企業が働き方改革に取り組むにあたり、長時間労働是正や有給取得など、法規制対応から入る企業も多いですが、働き方改革の本質は生産性向上にあり、そのためにはオフィス空間も大事なポイントの一つです。
昔はオフィスに出社するのが義務でしたが、パソコンやインターネットなど情報通信技術が発展した現代では、働き方や目的に応じて働く場所を選択できるようになってきました。例えば、営業マンが出先でノートパソコンから作業したり、新型コロナ対策で在宅勤務しているように、オフィスは一日中過ごす場所ではなくなってきています。
オフィスには生産性のほかに、以下のような機能が求められています。
このように多様化した役割を実現するには、オフィスに求める役割を明確にして、効果が期待できる仕組みを作り込む必要があります。
オフィス活性化のよくある施策として、以下が挙げられます。
固定化されたメンバーと仕事をするだけでは、新たな発想や組織を超えたコラボレーションが生まれません。フリーアドレス化して席を流動化させたり、カフェスペースやリラックスできる休憩スペースを設けることで、社員間の交流を促します。
生産性を上げるには、集中して作業したい場合もあります。開放的なフリーアドレスを設けるなら、逆に衝立などで囲まれた集中スペースを設ける方法があります。
会社で仕事をする大きな理由が、共同作業を行うことです。ブレストしたりプロジェクトで共同作業をすすめるため、モニターや資料、ホワイトボードを備えたカジュアルなミーティングスペースを設けると、必要に応じて関係者が集まれます。
働き方改革は行政機関も対象であり、国家公務員も「職員のワークスタイルについて、情報のデジタル化(ペーパーレス化、デジタルアーカイブ化)の推進と生産性向上を図る(H26.6閣議決定)」とされワークスタイル変革の取り組み事例が出ています。
総務省行政管理局行政情報システム企画課では、情報の電子的共有によるペーパーレス化、コミュニケーションの活性化、 意思決定の迅速化、柔軟な打合せスタイルなどに焦点を当て、オフィス環境を抜本的に改修しました。特に、個人用デスクを撤廃したフリーアドレスは霞が関の中央省庁としては先駆的な取り組みです。
例えば、以前は管理職が窓側、各チームは役職順に縦一列という島型オフィスでしたが、フリーアドレス化したことにより、各チームが一つのデスクを囲む配席となり、上司への説明は隣席でPCによる説明を行うなど、意思決定が迅速になる効果が出ています。
KIRINでは、従業員が一日の大半を過ごすオフィスの働きやすさが、企業の生産性に大きく影響するとしています。
など、リンク先の記事では具体的な検討ポイントが列挙されていて参考になります。
出典:KIRIN「働き方改革の鍵となるオフィス環境。改善のポイントとは?」ネットイヤーグループの既存オフィスは、ラウンジが2か所に分かれていて、パーティションで研修スペースと区切られていたり、休憩している社員のすぐ隣で会議をしているなど、スペースの用途と区切りが曖昧な状態で、効果的なコミュニケーションをとれる空間になっていませんでした。
そこで、研修スペースをなくして大空間をオープンに活かしたコミュニケーションスペースにリニューアル。ゆったり座れて休憩できる「ラウンジスペース」、お昼寝もできる回復スペース、ノートパソコンを持ち込んで仕事ができる「集中スペース」、「ミーティングスペース」に分かれ、床面のカラーで仕事エリアと休憩エリアをゆるく区分けしています。
ラウンジがなくなった階には、これまで1か所に集まれる場所がなかった事業戦略部の部屋を新設。各階でバラバラに仕事をしていた部員が1か所に集まり、業務の効率化を実現しました。
東和エンジニアリングでは、本社機能が2つのビルに分かれていたり、フロアごとに部署が置かれていたことで不足していた社内のコミュニケーションを活性化させたいという課題を持っていました。
オフィスのリニューアルにあたり、社員が自由に座る場所を選んで仕事を行う「フリーアドレス」スタイルのオフィスとして設計。集中できる個人ブースや、「会議室の予約が取りにくい」という課題の解決策として窓際にファミレス席を設けるなど、コミュニケーションの活性化を図りました。
さらに、コニカミノルタジャパンの働き方改革ソリューション「いいじかん設計」の支援を受け、生産性向上のボトルネックとなっていた膨大な紙文書を70%削減しました。
コニカミノルタジャパンはニューノーマル時代の働き方を実現するオフィスとして東京 浜松町オフィスの一部分を「つなぐオフィス」としてリニューアルしました。つなぐオフィスでの働き方改革の取り組みは以下の資料や記事でご紹介しています。
従業員が長時間過ごすオフィス空間は、企業の生産性に大きな影響を与える要素です。インフォーマルなコミュニケーションを促したり、従業員の帰属意識を高めるなど、多様化するオフィスの役割を実現するには、求める役割を明確にして、効果が期待できる仕組みを作り込む必要があります。
オフィス移転やリニューアルは、社員の意識を変え、働き方を変える効果的な施策の一つです。コニカミノルタジャパンのオフィス見学ツアーでは、2021年にリニューアルしたニューノーマル時代の働き方を実現する「つなぐオフィス」をご覧いただけます。
フリーアドレス、紙書類削減、テレビ会議システム、オフィスのショールーム化など働き方変革のための様々な仕組みを、実際に社員が働いているリアルな現場でぜひ、体感してください。
「IDEA SHOWROOM」では働き方改革の課題を解決するソリューションをご覧いただけます。オフィスのリニューアル・移転をご検討のお客様向けのおすすめ見学コースもご用意していますのでお気軽にご覧ください。
いいじかん設計 編集部
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