人的資本
組織・文化・DNAの構築
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コニカミノルタのアプローチ
背景と課題認識
プロフェッショナル人財が高いパフォーマンスを発揮し活躍できる組織風土や文化を醸成していくうえで、2つの課題を設定し、施策を実行しています。
① エンゲージメントの向上
② 逆境に打ち勝つ経営幹部チーム統合力
目指す姿
すべてのグループ従業員が、コニカミノルタのビジョンに共感し、働きがいとチャレンジ意欲(エンゲージメント) を持って業務に取り組むことが、お客様への貢献、ひいては当社の持続的成長につながると考えています。そのような組織への変革を進めるため、従業員一人ひとりの声に耳を傾け、当社の強みや課題を理解した改善を実施し、「個が輝く」組織風土の実現につなげていきたいと考えています。そのためにも経営トップから率先して逆境に強いチームづくりを進めていく必要があると認識しています。
重点施策とKPI
GES(Global Employee Survey:グローバル従業員意識調査)にて、組織風土の現状をエンゲージメントスコア*で測定し、各組織にて改善に向けたアクションを実施することで、グループ全体の競争力向上を実現します。
実績 | 目標 | ||||
---|---|---|---|---|---|
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2025年度 | 2030年度 | |
エンゲージメント スコア* |
6.4 | 6.6 | 6.8 | 7.7(業界平均) | 業界上位25% |
- *
- GES(Global Employee Survey:グローバル従業員意識調査 0~10段階で回答)における、該当設問「社外の人に、コニカミノルタで働く事をどの程度勧めますか」の回答平均点(2022年度、2023年度の開示において設問の記載に誤りがあったため修正しました。2021年度から同じ設問で評価を実施しています。)
経営ビジョンへの共鳴と6つのバリュー
フィロソフィー
コニカミノルタは、人々の「みたい」に応え、新たな価値を創造してきました。2030年を見据えて、コニカミノルタのあるべき姿と社会的存在意義を、その原点かつ強みであるイメージング技術を通じて成し遂げていくことを表した長期での経営ビジョンステートメント「Imaging to the People」を掲げています。そして、これとともに2003年のコニカミノルタ発足以来不変の「経営理念」、価値創造の源泉としての企業文化・風土である「6つのバリュー」、そして「お客様への約束」を、コニカミノルタフィロソフィーとして体系化しています。
6つのバリューの実践
「6つのバリュー」は、私たちの信条そのものであり、もともと持っているDNAです。私たちがビジネスを通じて接するすべての人・社会に対する具体的な振る舞いや特徴であり、立ち返るべき判断基準でもあります。
RETHINKコミュニケーション
コニカミノルタフィロソフィーの実現に向けた、従業員一人ひとりの行動を促す行動スローガンとしてRETHINKは定められました。コニカミノルタグループの一人ひとりがRETHINKすることで長期の経営ビジョン・中期経営計画達成の加速を目指します。また、お客様に対してもRETHINKを提案し、それを通じてお客様とともに成長し、社会に貢献していきます。
Konica Minolta Awards
コニカミノルタでは、グローバル表彰制度(Business Contribution Awards, Transform Awards)を通じて、称賛される事例を明示しグループ全体で価値観を共有することにより、チャレンジする風土の醸成に取り組んでいます。特にTransform Awardsは、社会やお客様の課題を洞察し新しい価値創造に向けて挑戦する姿勢を評価する表彰制度であり、好事例のノウハウを全社で学び、業務に活かすことを推進しています。
また、コニカミノルタ(株)では、6つのバリューを常に意識した行動の習慣化につなげていくため、人事制度上にもその理念を反映しています。
これらの取り組みを通して、6つのバリューを実践する企業風土へ変革することを進めています。
動画による結果発表と、受賞者との対話会
双方向コミュニケーション
