• 2022.02.15

    企業のSDGs導入状況は?実施の効果と必要性について改めて考える

    企業のSDGs導入状況は?実施の効果と必要性について改めて考える
    SDGsが2015年に国連で採択されて以降、社会での認知度も上がり、メディアでもよく取り上げられるようになってきました。達成期限とされる2030年まで10年を切った今、企業はいかに行動すべきなのでしょうか。企業がどのようなかたちでSDGs導入をすすめているのか、またその実施の必要性や効果について、いま一度、改めて確認していきましょう。

INDEX

SDGsの概要と導入の現状

SDGsの概要と導入の現状

SDGsという言葉自体は、メディアでも頻繁に耳にするようになりました。しかしその取り組みや実情についてはあまり伝わってきません。はじめにSDGsの概要と現状を確認します。

SDGsとは

SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略称で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されています。

2015年9月の国連において「地球と人類の未来に向け社会を存続させるために2016年から2030年の15年間で達成すべき目標」として、193か国によって採択されました。
誰一人取り残さない」をスローガンに掲げ、各国では目標達成に向けて独自の取り組みを推進。SDGsは17項目の目標、169個のターゲット、232個のインジケーター(指標)で構成されており、個々の暮らし、社会、地球環境など幅広い分野を網羅しています。

国と企業におけるSDGs導入の現状

日本の取り組みを見てみると、2021年におけるSDGs取り組み世界ランクでは165か国中18位。2019年の15位からランクダウンしています。特に遅れが目立つ項目は、相対的貧困・女性国会議員の人数・男女の賃金差などで、日本社会が現在抱える課題が反映されていると言えるでしょう。

中小企業庁の調査結果における消費者のSDGsへの認知度は、2018年と2020年の比較では「詳しく知っている」が3.9%から14%、「聞いたことがある」が11.8%から25.8%と大幅にアップしています。また消費者の意識調査では「その企業や、商品・サービスのウェブサイトを閲覧するようになった」や「その企業の商品やサービスを購入または利用した」と一定数が回答しており、SDGsへの関心が高まるとともに、企業による取り組みが事業に好影響を与える可能性があると考えられます。

一方、小規模事業者のSDGsへの認知度やどのように導入しているのかといった状況を見てみると、認知度が7割程度なのに対して「取り組みを行っている」「検討している」を合わせて1割程度です。この差異から、「知ってはいるけれど、なかなか実施に至っていない」という現状が伺われます。
取り組みを検討している割合を業種別で見ると、非製造業よりも製造業で若干高めの傾向にあります。

帝国データバンクの企業全体への調査結果では、SDGsに積極的な企業は前年より15.3ポイント増え39.7%と大きく増加しました。それでもいまだに取り組んでいない企業が、半数以上を占めています。
「大企業」ではSDGsに積極的な企業が55.1%、「中小企業」は36.6%と、企業規模が大きいほどSDGsへの取り組みが進んでいます。業界別では、金融、農林水産での割合が高い傾向です。

企業が活動にSDGsを導入する必要性

企業が活動にSDGsを導入する必要性

SDGsの前文には、持続可能な開発の3つの側面である「経済」「環境」「社会」のバランスを保つものだと明記されています。つまりSDGsの大きな目的は、「貧困をなくす」「地球環境の保護」「平和で豊かな社会」だと示しているのです。一見すると、直接的に企業活動との結びつきが感じられないようにも思えますが、人が安心して暮らせる社会が継続していかなければ企業としての未来もありません。SDGsの取り組みは企業規模に関わらず、どんな事業者にも必要とされる行動です。

まず企業活動においてSDGsを導入する必要性から見てみましょう。

■社会責任の達成

SDGsへの取り組みは、社会の一員としての責任を果たすことになります。企業が利益を上げるための市場は、社会的課題との密接なつながりを持っています。取り組みを通じて社会の健全化へと働きかけることは、企業活動をするうえで責任を果たしていることでもあります。

■知名度の向上

先にも見たように、消費者のSDGsへの関心は日ごとに高まってきています。他社に先駆けて企業としてのSDGsへの取り組みを積極的に実施することが、差別化につながります。市場競争に打ち勝ち、企業活動を継続的なものにするためにも、SDGsに取り組み、その状況の公表や商品・サービスのアピールをしていく必要があります。

■自社好感度(社会的イメージ)の向上

社会貢献を行う企業としての認知拡大が、ファンの獲得に貢献します。社会責任を果たそうとする企業姿勢は、消費者に好印象を与えられるでしょう。また意識の高い消費者にとって、SDGsへの取り組みを積極的に行っている企業の商品やサービスは安心して使うことができる、購入することで社会貢献の一助になるという判断につながります。業績を向上させるためには、顧客獲得に効果が期待できるSDGsへの取り組みは必須といえるでしょう。

