佐川印刷株式会社 様
印刷物の付加価値を高め、商業印刷の可能性を広げるために
佐川印刷株式会社 様
デジタルラベルプリンターを導入し、新規ビジネスを立ち上げ
紙媒体の印刷を中心にさまざまな情報メディアの分野で、幅広い事業を展開している佐川印刷株式会社様。印刷物の付加価値をさらに高め、商業印刷の間口を広げるため、シール・ラベル印刷を新規事業として立ち上げました。その重要なツールとして、コニカミノルタのデジタルラベルプリンター「AccurioLabel 190」を導入。同時にデジタル後加工機のロール TO ロール対応プロッターカッター2台、検査装置、梱包装置などを導入し、高い印刷品質と生産性を維持しつつ、ビジネスの早期立ち上げを実現しました。現在、シール・ラベル印刷の多彩なニーズに対応し、新規ビジネスとして成果を上げ始めています。
導入の背景
印刷ビジネスの間口をもっと広げたい
京都府に本社を置く佐川印刷様。印刷ソリューション、デジタルソリューション、ビジネスサプライの3つを事業の柱に、印刷から物流までトータルにサポートする企業です。メインの印刷ソリューションでは、カタログ、DM、雑誌など紙媒体の印刷物を中心に、シール・ラベル、軟包材などさまざまなメディアを扱っています。お答えいただいたのは、常務取締役の梅林裕蔵様。「当社は北海道から九州まで営業拠点を構え、また生産拠点として本社、日野、厚木、千葉に工場を持ち、全国どこでもサービスの提供を可能にしています。おかげさまで業績は順調ですが、将来に備えて、主力の商業印刷の間口をさらに広げたいと考えていました」。印刷業界がシュリンクしていくなかで、今後のビジネスのことを考え、新しい事業分野への進出を計画されていました。
シール・ラベル印刷ビジネスに新規参入
その方向性の一つが、シール・ラベル印刷ビジネスでした。「もともと当社には、シール・ラベル印刷を専業で行うグループ会社がありましたが、対応しているのは大ロットの案件。お客様のニーズが多い小ロットのものを内製できないかと考えたのです」。これはデジタルプリプレス部統括 部長の田中裕人様のお言葉です。
「そこで社内で審議した結果、役員会で承認されシール・ラベル印刷事業を立ち上げることが決定しました」(梅林様)。
事業立ち上げの条件は、早期に立ち上げができること、高い生産性が確保できること、そして、高度な知識やスキルを必要としないこと。これらの条件をクリアするために、ラベルプリンターの選定が始まりました。「さまざまな選択肢がありましたが、用途や作業量、オペレーターの問題を考慮してデジタルラベルプリンターに絞って、各社印刷機の検討に入りました」(田中様)。
部長
田中 裕人 様
デジタルソリューション課長
川東 宏之 様
本社工場にコニカミノルタのデジタル機を導入
その結果、京都の本社工場と千葉工場に2台のデジタルラベルプリンターが導入されました。本社工場に導入されたのが、コニカミノルタのデジタルラベルプリンター「AccurioLabel 190」でした。「13年ほど前から、コニカミノルタのオンデマンド印刷機を使用していたため、デジタル印刷の性能とハンドリングはわかっていました。これが選定の大きな理由ですね」とは、デジタルプリプレス部デジタルソリューション課長 川東宏之様です。
一方、千葉支社には他メーカーのインクジェット機が導入されました。「2つの工場で、電子写真方式とインクジェット、あえて方式の違うプリンターを選びました。受注状況やお客様のニーズによって、双方の得意不得意を補完しようという考えです」(梅林様)。細かな文字の出力など、高い品質が求められるものは「AccurioLabel 190」。白インクが求められるものはインクジェットという使い分けです。
同時に、プロッターカッターなどのデジタル後加工機や検査装置も導入。「これにより課題の一つであった早期事業化も実現することができました」(田中様)。
印刷物をシールやラベルとして製品化するために不可欠な後加工機(奥2台)と検査装置(手前)
京都本社工場では、”抜き加工” のためのプロッターカッター(デジタル後加工機)を2台導入
導入の効果
導入以来、順調に稼働し受注も日増しに増加
「AccurioLabel 190」は2017年12月に導入され、2018年2月から稼働を開始。「これまでは、想定していた通りの成果がでています」(田中様)。稼働後まだ数カ月ですが、すぐにオーダーがあり、受注も順調に増えてきているとのこと。
「以前からコニカミノルタのオンデマンド印刷機を使用していたので、同じデジタル印刷機で操作性は同じですから、新規導入といっても困ることは少ないですね」(川東様)。デジタル機ならではの特長である製版の不要、ヤレ紙の少なさ、セッティング作業の短さなどのメリットはもちろん、使い慣れているコニカミノルタのオンデマンド印刷機と同等の高い印刷クオリティーと生産性にも高い評価をいただいています。