経営層と社員の対話からコニカミノルタの成長をともに考え実践に繋げていくために、双方向コミュニケーションを重視しています。社長や経営層が四半期決算ごとに業績や方針をグローバル全社に説明し、国内社員に向けた説明会(CEO LIVE!)では、リアルタイムで質疑応答を行っています。この内容は若手社員が企画提案することで、多くの社員が理解しやすい内容にしています。また、国内外各拠点では、経営層が現場の声をききながら経営メッセージを届け、社員が自信をもって業務に取り組めるような機会をつくっています。
グローバル・エンプロイー・サーベイの実施と各地での継続的な改善活動
従業員にとって「働きがいとチャレンジ意欲(エンゲージメント)」が感じられる組織風土・職場環境を醸成することを目指し、全世界の従業員を対象としたエンゲージメントに対するGES(Global Employee Survey:グローバル従業員意識調査)を行って各組織の現状を可視化し、改善に向けたアクションを計画、確実に実行しています。この取り組みによりグループ全体の競争力を向上させます。
実績 | 目標 | ||||
---|---|---|---|---|---|
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2025年度 | 2030年度 | |
エンゲージメントスコア* | 6.4 | 6.6 | 6.8 | 7.7(業界平均) | 業界上位25% |
回答率 | 90.8% | 85% | 91% | - | - |
- *
- エンゲージメントスコア:GES(0~10段階で回答)における、該当設問「社外の人に、コニカミノルタで働く事をどの程度勧めますか」の回答平均点(2022年度、2023年度の開示において設問の記載に誤りがあったため修正しました。2021年度から同じ設問で評価を実施しています。)
2023年度はグループ社員の91%が当調査に参加。16.5万件のコメントが寄せられ、各組織での課題の掘り下げ、改善アクションの計画と実行を継続的に進めています。
2023年度のエンゲージメントスコアはグループ全体で6.8となり、対2022年度比0.2ポイントアップしました。2025年度の目標としている業界平均水準に対しては依然下回っていますが、2023年度は下位25%レベルまで上昇し、目標水準に着実に近づいております。
従業員のエンゲージメントを高めていくためには、コニカミノルタグループ全体、各事業本部、そして各職場と、各レベルでの課題に取り組むことが重要で、こうした体系的な活動を通じてコニカミノルタらしさに根差す会社文化や風土の醸成を進めています。
グループレベルでは、社長自らが国内外の各サイトを訪問して社員との直接対話の場を積極的につくっており、中期経営計画についても本社経営企画部メンバーが全世界主要拠点を訪問し、現地社員との直接対話を通じてその理解と浸透を図っています。
グループレベルだけでなく、各事業部や各会社、また職場グループ単位でも、従業員意識調査の結果を踏まえた課題の深堀りとアクションにつなげて実施しており、各組織の強みや弱みを理解し、改善アクションを実行する基本サイクルを地道に回し続けることで、より働きがいのある会社、個が輝く職場づくりを推進していきます。
経営チームの統合:レジリエンスプログラムの実施
レジリエンスプログラム
2022年よりコニカミノルタ(株)の経営幹部を対象に、レジリエンスプログラムを導入し、部長クラスにも対象を広げるとともに、2023年からは主要販社であるコニカミノルタジャパン(株)においても実施を開始しました。
このプログラムでは困難や逆境、強いストレスに直面したときに、適応する能力を高めることに加え、強い経営幹部のチームづくり、その影響を広く組織全体に波及させ、活力ある組織を創出することを目指しています。
本プログラムは、社内外の産業医が講師となり、医学・心理学・脳科学に基づく人間の特性の理解を通じて、身体・情動・思考・精神の4つの切り口で習慣を形成することによって、個人と組織のピークパフォーマンスの発揮とレジリエンス力の向上、加えて参加した経営幹部同士の統合・調和を目的としています。
このプログラムの実践により、参加した経営幹部の行動や価値観が変容し、また業務面でも組織間の連携や相乗効果が促進されました。
その効果の顕れの一つとして、役員の業績目標に据えている上述のエンゲージメントスコアの0.2ポイントアップにもつながっています。