ECモールへの出店経験から in2site を選定。封筒印刷を始めて10年、自社ECサイトの立ち上げと、その狙い
企業プロフィール
企業名
:
田中創美堂印刷株式会社
所在地
:
東京都新宿区山吹町340 渡辺ビル1F
設立年月日
:
1974年10月
従業員数
:
25名(2024年2月現在)
1974年創業。業界トップクラスの封筒の生産体制を持つ田中創美堂印刷
現在、印刷業界全体が厳しい中、お客様の笑顔を求め希望に沿うように、自分たちの技術を高めスピードに特化することを目標に掲げ、業界トップクラスの生産体制を持つ田中創美堂印刷株式会社。
オンデマンドはもちろん、単色機、2色機、4色機のオフセット印刷機を複数揃え、封筒印刷では全てのもの(ベロベタ、ベロ咥え等)をカバーでき、4色印刷であれば1日20万枚も仕上げることが可能となっている。
また、印刷物の色に関する情報も、全ての商品をデータ化し、保存しており再版印刷でも同じ色を出せるのもポイント。品質の高い製品を、より早く、より確実に低価格でお客様にご用意するため、積極的に新しい取り組みを手がけており、その一環として始まったのが自社ECサイトの開設だと同社代表取締役の田中氏は話す。
「先代が、1974年に創業しました。私が印刷業を引き継いで四半世紀が経ちました。社会は刻一刻と変化していると感じます。特にデジタル化の影響はとても大きいですね。インターネットが普及し、ECサイトでの購買が当たり前になった昨今、印刷業である私たちも変わらねばと考えたのです。自分たちがECサイトを勉強するため、まずは大手の総合ECモールで自社ページの開設からスタートしています。
価格が安い、スピードが速い、品質が良いだけではお客様を獲得できない。細かくお客様の要望を察知することのできる組織を持たなければ難しいと理解しています」(田中氏)
ECサイト「封筒御殿」リリースの背景と狙い
同社のビジネスモデルはBtoB向けのサービスが売上の柱となっている。世の中の流れから、新しいECサイトのカタチを求めて始めた当時のECサイト運営の狙いについて、ECサイトの構築を担当した制作部の久保山氏に、当時のお話を伺った。
「今回のお取り組み以前から、対面を重視したり、紙による手続きが多かったりと、印刷業界のアナログさを感じていました。そこでECモールへ出店することで、受注から社内処理、印刷、出荷を全てデジタル上で完結するためには、社内でどのような体制を整え、どのように対応すべきなのか、検証してみたかったのです。
また、大手IT企業でもネット印刷のサービスを展開していること、その企業からの依頼をお受けしたことも刺激になっています。そこで2021年の秋より、ECサイト『封筒御殿』をスタートさせました」(久保山氏)
都内トップクラスの自社設備を保有していることを武器に、まずは手軽に始められる大手企業のECモールから出店を始めている。実際に出店する上では無理に売上を追わず、検証の中でEC運営のメリットやデメリットを洗い出したと久保山氏は振り返る。ECモール主点では、具体的にどのような課題が出てきたのだろうか。
「ECサイト開設後、1年後には少しずつ売上が出てくるようになりましたが、ECモールの最大のデメリットは、出店料や月額のシステム利用料、システムサービス利用料など、さまざまな料金がかかることによって月額コストが大きな負担になることです。さらにECモールは主に一般消費者や toC向けであるため、求められるロット数はどうしても少なくなっていました。そこで月額コストを抑え、toC向けではなくtoB向けにサービスを提供することを目指して、2022年の6月頃から自社でECサイトを立ち上げることになったのです」(久保山氏)
ECモールへの出店経験をもとにツールを選定。自社ECサイトの構築に必要な機能
ECモールへの出店経験はあったものの、自社ECサイトの構築は初めて。そこで印刷通販サイト作成ツールの導入を検討することになった。ECモールでの出店経験から、必要な機能を以下のように選定している。
- レンタル共用サーバーが含まれていること
- 見積もり機能が実装されていること
- デザインの構築、変更が簡単なCMSであること
上記の条件を満たしていたことからin2siteの導入を決定し、同時にWeb制作会社にWebデザインを依頼することになった。また、自社ECサイトの構築には、IT導入補助金も活用されており、実質的な負担は1/3に抑えられている。引き続き久保山氏にお話を伺った。
