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株式会社マッシュビューティーラボ 様

ニス加工の常識を覆すデジタル加飾印刷技術が独創的かつ新しい表現を演出

Celvoke 創立3周年特別仕様パッケージ
Celvoke
創立3周年特別仕様パッケージ

最新技術で、五感を刺激し、人を感動させる記念パッケージを実現

天然由来成分をベースに、先進テクノロジーを駆使した化粧品を展開するビューティーブランド「Celvoke(セルヴォーク)」。百貨店の化粧品フロアにオーガニックコスメという新風を吹き込んだパイオニア的存在として知られるこちらのブランドは、2019年11月11日に設立3周年を迎えました。2020年の春夏コレクションは、それを記念して特別仕様のパッケージで販売。商品はもちろん、ブランドの世界観を余すところなく表現した美しい外箱も話題になっていますが、その独創的なデザインの実現には、コニカミノルタジャパンが販売する最新のデジタル加飾印刷機「JETvarnish 3D」が一役買っているのです。

評価点は、「キーカラーであるブラックがより美しく、深みのある印象に」、「厚みのあるニスコーティングによる立体感と奥行き」、「光を乱反射しキラキラと輝くエンボス部分の美しさ」、「エンボス部分の思わず触れたくなる細かい凹凸と心地よい手触り」。今後の展望は、「ニスコーティングはもちろん、メリットが大きなデジタル印刷を幅広く活用」。

活用の背景

3周年記念パッケージでニス加工に挑戦

「『Celvoke(セルヴォーク)』を立ち上げる際、『このコスメを使うことで、どのような女性になれるか?』という理想像を決めました。それが『芯が強い、奥行きのある女性』というものですが、パッケージのデザインには、このイメージを落とし込んでいます」。
天然由来成分と先進テクノロジーを融合した化粧品で、洗練された上質な美を求める女性たちから絶大な人気を集めるコスメブランド、セルヴォークのパッケージデザインについて、ブランドのディレクターを務める田上陽子様は、このように説明します。
パッケージデザインのこだわりは、化粧品の容器はもちろん、外箱も同様。モノトーンをベースに各面の色濃度を微妙に変えることで、シンプルながら奥行きを感じさせるデザインに仕上げているとのこと。
そのデザインは、ブランド立ち上げから変わることはありませんでしたが、このほど発表した2020年の春夏コレクションでは、ブランド設立3周年を記念した特別仕様でリリース。マットな質感が特徴の通常パッケージとは異なり、表面に艶感のあるニス加工が施されているのです。


株式会社マッシュビューティーラボ
Celvoke / F organics事業部
ディレクター
田上 陽子 様

これまでのニス加工の常識を覆す繊細な表現の秘密とは?

この特別仕様パッケージのデザインは、グラフィックアーティスト・アートディレクターのYOSHIROTTEN(ヨシロットン)さんが担当。「危機に瀕している地球や自然を守る―というメッセージを込めて、今回は“ 宇宙” という世界観を表現したい」という田上様からのリクエストを受け、「大気圏を抜け宇宙へと解き放たれる瞬間」をデザインに落とし込んだとのことです。コレクションのラインアップを並べると美しい色合いのグラデーションがつながり、惑星の地平線のようなビジュアルになり、何とも神秘的な雰囲気。厚みのあるニスコーティングが光をはらむことで、グラフィックに奥行きを感じさせ、その美しさを一層際立たせています。
また、外箱の下部は網点状にニスがコーティングされてありますが、これは素粒子を表したもの。部分ごとに厚みや点の大きさを微妙に変えることで、独特の世界観を醸し出すことに成功しています。
このような複雑で細やかな表現を、ニス加工用の版を作ってコーティングを行うアナログの加工機で行うのは、作業工数や技術の面でハードルが高いといえます。しかし、今回のプロジェクトでは、フランスのMGI デジタルテクノロジーが製造し、コニカミノルタジャパンが販売するデジタル加飾印刷機「JETvarnish(ジェットバーニッシュ)3D」を採用。デジタル技術を活用することで、ニスによる繊細なデザインを効率的かつ高精度に実現することができたのです。

活用の効果

デジタルの強みを生かして自由度の高いデザインを実現

「JETvarnish 3D」を利用した経緯について、田上様は次のように説明します。
「ブランド設立3周年に合わせて『何かやりたい』と考えていた折、『最先端の技術を使ったニス加工機がある』とご提案いただいたことが始まりでした。話を聞いて『これまでマットでシンプルなデザインコンセプトを重視してきたセルヴォークが、あえてニスを使ったらどうなるのか?』という興味が湧き、チャレンジすることを決めました」。
そうしてスタートした3周年記念のパッケージデザインプロジェクトですが、完成までには試行錯誤を繰り返したとのこと。まずは、そのプロセスでデジタルのメリットを実感したと田上様は振り返ります。
「ニスの厚みを印刷機側で細かく設定できるので、厚みを変えて数パターン出力してもらって、仕上がりを確認しながらニスの処理をどうするか決められたのはありがたかったです」。
アナログのニス加工機で仕上がりを確認するには、本機校正を行うしか方法がありません。その点「JETvarnish 3D」であれば、制作途中でも手軽にテスト印刷ができるのです。
さらに、先述した網点状にコーティングした部分も、網かけ濃度を変え、いくつかのパターンでテスト印刷が行われましたが、テストと全く同じように再現できるのもデジタルならでは。つまり、完成したパッケージデザインの高いクオリティは、デジタル加飾印刷機を使用したからこそ実現できたといえるのです。

