社員の意識を変え、企業文化として根付かせる文書管理改革プロジェクト
国分ビジネスサポート株式会社様
300年という長い歴史を持つ国分グループのシェアード会社として設立された国分ビジネスサポート株式会社様では、2018年から社内の文書管理を改善するプロジェクトを推進。コニカミノルタジャパンは、アンケート調査による状況把握やルールの整備・周知、運用支援などのサポートをさせていただきました。文書管理手法を統一化したことで情報の属人化の解消や社員の心理的負荷の軽減、紙文書の削減という効果が生まれています。
紙文書の削減・運用管理
- 情報の属人化の解消
- 中堅・若手社員の心理的な負荷の軽減
- 書類の場所が保管した本人しか分からず非効率
- 情報の属人化による一部の社員への業務負担増
- 意識改革と共有ルール厳格化で文書の属人化解消
- 情報の属人化解消による社員の心理的負担を軽減
情報の属人化解消を目的に文書管理運用ルールを整備
1712年創業、300年を超える歴史を持つ老舗として知られる国分グループ ―。
今回お話を伺った国分ビジネスサポート株式会社様は、国内グループ各社の事業に必要なあらゆる間接材の調達を行うことを目的として、1974年にシェアード会社として設立されましたが、現在はサービス対象を外部企業に拡大。オフィスサプライ、保険代理業、総合広告代理業、情報企画編集、研修・講演会企画運営、営業代行業務受託、経理・給与関連シェアードサービスなど、企業がビジネスを円滑に進めるための支援を行っています。
そんな同社では2018年に、文書管理ルールの整備とルールを定着化させる取り組みを実施。その目的について、プロジェクトオーナーを務めた同社 執行役員 第一営業部長の今泉純一氏は次のように説明します。
「予てから『5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・習慣の頭文字をとった職場環境改善のためのスローガン)』を行ってきたこともあって、2017年の事務所移転の際に、紙文書の整理・削減に取り組んだ経験があるのですが、今回のプロジェクトの主な目的は、情報の属人化の解消や中堅・若手社員の心理的な負荷を軽減させることでした」
そして、このプロジェクトを進めるにあたって、いくつかの文書管理支援を行う企業にコンタクトを取り、検討した結果、コニカミノルタジャパンがパートナーに選ばれました。
「コニカミノルタジャパンに決めたのは、文書管理改善をはじめとする働き方改革を自社で進めてきた経験があったから ―。
プロジェクトを進めていく中で、生じがちな失敗や課題の解決策を持っているので信頼できたということです。また話を進める中で、我々の企業文化をきちんと理解しようとしてくれたことも評価しました。これならルールやソリューションを提供して終わりというのではなく、適切な文書管理を実現するための考え方や環境を社内文化として定着させてくれると思ったのです」(今泉氏)
曖昧だった文書管理運用ルールを明確に
プロジェクトは、社員へのアンケートなど、状況を把握するための調査から始まりました。この調査により、文書管理運用ルールが具体化されていないため、紙で残すべき情報の線引きが不明確で個人の判断に任せられていたり、ファイルサーバーに保存されているデータがすぐに探せないが故に、紙文書を出力して各人が手元に保管しているという状況があることが明らかに。そして、情報の属人化はこのような状況が引き起こした結果であるとコニカミノルタジャパンは分析しました。
実は国分グループには「文書保存規程」というグループ共通の文書管理ルールがありますが、これはあくまで文書管理の方針や考え方を定めたもの。具体的な運用ルールまでフォローされているわけではありません。そこで、「文書保存規程」に基づいた全社共通ルールである文書管理ガイドラインを作成しました。
具体的には「保存すべき紙文書とそれ以外の仕分け」や「紙文書のファイリング」のほか、ファイルサーバー内のドキュメントファイル名やフォルダ構成のルールなどを定めました。
「コニカミノルタジャパンの提案で、印象的だったのは『書類は1枚たりとも個人のものはない』というメッセージです。
今考えれば当たり前だと思えるのですが、当時は書類は各担当のものという意識があったのは否めません。ですから、案件が終了しても関係書類が担当者のデスク内に保管され、文書や情報が属人化していたのです。現在は、終了した案件の関連書類は共有の保管場所にファイリングするルールになり、属人化は解消されました」(今泉氏)