■新たな事業機会の獲得

社会課題の解決という視点から、新たな商品・サービス・ビジネスモデルへのヒントを得られる可能性もあります。またSDGsの活動を通じて、これまで接点のなかった多様な分野の企業や、地方自治体・組織との協働の機会が生まれます。イノベーションの可能性拡大や企業活動の拡大につなげるためにも、SDGsの活動を通して他分野の企業との協働の可能性は重要になるでしょう。

■社内モチベーションの向上

若い世代では、働くことと社会貢献とのつながりが強く意識されています。自社のSDGsへの積極的な取り組みは、社員にもその企業で働くことへの誇りと責任を与えます。企業の社会に向けた行動により、社内モチベーションの向上も期待できます。社内モチベーションの向上は企業活動の活性化の原動力でもあります。

■取引先との関係維持

SDGsへの取り組みは単なるイメージ強化だけではなく、事業運営の成否にも影響を与えます。グローバル企業を中心に「グリーン調達」「CSR調達」が拡大。社会的に自然環境、働く環境への意識が高まるなか、SDGsに取り組んでいない企業は、取引先の選定から外されてしまう恐れもあります。現状の取引先との関係を強化し、また新たな取引先として選択肢となることは、継続的な企業活動をする上で重要です。

企業がSDGs導入を図ることで得られる効果

企業がSDGs導入を図ることで得られる効果

上記で企業がSDGsを導入する必要性について紹介しました。では、次に企業がSDGsに取り組むことによってもたらされる具体的な効果を見ておきましょう。

■企業ブランディングにより優秀な人材の採用に期待

SDGsへの積極的な取り組みは、企業としての知名度を向上させ、求職者にも好ましい応募先として映るでしょう。企業の応募条件に社会貢献を挙げる人材からも、選択される可能性を高められます。
取り組みを実施したら、企業のホームページやSNS等で発信して求職者に情報が届くようにしましょう。企業ホームページを持っていない、ホームページを長らく更新できていない場合はコニカミノルタジャパンへぜひご相談ください。ホームページの制作をサポートするソリューションをご提供しています。

■コスト削減

環境負荷を減らす取り組みとして、省資源・省エネを徹底することで企業運営のコスト削減も期待できます。ペーパーレス化やムダな作業の排除などにより、業務効率や生産性の向上にもつながります。

■働きがい・(誰一人取り残さない)人間らしい職場への取り組みで社員の満足度向上

17の取り組み目標の一つである「働きがいのある人間らしい雇用」に向けて、作業環境を整備したり、場所や時間にしばられない働き方を実現したりすることにより、社員満足度を向上。社員が自律性を持って働き、個人的な幸福度を高められるようにしながら、自社への定着を促します。

コニカミノルタでは、「いつでも、どこでも、だれでも働ける環境づくり」への取り組みを展開しています。2018年からは、「いいじかん」を増やすことに焦点を当てた働き方改革ソリューション「いいじかん設計」を開始し、生産性向上といった成果を得ています。
「いいじかん設計」の詳細は以下のサイトでご確認ください。


また、コニカミノルタジャパンでは業務効率や社員満足度(エンゲージメント)、創造性を高めるオフィス「つなぐオフィス 」を東京 浜松町オフィスの一部エリアで展開しています。テレワーク、オフィスワーク、フレックスタイム制などの多様な働き方の中、社員一人ひとりが自律性を持って働き、共創するニューノーマル時代の働き方を実践しています。最新の「働く場」をリアルに体感できるオフィス見学ツアーも随時開催していますのでお気軽にお申し込みください。


先に紹介した中小企業庁の調査では、SDGsに取り組んだ企業のうち約5割が「大いに効果があった」または「ある程度効果があった」と回答しています。特にBtoC型事業者の効果が、BtoB型と比べて若干高い割合にあり、先の消費者意識と一致していることが分かります。
この結果からもSDGsへの取り組みは、消費者や取引先からの支持を得られ、売り上げにも結びついている可能性があることが伺われます。

SDGsへの取り組みが企業の生き残り戦略につながる

SDGsは単なる企業の社会貢献活動といったものではなく、自社の未来を守る行動でもあります。社会が理想的な形で存続することこそが、企業が成長していける土台となります。SDGsの取り組みを通じ、どのような企業が求められているのか、何を期待されているのかといった理解を深められるでしょう。それらは厳しい市場競争のなかで企業が勝ち残っていくために、不可欠な情報です。SDGsに本気で取り組むことが、企業の生き残り戦略へとつながっていきます。

いいじかん設計 編集部

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