パルスオキシメータの種類と選び方

このページでは、血中酸素飽和度(SpO₂)が測れるパルスオキシメーターの種類と選び方について解説をしています。

パルスオキシメータには、さまざまなタイプがあります。
使用目的に合わせて、「モニタータイプ(連続測定アラーム機能付き)」、「メモリータイプ(連続測定データ記録機能付き)」および「スポット測定タイプ(アラーム機能なし)」に分かれます。

パルスオキシメータの種類にはどのようなものがあるの?

■モニタータイプ

モニタータイプ

モニタータイプは、病院で使用されますが、機器単独でモニターする単体機タイプと、複数の機器を集中管理できる複合機タイプ、さらに集中管理を有線で行うタイプと無線(テレメトリー)で行うタイプに分かれます。
形状では、ベッドサイドに置かれる設置型タイプ、携帯型タイプはハンドヘルド型、腕時計型、フィンガーチップ型に分かれます。

■スポット測定タイプ

スポット測定タイプ

スポット測定タイプでは測定対象に合わせて交換できるプローブ分離型と、プローブが本体に固定されているフィンガーチップ型に分かれます。
また、パルスオキシメータ単独機と、心電計や血圧計などのパルスオキシメータ以外の機能を組み合わせた複合機タイプに分かれます。

■モニタータイプ(アラーム機能付き)

モニタータイプ(アラーム機能付き)

モニタータイプ(アラーム機能付き)の複合機の代表は生体情報モニタと呼ばれるタイプ、メモリー機での複合機の代表は睡眠時無呼吸症候群の検査に使われる睡眠検査装置(ポリソムノグラフィ、簡易睡眠検査装置)があります。

また、パルスオキシメータの性能に関しての区分けとしては、正確性の違い、低脈性能、体動性能での違いがあります。

最近では、スマートウォッチでパルスオキシメータと同種の酸素飽和度相当が測定できる機種もありますが、これらは正確性が検証されておらず医療機器であるパルスオキシメータには含められません。

家庭で使うパルスオキシメータの選び方は?

パルスオキシメータはもともと医療機関で使う医療機器ですので、様々なタイプがありますが、在宅で使う(介護施設や訪問看護等も含む)パルスオキシメータはフィンガーチップ型パルスオキシメータです。

ただ、フィンガーチップ型は、連続測定には向かない、アラームがないことから、在宅で人工呼吸管理をされている方や小児呼吸器難病などで、緊急性を要する呼吸停止などのリスクを監視する必要のある方には、モニタータイプ(アラーム機能付き)を選択する必要があります。
さらにフィンガーチップ型では測定できる指のサイズ・形状に制限が出ますので、指が拘縮していたり、小児で利用できるだけの指のサイズの成長が足りない際には、指に合わせたプローブの選択ができるプローブ分離型を選択する必要があります。

パルスオキシメータ 種類表

パルスオキシメータはご自身で測定しますか?ご家族ですか?

医療機関では一般的にパルスオキシメータは医療者が測定する、患者さんが測定される関係です。一方、慢性疾患の自己管理では本人が自分で測定するだけでなく、本人以外が測定する事も想定されます。

高熱、低血圧ショックなどの急性の体調不良を起こした場合には、意識障害となり、自分で測定できる状態ではなくなります。乳幼児や後期高齢者等では意識・認知レベルによって自分で測ることができないこともあります。また、在宅介護・看護の際、あるいは救急隊が訪れた時には測ることもあります。

ご本人が自身を測定する場合以外は
1)(小児の場合)対象年齢をカバーしているものを選ぶ
2) 低脈波性能の高いものを選ぶ
の点を考慮してパルスオキシメータを選択することをおすすめします。

パルスオキシメータは指に対してセンサーの発光受光部が適正な位置に安定している状態で測らないと、ノイズ信号が発生し測定値が不正確になります。
また、意識障害状態時は、脳への血流が不足していることが考えられ、指先血流も弱くなっている可能性があります。
低脈波性能が高いものは基本的にノイズに強く、微弱な脈波信号を正確にとらえられます。
他の人を測定する場合、最適な位置に装着できているかの判断が難しく、機器の性能でそれを補える低脈波性能の高い機種を推奨します。

パルスオキシメータ 種類表_測定者・非測定者