「自社ECサイトを立ち上げるのは初めてのことで、立ち上げるにあたって、Webに関しての知識も知らないことも多く、そうした状況でも、コニカミノルタ社やご紹介いただいたWeb制作会社の方にご尽力いただき、オンラインや対面での打ち合わせを重ね当社の要望も汲んでいただきながら進行することができました。
特に印象的だったのは、コニカミノルタ社のご担当者の “御社の強みは品質が高く、短納期でも大量に生産できる設備を持っていることなので、全国の印刷会社様に向けてアピールした方が良い” と社外の目線からはっきり仰っていたことです。
また、構築にあたって苦労した部分としては、商品登録でした。in2site自体が印刷会社向けに開発されているので、それに合わせた構成や商品登録が必要となります。
価格を決めるために、市場調査から始まり、原価や手数料などを見つつ価格を決め、商品画像を用意して商品登録へ進みます。
同時に、商品登録をすると社内で運用するための伝票が自動で出来上がるようになっておりますので、社内側とお客様側のどちらのことも考えながらの作業でした」(久保山氏)
実践して学んだ「ECモールと自社ECの違い」。未経験にこそ in2site をおすすめするワケとは
ECモールへの出店に続き、自社ECサイトを構築した田中創美堂印刷株式会社。実際に自社ECサイトを立ち上げることによって、どのような学びが得られたのだろうか。引き続き、ECサイトの運用を担当する久保山氏にお話を伺った。
「同じ “ECサイト” でも、大手企業のモール型のECサイトと自社ECサイトでは大きな違いを感じました。大手企業が運営するECサイトは、大々的にモール自体を宣伝し集客を行い、ポイント制度や季節ごとのイベントなどでECサイト内にお客様が一定数確保されている状態ですので、モール内で出店している企業間でどのようにして戦っていくかを考える事に注力します。が、モール内のお客様が必ずしも自社の商品を求めるお客様とマッチングするというわけではありません。
一方の自社で運営するECサイトの場合は、自力で顧客を獲得していかなくてはなりません。代わりに手数料なども大手企業のECサイトに比べてほとんどかかりません。そして、一番大きい違いは制限のない運営ができる事です。制限がない事によってまた新しい挑戦ができ、チャンスも増えると思っています。」(久保山氏)
自社ECサイトや WordPressの操作は久保山氏にとって初めてのこと。当初は正しく操作できるか不安もあったそうだが、現在は問題なく操作できているという。特に評価いただいているのが、操作のシンプルさだ。
「自社ECサイトを運営するにあたり、WordPressの土台に受注システムなど必要な機能はカスタマイズされており揃っているので、スタートしやすい状態で提供いただけました。ページ編集に関しても短縮用のタグやその見本用ページもありますし、機能の説明もマニュアルに写真入りで載っており、読み込めば初めてでも大丈夫だと感じました。わからないことがあっても、サポートの方にお聞きできる体制が整っているので、今後自社でデザインやレイアウト変更も挑戦していき、今後の状況に応じて柔軟に活用していきたいです」(久保山氏)
「封筒印刷といえば、田中創美堂印刷」として認知向上を狙いたい
今後の展望として、まずは「封筒印刷といえば、田中創美堂印刷」という認知を獲得し、ゆくゆくは田中創美堂のファン作りに取り組んでいきたいとのことだ。そのためにも、自社ECサイト、そしてin2siteを活用していきたいと田中氏は話す。
「自社ECサイトを立ち上げてまだ半年の段階ですが、今後さまざまなカスタマイズをしていきたいです。これまで接点がなかった企業ともECサイトでつながれることも楽しみです」(田中氏)
取材の最後に、今回の取り組みを受けてin2siteがどのような企業におすすめできるか、久保山氏にコメントをいただいた。
「星の数ほどのECサイトがインターネットに溢れている中で、自社に独自の強みがある印刷会社さんほど自社ECにサイトに向いていると思います。また、少人数の企業であっても、身軽にさまざまな挑戦ができるため、おすすめできますね」(久保山氏)
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