細やかなサポート体制が社内の意識改革を促進
約半年間に及ぶプロジェクトを進めてきた結果、書類・情報の属人化解消と紙文書量の3割削減に成功しましたが、いくらルールが優れていたとしても、きちんと運用されないと結果にはつながりません。つまり社員の意識が変わり、ルールや考え方が社内に根付く必要があります。
同社 第一営業部副部長の浦島大祐氏はこの点について「プロジェクト終了時のアンケートで『この取り組みをやってよかった』と答えた社員が85%に上った」という結果を挙げ、「社内意識の変化を実感している」と話し、こう振り返ります。
「まず、プロジェクト実施前にアンケートを行ったことで『会社が本気で文書管理の取り組みを始める』ということを社員に伝えられたのは大きかったですね。また、ルールやマニュアルを作成する際、週一で定例会議を開いてもらいましたが、そこで課題や疑問について、その都度相談でき、原因や解決策を提示してもらえたのはありがたかったですね。それができるのもコニカミノルタジャパンが自社で取り組みをして、様々な失敗を乗り越えてきた経験があるからこそだと思いますが、プロジェクトを進める中で生じた課題や疑問をすぐにフィードバックできたことも、社員の意識を変えるにはよい影響があったと感じています」(浦島氏)
さらに同社 第一営業部 第二担当 課長の田中哲也氏も「プロジェクトの進行状況を確認するため、社内の見回りなどもしてもらいましたが、そのようなシーンを目の当たりにすることが、各々の社員が文書管理について考え始めるきっかけになりました」と付け加え、コニカミノルタジャパンの細やかなサポート体制が社員の意識変革に貢献したことを強調します。
文書管理改革改善が働き方改革を加速させる?
今後は、同様の取り組みをグループ全体で実施する計画も検討されているとのことですが、「いずれにせよ、文書管理はルールを整備したから終わりという訳ではありませんので、社内の取り組みは継続して進めていかなければならないと考えています」と今泉氏。
今回の取り組みでは、紙・電子文書の適切な共有化による「情報の属人化の解消」や「検索性の改善」「紙文書削減」を実現しましたが、情報共有化による「中堅・若手社員の心理的負荷軽減」や「生産性向上」といった効果、そして今後推進していく予定の「働き方改革」にも好影響を与えることも期待されています。
「今回は文書でしたが、取り組みによって『何かに縛られることが損失につながること』が分かったので、何にも縛られない企業にしていかなければならないと感じています。場所や時間に縛られず、自分にあった働き方を社員が選択できる環境を構築する『働き方改革』を進める上でも、文書管理の改善や社員の意識変革を実現できたことは意義深いことだと考えています」(田中氏)
コニカミノルタ担当者から
情報の共有化を現場に浸透させるための運用までサポート
社員の心理的負荷の軽減を実現
ソリューション応用サービス部ドキュメントグループ
平山 義一
情報の引継ぎ、ノウハウの共有ができない、それにより社員の心理的負荷は大きくなってしまっているのでは… プロジェクトオーナー様のその想いから始まりました。どのような運用なら課題が解消するのか。またその内容は日々忙しい社員様にとって、実行できる内容なのか。毎週の定例会で3時間近く膝を合わせて話し合ったことが、今でも記憶に残っています。実際少しずつ効果が出ているとのお話を伺い安心しました。これからもお客様に寄り添い、課題の解決に努めていきたいと思います。
関東支社 第一営業統括部 第一営業部
松下 英恵
当社の大切にしているルール・人・システムの三位一体の考え方にご賛同いただき、情報の属人化による心理的負担増という課題に対して、運用ガイドラインを作成し平準化を図るというアプローチ提案を採用いただきました。作成したガイドラインの運用にあたり、情報の共有化も業務として現場へ落とし込んでいただけたことが、成功への近道だったと感じています。今後も自社実践の経験を活かし引き続きご支援してまいりたいと考えております。
コニカミノルタの文書管理改善サービス [満足ポイント]
・綿密なヒアリングと調査による課題発見力
・自社実践の経験を生かした現実的な提案内容
・顧客に寄り添い、運用にのせる的確な支援