中野区教育委員会 様
膨大な紙資料を一掃し、スムーズでわかりやすい会議へ
ペーパーレス会議システムで、効率的でムダのない運営が可能に
毎週金曜日に定例会を開催している中野区教育委員会様。傍聴者にも会議資料を配布し、“開かれた教育行政”を実践してきました。このほど、増大化する会議資料の削減と、ICTを利用した合理的な会議運営を目指して、コニカミノルタのペーパーレス会議システムを導入。キッセイコムテック株式会社のSmart Discussionと傍聴者の閲覧性を考慮した電子黒板をセットにすることで、会議のスムーズな運営と住民サービスの充実を両立させました。今回は、教育委員会事務局のご担当者に、導入したシステムの効果や今後の展望についてお伺いしました。
導入の背景
毎週金曜日、区民参加で開催される定例会
中野区教育委員会様は、中野区内の幼・小・中学校の運営を合議制の会議で決めていく執行機関です。毎週金曜日に定例会が開かれ、ここでさまざまな議題が審議されます。「定例会は教育長を含む5人の教育委員と事務職の幹部合わせて約20人で行われ、中野区の“開かれた教育行政”を体現し、毎回傍聴者が参加します」。お話いただいたのは、中野区教育委員会事務局 子ども教育経営分野教育委員会担当係長の金子宏忠様です。
定例会には紙の資料が配られます。「毎回毎回、出席メンバーと傍聴者合わせて35部の資料作成が必要でした」とは、同事務局子ども教育経営分野部経営担当・事務局運営担当の立花加奈子様。議題によっては、資料が100枚を超えることも。それが35部作られるので、一度の会議で使用される紙は膨大な量になっていました。
紙の削減と、会議の効率的な運営が課題
環境ISOの取り組みでは、オフィスや会議などで使用する紙の削減が求められます。「中野区でも、環境マネジメントシステムの取り組みのエコオフィス活動として、会議資料の削減が課題になっていました」。中野区教育委員会様はこの課題解決と会議の合理的な運営を目指して、当初Web会議への移行を考えました。しかし、会議資料をインターネット上に上げるのは、中野区のセキュリティーポリシーに抵触する恐れがありました。「さらにWeb会議は、相手の顔の映像と音声が主体になります。
資料を参照しつつ進める我々の会議が求めるものとは、ちょっと方向性が違っていました」と金子様は振り返ります。叶えたいのは、資料をしっかり表示できて、会議を円滑に進められること。その結果、行き着いたのがペーパーレス会議システムという選択でした。
コニカミノルタのペーパーレス会議システムを導入
基本仕様の提示後、入札を経て選ばれたのがコニカミノルタが提案したシステムでした。キッセイコムテック株式会社のペーパーレス会議システムSmart Discussionと電子黒板をセットにしたものです。「この電子黒板は、会議がペーパーレスになって傍聴者に資料を配れなくなったため、参加者全員が資料を情報共有できるようにしたいと、加えてもらいました」。このセットにより、ペーパーレス会議と傍聴者の閲覧しやすさを両立することができます。
コニカミノルタはすでに中野区役所様に複合機92 台を納入しており、その信頼もあってシステム導入は円滑に進み、2017年2月からテスト運用、3月より正式運用がスタートしました。
出席メンバーは手元のタブレットを見ながら、画面奥緑背もたれの傍聴者は電子黒板(画面中央奥)を見ながら、会議はスムーズに進行します。
年間約35,000枚の紙と準備の手間を削減
導入されたペーパーレス会議システムの機器は、タブレット端末17台と、サーバー、管理用のPC、移動できるラック、無線LAN用のアクセスポイントがセットになったもの。サーバーに登録した資料をタブレット端末に配信して会議が行えるようになり、完璧なペーパーレス化が実現。「1年間に会議に使用する量は概算で約35,000 枚。会議中に溢れかえっていた資料の山を削減することができました」と金子様。さらに「会議資料の出力と丁合い、ホチキス留め、配布作業など、会議資料を作るために必要だった手間も削減。準備時間も大幅に減らすことができました」。
Smart Discussionで会議運営もスムーズ
システムがもたらす利便性について、金子様にご紹介いただきました。発表者と会議参加者のタブレット画面が遅延なく同期し、常に同じ画面を見ることができます。「これまでのように、次のページをご覧くださいと、資料をめくってもらう必要もなくなりました」。
2画面表示機能では、会議参加者が、発表者とは別のページをタブレット画面に表示できます。「この機能は、参加者が進行中のページとは違う資料を参照したいとき便利ですね」。さらに評価が高かったのが、画面が回転する機能。「行政では、A4縦で資料を作成することが多いのです。縦長の資料だとPC 等の横長の画面では表示が小さくなってしまいますが、これはタブレット画面に合わせて回転させることができます」。行政サイズの資料を画面いっぱいに表示させることが可能です。
現在、ペーパーレス会議システムは、定例会だけでなく打ち合わせ会議や、経営会議、さらには職員の研修などにも使われ、年100回以上の利用機会が想定されています。
独立したネットワーク環境で、高いセキュリティー
このシステムは、庁内のネットワークに繋がっておらず、独自のサーバーと無線LANでタブレット端末を結んでいます。「独立したネットワーク環境なので、情報が漏れる心配が少ないのもメリットですね」。またこのシステム独自のセキュリティー機能で、安全性はさらに高まります。「資料の内容は会議終了後に削除するように設定しています。だからサーバー内は会議以外はいつも空っぽ。セキュリティーはしっかり保たれています」とのこと。
さらに独立したネットワークのメリットは他にもあります。無線LAN アクセスポイントと一緒にラックに入ったサーバーごと移動して、「庁内の他の会議室で、あるいは庁外に持ち出して会議をすることもできます」。特定の会議室だけでなく、さまざまな場所で会議を行うことが可能になりました。
ラックごとシステム一式を移動させて、別の場所で会議を開催することも。
今後の展開
数年後に実現する新庁舎移転を見据えて
中野区では、現在、新しい区役所の整備計画が進行中です。7~8年後の新庁舎完成に向けて準備がすでに始まっています。「新しい区役所では、住民サービスの提供も大きく変わっていくと思います」。ICT化が進み、モバイル活用や電子申請などが当たり前になっているだろうとおっしゃる金子様。「我々が今、このようなペーパーレス会議をやっていることは、重要な布石になる。ICT 化のパイロット的役割を担っているのではないでしょうか」。
中野区教育委員会様の取り組みは、今後のお手本として、区役所内外から大きな注目を浴びています。
コニカミノルタのソリューション力、提案力に期待
「今回、自分たちがまさに求めていたペーパーレス会議システムをご提案いただきました」。一つのシステムだけでなく、顧客のニーズやお困りごとに合わせトータルに応えていくコニカミノルタのソリューション。「例えば、このシステムに映像や音声を活かしたWeb 会議を組み合わせていく、そんな可能性もありますよね」。コニカミノルタならではの提案に大きな期待をしている、と締めくくっていただきました。今回は、ペーパーレス会議システムを発端に、行政サービスの新たな可能性を探る中野区教育委員会様を取材しました。
お客様プロフィール
中野区教育委員会
住所 | 東京都中野区中野四丁目8番1号 |
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職員数 | 68名(教育長、教育委員、事務局職員) |
活動内容 | 定例会による教育行政の基本的な施策の決定や教育幹部の人事。その他、学校訪問、地域教育活動、表彰等 |
ホームページ | |
取材 | 2017年6月 |
記載されている情報は取材時のものであり、閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。