パルスオキシメータで測定しているもの
このページでは、血中酸素飽和度(SpO₂)や脈拍数を測定する重要性や正常値について解説をしています。
パルスオキシメータは何を測っていますか?
パルスオキシメータでは、血液中の酸素の状態(動脈血酸素飽和度)と脈拍数を測っています。
動脈(心臓から全身に運ばれる血液)に含まれる酸素(O₂)の飽和度であるサチュレーション(saturation)をパルスオキシメータ(pulse oximeter)を使って測るので、その測定値を血中酸素飽和度(SpO₂)(エスピーオーツー)と呼びます。
具体的には、血液中のヘモグロビンのうち、実際に酸素を運んでいるヘモグロビン(酸素化ヘモグロビン:HbO₂)の比率のことを血中酸素飽和度(SpO₂)といいます。単位は%(パーセント)です。この数値によって、生きるために必要な酸素が十分に体に供給されているかどうかを確認します。

血液中の酸素の大半は、赤血球中のヘモグロビンによって運ばれます。飽和とは、最大限の状態を指しますので、酸素飽和度とは、ヘモグロビンが運べる最高の状況に対して、実際にどの程度まで酸素を運べているのかを意味していることになります。健康な成人の安静時の酸素飽和度は、一般的に96〜99%とされていますが、年齢や健康状態、活動レベルによって異なります。
酸素飽和度が低いということは、呼吸機能のどこかに異常が発生している事を示唆することになります。
一方脈拍とは、心臓が血液を全身に送り出す際に、動脈に生じる拍動のことを指します。通常、手首や首でその拍動を確認することができますが、パルスオキシメータでも測定することができます。
健康な成人の安静時の脈拍数は、一般的に1分間に60〜100回とされていますが、年齢や健康状態、活動レベルによって異なります。脈拍は心臓や循環器系の健康状態を知るための重要な指標であり、異常な速さや不規則なリズム(不整脈)は、何らかの健康問題を示唆することがあります。
なんで血中酸素飽和度(SpO₂)は重要なの?
生命の維持には酸素が必要です。酸素が十分に運ばれなければ各種臓器に不具合が生じて、臓器不全や生命の危機に繋がります。
特に脳細胞は全身の25%の酸素を消費しており、酸素供給が途切れたら、2分程度で脳細胞の破壊が始まってしまいます。また、身体組織への酸素供給量不足が長く続くと、組織や臓器が損傷する可能性があります。

そのため、突然の事故や疾患の急激な悪化時、手術中などには、パルスオキシメータを使って血中酸素飽和度(SpO₂)を連続的にモニターすることが必要です。生命維持に最低限必要な酸素供給力が失われないように、連続的に監視するためです。
また緊急時以外でも、肺炎・喘息・COPD・心不全といった持病の悪化による血中酸素飽和度(SpO₂)の低下を確認するためにも使用されています。
身体の酸素供給力が衰えたとき、まず必要なのは、酸素の吸入ですが、一方で、過剰な酸素は身体に悪影響をもたらすこともあります。パルスオキシメータによって適正な酸素吸入量を判断することが重要です。
生きるために必要な酸素、そして健康であるために必要な酸素が十分に身体に供給されているかどうかを確認するために、血中酸素飽和度(SpO₂)を測ることが必要です。