光の反射や手触り―五感に訴えるデザインに感動

「今回のパッケージでは、ブランドのキーカラーであるブラックの出方が、特に気に入っています。立体感のあるニスコーティングのおかげで、ブランドのコンセプトでもある『奥行き』が感じられ、宇宙の世界観もうまく表現できました。それと素粒子をイメージした網点の部分も納得の仕上がりです。ニスのエンボス効果で手触りも楽しいですが、こうやって光をあてるとキラキラと星のように輝くのです。この美しさは精密かつ正確なニスの処理によるところが大きいと思いますが、これはデジタルならではですよね。はじめて出来上がったものを手にしたとき、『これまでのコスメのパッケージにはない新しいものだ』と、とても感動したのを覚えています」と、田上様はその仕上がりに満足していますが、以前は、ニスコーティングは自ブランドにはそぐわないと考えていたとのこと。
「ニス加工は、どちらかというと女の子っぽく、派手なイメージのあるブランドが使う印象で、セルヴォークとはイメージが合わないと思っていました」。
しかし、今回「JETvarnish 3D」がそのイメージを覆すことになりました。自由で柔軟なニスの表現力で「奇をてらうことなく、見る人の心を引き付ける高度なデザイン」を実現。また、化粧品の外箱は、最初にお客様の目に触れる部分。だからこそ、そのデザインはブランドのイメージをしっかり表現しているだけではなく、まずは「手で触れたい」と思ってもらえることが重要です。その点、キラキラと輝く光やエンボスの凹凸が、そのような気持ちを掻き立ててくれます。
さらに、セルヴォークでは、元々シンプルなデザインにこだわり続けてきましたが、現在、化粧品の外箱のデザインは、シンプルなものが流行っています。そんななか、デジタルニスコーティング技術により、シンプルでありながら、他社のものとは一線を画す、個性的なデザインを実現できたこともご評価いただいています。
いずれにせよ「JETvarnish 3D」が、ブランドの世界観を守りながら、インパクトや新しさを付加することに貢献できたことは間違いないようです。
発売に先駆け、東京・渋谷のプラネタリウムにおいて開催されたコレクション発表会でも、会場に集まった記者やモデルの方々から、このデザインに対する驚きと称賛の声があがり、評判は上々だったと言います。

左:新宿伊勢丹にあるセルヴォークの店舗 右:2020年1月8日(水)~14日(火)には特設会場も設けられた

今後の展開

表現の幅を広げるデジタル印刷のメリット

「ニスを使った表現の可能性が実感できたので、今後も機会が合えば活用していきたい」と田上様。「JETvarnish 3D」のニス加工は、パッケージに限らず、グッズやケースなどに活用できるかもしれないということですが、「表現の幅が広がったことは今回の取り組みの成果の1つだった」と強調します。
また、今回紹介したパッケージは、オフセットで印刷した用紙を「JETvarnish 3D」でニス加工するという工程で制作していますが、今回デジタル加飾印刷に触れたことで、改めてデジタル印刷のポテンシャルに気付かされたと田上様は話します。
「まず、デジタル印刷の特徴の1つであるインクのにじみが少なく、色の再現性が高いことはメリットが大きいと思います。こちらのイメージ通りの色味で印刷できるようになるのは魅力的です。さらに、これも版を用紙に接触させる必要がないからですが、様々な紙が使えるのもありがたいですね。そして、消費者は、自分だけのオリジナリティのあるものを求めるようになり、現在、オーダーメイドをすることが流行っています。そのようなニーズに対応するために、1つひとつパッケージが異なる商品を提供するという展開も考えられます。それを実現するのは、オフセット印刷では難しいでしょうけど、デジタル印刷なら可能かもしれません。1つひとつ異なるとまでいかなくても、店舗ごとに別々のパッケージで展開するのもよいですね。これまで、活用している印刷方式が、デジタル印刷かどうかということを意識したことはありませんでした。しかし、ロットの大きいものはオフセット印刷、小ロットのものはデジタル印刷で―と、用途によって使い分けることで、できることが増えると思います」。
これまで、化粧品業界で新たなトレンドを生み出すなど、新しいことに挑戦し続けてきた田上様。今回、デジタル印刷のメリットと可能性を肌で感じたことが、新しいアイデアを生み出す刺激になったようです。

MGI デジタルテクノロジーのインクジェットスポットUV ニスコーター JETvarnish 3D 満足ポイント。「自由な表現が可能なニス加工で、立体的で印象に残るデザインを実現」、「スピーディかつ手軽なテスト印刷が可能」、「小ロットでも利用できるコストパフォーマンスの高さ」

お客様プロフィール

株式会社マッシュビューティーラボ

住所 東京都千代田区麹町5-7-1 麹町ダイビル 5F
創業 2010年9月
従業員数 556人(2018年2月末現在)
事業内容 化粧品、化粧品雑貨及び美容用品の企画、輸出入及び販売、服飾及び服飾雑貨の企画及び販売、ビューティーサロンの運営など
ホームページ
概要 「やさしさとこだわりのある生活を日本中に届け、人々をHAPPYにする」を企業理念に、化粧品以外にも、アパレルや飲食など、幅広い事業を行っています。化粧品に関する事業では、今回紹介した「Celvoke」や、同じく田上様がディレクターを務める「F organics(エッフェオーガニック)」といったブランド運営の他、世界中のナチュラル&オーガニックコスメを中心に扱う「Cosme Kitchen(コスメキッチン)」を代表とする小売り事業なども展開。日本のオーガニックコスメ市場拡大をけん引してきた企業として知られています。
取材 2019年12月

記載されている情報は取材時のものであり、閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

  • 当事例内の所属部署名、役職は取材当時にて記載したものです。

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