。
「2007年頃の当時は、既存のお客様に対する売上が、会社全体の売上構成比率の9割を超えており、さらにはご依頼いただくお仕事の数が少しずつ減少していました。このままでは事業リスクが非常に高いなと感じていまして、リスク分散を目的により幅広く事業を展開していくことになったのです。また、弊社の代表は新しいことへのチャレンジに積極的であったことも、新規事業の後押しとなりました。
弊社にとって初めてのBtoCサービスである『ぶっくりっく』は、お客様のご予算に合わせて、少部数から冊子、本を印刷することができるプリント通販サービスです。『ぶっくりっく』を提供する中で、春のシーズンになると卒園系のフォトブックのご相談数が非常に多くなることに気付き、新たにリリースしたサービスが、幼稚園、保育園の卒園アルバムや卒園文集制作を取り扱う製本サービス『卒園パック』となります」(唐木田氏)
以前は手書きのコードでサイトを制作。開発のスピードや決済システムの構築に課題
「ぶっくりっく」「卒園パック」という2つのプリント通販サービスは、すべて松澤印刷内のリソースによって構築されており、CMSを使わずに手書きのコードによってデザインされている。また、レスポンシブデザイン化※1によるスマホ画面の最適化も、手書きのコードで実現したという。
その他にも、インターネット経由でのみ注文を受けているため、狙ったキーワードに対する検索順位を上げるためのSEO施策や、SNSによる情報発信といったコンテンツマーケティングに力を入れていることが特徴だ。開発を担当された中村 直美氏に、構築から運用における課題やお悩みについてお話を伺った。
「サイトデザインの構築や改修をしている期間中は、他の作業ができないほどコーディング作業に付きっきりになってしまうため、通常業務に支障が出てしまうことが課題です。どうしても外せない仕事は持ち帰りで対応していたことも……。また、スピード感をもったスケジュールで開発と改修を進められないことも悩みでした」(中村氏)
プリント通販サービスのサイト上の機能については、オンライン決済システムの構築に課題が残っていた。手書きのコードによって構築されているため、オンライン決済システムの構築にはかなり時間がかかったのだという。なお、現在は銀行振込や代金引換、カード払いや後払い系サービスが導入されている。
※1:端末に応じて表示されるレイアウトが変わるWebデザイン。スマートフォンやタブレットからでも快適に閲覧することができます。
新たなサービスの開発は、自社開発ではなくin2siteで。決め手は開発コストの低さ
「卒園パック」を運営するなか、同社ではスポーツ系や文化系、習い事、学校の「クラブ活動」の卒団、卒部のメモリアルフォトブック作成のご相談を受けることが増え、唐木田氏は「『卒園パック』と同様にサービスをパッケージ化し、別の製造ラインを用意すれば1つのビジネスになるのでは」と感じたという。子どもの成長とライフイベントに合わせてサービスを提供することで、お客様と長期的な関係を構築できること、これまでのノウハウや経験を横展開できることが大きなメリットだ。
その一方で、さらなる開発リソースが必要になることに課題が残った。そこで、手書きのコードによってデザインされた既存サービスとは違い、オンラインデザイン編集の機能を持つサイト制作サービスの導入を検討し始めたと、中村氏は当時を振り返る。
「ツールの選定にあたっては、フォトブックを制作するためのオンラインデザインツールの操作感を重視しました。製本経験がないお客様がほとんどのため、『簡単に操作できる』と感じていただけないとサービスとして成り立ちません。in2siteは説明がなくとも、ツールを感覚的に操作できる点が魅力的だと感じてました。
また、サイト構築の費用は特に評価しているポイントです。比較検討していた他社ツールの場合、in2siteの3、4倍ものコストがかかる計算で、導入には清水の舞台から飛び降りる決断が必要でした。
in2siteの営業担当者の方も、開発担当者の方も、皆さん印刷業界に対する理解が深く、オンラインデザイン編集機能の開発要望に関する打ち合わせで話のピントがすぐに合った印象だったことも、in2siteの導入を決定した理由の1つです」(中村氏)
印刷通販サイト向けのテンプレートでワイヤーフレームは不要。迅速な開発スピードを実現
in2siteの導入決定後は当初のスケジュール通り、3ヶ月かけてサイト構築が進められ、2022年4月より「クラブ活動」向けメモリアルフォトブック作成サービス「クラブック」としてリリースされた。過去に構築したサイトや競合他社の同規模のサイトと比較すると、圧倒的に短い期間でのリリースであったという。その背景について、中村氏は以下のように話す。