ビジネスの可能性を広げるさまざまな活用法
デジタルならではのメリットは、さまざまな付加価値をつけた印刷に結びついています。「たとえば需要がありそうなお客様には、バリアブル印刷を活用したサンプルを作ってご提案することもあります」(田中様)。「絵柄や色、文言などを1枚1枚変えたノベルティーシールなどをご提案すると、とても反応がいいですね」(川東様)。
商業印刷全体への効果としても、これまでの主流であるチラシやパンフレット、ポスターなどの印刷物に、販促のシールなどをプラスすることも可能になります。「キャンペーンの印刷物すべてをワンストップで提供するビジネスにもつながっていきますね」(田中様)。
さらに、「最近では、会社案内やカタログを制作する部署とやりとりしていたお客様に、ノベルティーなど販促部門の担当の方を紹介していただくこともあるんですよ」(川東様)。シール・ラベル印刷ができることで、受注の領域も確実に広がりつつあります。
コニカミノルタのトータルで手厚いサポート力
「新規事業を始めるにあたり、コニカミノルタさんにはいろいろとご提案をいただきました」(梅林様)。シール・ラベル印刷では、プリンターだけでなく、印刷物を切り抜いてシールやラベルとして製品化するための後加工機が重要なツールとなってきます。「プロッターカッター等は、担当の方と相談した上で導入を決めました」(田中様)。また「導入前には、業界情報や採算ベースのデータなど、ビジネスとして継続していくための相談にもいろいろのっていただきました」(川東様)。マシンの提供だけではない、トータルなサポートが、新規ビジネスの立ち上げ・運営の大きな力になっています。
もちろん、マシンのサポートもしっかり。「これまでのデジタルプリンターで培った、良好な関係をベースに、メンテンナンス、サポートも、迅速に丁寧に対応していただいています」(川東様)。とおっしゃっていただきました。
「AccurioLabel 190」で印刷したラベルサンプル
今後の展開
より幅広くお客様のニーズに応えるために
幅広い分野を網羅した情報加工企業としての新たな可能性に結びついているシール・ラベル印刷事業。今後の展開についてお伺いしました。「『AccurioLabel 190』は、お客様のいろいろな要望に応えるツールとして、新たなビジネスフィールドの開拓のために、今後もっともっと活用していきたいですね」(梅林様)。それには、後加工機の充実が今後ますます重要になってきます。「シールやラベルは印刷後の加工がキーになります。導入してその重要性をますます実感しています。ハンドリングや生産性とのバランスを考慮して、さらに体制を整えていきたいと思います。」(田中様)。
コニカミノルタとの関係もさらに深めたい
「コニカミノルタさんは、デジタル印刷の分野で長年ご助力いただいています。シール・ラベル印刷の領域でも、パートナーとしてますます繋がりを深めていけたらと思います」(田中様)。最後に梅林様に、「デジタル印刷機以外のサービスやソリューションも多数お持ちなので、いろいろとご提案いただき、我々のビジネスとのマッチングを図っていきたいと考えています」と締めくくっていただきました。
印刷物の付加価値を高め、お客様のニーズに的確に応えるため、シール・ラベル印刷という新しい事業に乗り出した佐川印刷様をインタビューしました。
お客様プロフィール
佐川印刷株式会社
住所 | 京都府向日市森本町戌亥5番地の3 |
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設立年 | 1976年 |
従業員数 | 2,084名(関連会社含む) |
事業内容 |
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ホームページ | |
概要 | カタログ、パンフレット、雑誌等、紙媒体の印刷物を中心に、シール・ラベル、軟包材、文具・備品、広告、VTR制作、Webなどさまざまな情報メディアを取り扱い、印刷から物流までトータルにサポートする印刷会社。あらゆる状況に対応できる柔軟な“発想”と、豊かな経験という“力”をベースに、よりフレキシブルに、よりパワフルに、コミュニケーションの輝かしい未来を切り拓く情報加工業を目指す。創造力と経験を兼ね備えたマンパワーと、最新鋭の設備のコラボレーションで、新たなビジネスフィールドの構築に邁進する。 |
取材 | 2018年8月 |
記載されている情報は取材時のものであり、閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。
- 当事例内の所属部署名、役職は取材当時にて記載したものです。
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