「in2siteの導入自体は非常にスムーズでして、ご担当者の方にサポート頂きながら進めることができたと思っています。弊社からの質問に対して迅速にご返答いただいたおかげで、コミュニケーションによるタイムロスを抑えながらスピードを落とさずに開発を進めることができていました。
また、一般的にWebサイトを構築する際には、ワイヤーフレームを引いて構築するという流れだと思うのですが、印刷通販サイト向けのテンプレートが用意されていたおかげで、ワイヤーフレームは不要、ラフ案だけでデザイン作成を進めることができています。
デザイン案の作成にリソースを割く必要がなかったことで、通販サイト内のコンテンツ制作に集中することができました」(中村氏)
同社が運営する印刷通販サイトでは、インターネット経由の注文数を増加させるため、SEO対策によるコンテンツマーケティングに注力している。「クラブック」についても同様に、狙ったキーワードでの検索順位を上げていくため、WordPressによるSEO対策に取り組んでいる最中だそうだ。
以前は手書きでコードを書いていたため、SEO対策も直接コードに手を加えることで実施していたが、WordPressの導入によって今後より効率的なSEO対策が見込めると中村氏は考えている。
自社制作に比べ、1/3ほどの開発工数に圧縮!浮いたリソースはSEO対策やマーケティングに
自社開発から、in2siteを活用した開発へ切り替えた松澤印刷株式会社。以前の開発工数と比較し、今回の「クラブック」の開発工数ではどのような変化が見られたのだろうか。定量的な変化について、プロジェクト全体の責任者である唐木田氏と開発担当の中村氏にお聞きした。
「今回の印刷通販サイトの構築では、in2siteを導入しただけでなく、コーディングを外部の制作パートナーにご協力いただいたことも前回との変化です。in2siteの運用環境はWordPressを使用しているため開発難易度を下げることができ、特に細かい指示を出さずとも感覚的に制作を進めることができました」(唐木田氏)
「本来であれば、制作パートナーには印刷業界のルールや注意点を伝える必要があったのですが、in2siteを導入したおかげでその手間と時間を削減することができます。その結果、以前のサイト構築時と比べて1/3ほどの開発工数に圧縮することができました。レスポンシブデザイン化も、以前と比べて半分以下の時間で実装することができています。
繁忙期である卒園シーズンと開発スケジュールが被っていたにも関わらず、制作リソースが圧迫されることがなかったのも、ありがたいポイントです」(中村氏)
「クラブック」の制作で浮いたリソースは、マーケティング施策に回すことができ、コンテンツの制作やリライト、SNS対策の実施に注力することができたという。WordPressをベースに開発を進めたことで、特にSEO対策に取り組みやすい環境が整ったことも成果の1つだ。
BtoBとBtoC、両事業で会社全体に好循環。そして「クラブック」の成功を他のサービスにも
「クラブック」のキャッチコピー「青春を色あせることない1冊に」という言葉にあるように、お子様の成長とライフステージにおける記念すべき瞬間を、きれいなフォトブックに残せる製本サービスを今後も提供していきたいと唐木田氏は話す。事業リスクを分散したいとの目的からスタートした松澤印刷のBtoC事業の展望について、唐木田氏にお伺いした。
「もともとはBtoB事業の経験を活かす形で、BtoCのオンライン製本サービスを展開してきました。しかし最近では、BtoCで得られた経験をBtoB事業にフィードバックする機会も増えてきており、会社全体によい循環が生まれていると感じています。
こうした循環のなかで得られたノウハウや経験を活かし、BtoC事業ではさらにサービスを展開していきたいですね。卒園や卒団だけでなく、卒業やハーフ成人式(10歳を迎えるお祝い)など、さまざまなライフステージごとのニーズにお応えするため、in2siteを活用しながらスピード感をもってサービスを拡大していきたいですね。
また、『クラブック』の成功ノウハウを『ぶっくりっく』『卒園パック』にも反映して、将来的にはリニューアルしていきたいと考えています。
弊社が掲げるコンセプト『お客様が思い出を「作り」、私たちは思い出を「残す」』を胸に、今後もオンライン製本サービスを展開していきたいです」(唐木田氏)
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