企業がSDGsに取り組むことで、どのようなメリットがあるのでしょうか。3つのポイントに分けて解説します。
SDGsで掲げられている17の目標は、環境問題をはじめとして様々な社会課題の解決につながる項目が含まれています。企業として事業を通して自社の成長を目指すことは当然のことではありますが、自社の利益だけでなく、社会全体の利益につながる活動をしている企業はイメージが向上しやすいもの。SDGsに取り組むことで、消費者や取引先からの信頼を獲得でき長期的な成長にもつながると期待できます。
現在、金融業界では、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)を考慮した「ESG投資」が注目されています。例えば、再生可能エネルギーやリサイクル素材を積極的に活用することは環境(Environment)への配慮につながり、ダイバーシティ経営へ取り組むことは社会(Social)とも関連が深いと言えるでしょう。これらの取り組み事例はSDGsで掲げられている目標とも共通し、投資家からの評価も得やすくなると考えられます。また、金融機関のなかにはSDGs経営に取り組んでいる企業に対して金利の優遇などが受けられる融資プランを提供しているところもあり、資金を集めやすくなります。
様々な業種において人手不足が深刻化し、売り手市場が続いています。そのようななか、企業選びのポイントとして、SDGsへの取り組みを重視する新卒者が増加している傾向もあります。
SDGsで掲げられている目標の一つに「働きがいも経済成長も」という項目が存在しますが、これは働き方改革への取り組みの典型的な例と言えるでしょう。“ブラック企業”という言葉が社会に広く定着した今、劣悪な労働環境が改善されないままの職場では人材流出につながるほか、従業員からの訴訟リスクも考えられます。
企業としてSDGsへ積極的に取り組む姿勢は若手人材へのアピールにつながり、人材採用力の強化にもつながるはずです。
SDGsで掲げられている目標はいずれも抽象的な言葉が多く、自社で何から取り組めば良いのか分からないこともあるでしょう。そこで、参考にしていただきたい取り組み事例をいくつか紹介します。
SDGsの目標で掲げられている「飢餓をゼロに」に関連する取り組みとして、災害などが発生した非常時の食料支援があります。人間が生きていく上で食料の確保は最も優先されるべきものであり、支援物資のなかにも飲料や非常食は欠かせません。
例えば、大手食品メーカーの山崎製パンでは、緊急食糧支援として災害発生時に地域住民に対し、無償で食料を支援する体制を構築しています。また、大手飲料メーカーの伊藤園では、災害発生時に自動販売機を開放し、現金がなくてもボタンを押すだけで飲料を提供できる「ライフライン自動販売機」を設置しています。
SDGsの目標「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」、「気候変動に具体的な対策を」などに関連する取り組みとして、エネルギーの有効活用があります。
具体的には、太陽光発電設備や電気自動車の採用、産業廃棄物の削減、プラスチックごみを出さない梱包など、脱炭素に向けた取り組みが典型的と言えるでしょう。特にプラスチックごみの削減に向けては、スターバックスでプラスチックストローが廃止されたほか、家具量販店を展開するイケアでは使い捨てのプラスチック製スプーン・フォークなども廃止しています。
また、オフィス内におけるエネルギーの有効活用としては、ペーパーレス化の実現が挙げられます。紙やトナーの利用を最小限に抑え、ワークフローシステムでデジタルデータをやりとりする環境が構築できれば、産業廃棄物の排出量を抑えられると期待できます。
コニカミノルタでは文書のデジタル化によって紙を減らすことは業務効率の向上やリモートワーク推進、さらにはCSR活動につながるとして、多くのメリットをもたらす取り組みだと考えています。こうした取り組みをより具体的に紹介するために、紙を増やさない仕組みづくりにフォーカスした資料を無料で提供しております。
ペーパーレス化に向けた課題や対策について、ぜひ参考になさってください。
SDGsの目標「働きがいも経済成長も」、「産業と技術革新の基盤をつくろう」などに関連する取り組みとして、働き方改革の推進が挙げられます。
例えば、テレワークの推進は子育て・介護と仕事との両立に貢献でき、従業員にとって働きやすい環境整備につながるでしょう。テレワークの実現に当たってはペーパーレス化も必須であることから、間接的にエネルギーの有効活用にも貢献できます。
コニカミノルタでは、2013年に働き方改革プロジェクトを発足し、現場の声を集めながら「いつでも、どこでも、だれでも働ける環境づくり」を進めてきました。さらに、これらの経験を生かし、働き方改革を推進するためのソリューションとして「いいじかん設計」を提供。ペーパーレス化やテレワークの導入支援、多様な働き方に対応したオフィスづくりなどを提案しています。
IDEA SHOWROOMではそれぞれのテーマでの具体的な取り組み方や事例をご紹介しています。
働き方改革を推進することで、高いスキルや能力を持った優秀な人材の採用につながり、自社には無かった新たなアイデアが生まれ、新規事業や技術革新の可能性も期待できるでしょう。
なお、働き方改革や多様な働き方を実現するためのステップやポイントについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。
企業がSDGs経営に取り組む場合、具体的にどのようなステップで進めていけばよいのでしょうか。4つのポイントに分けて解説します。
はじめに、自社の事業とSDGsで掲げられている17の目標とを照らし合わせ、自社の事業が貢献できそうな目標を検討しましょう。SDGsに向けて自社の事業をどのように変えるべきか、または取り組むべきかを決めます。目標の設定に当たっては、進捗を把握できるよう具体的な数値や内容を盛り込むことも重要なポイントと言えるでしょう。
取り組むべきSDGs目標が決まったら、企業として全社的にSDGsに取り組んでいくことを宣言しましょう。具体的には、経営目標や経営戦略のなかにSDGsを取り入れることも一つの方法と言えます。
全ての社員が「これから会社としてSDGsへ取り組んでいく」ことを認識するのが何よりも重要です。また、社内だけでなく社外に対しても積極的に発信することで、顧客や取引先、就職や転職を検討している求職者へのアピールにもつながります。
企業におけるSDGsへの取り組みは、一部署やチームだけが取り組めば良いというわけではなく、全ての部署が横断的に取り組むことが求められます。
部署やチームごとの役割に応じて、SDGsへの取り組みに当たって何をすべきかを割り当てましょう。
設定した目標に対して、どの程度達成できたかを定期的に振り返る機会を設けましょう。
進捗が遅れている、または目標の達成に至らなかった場合には、その原因を深掘りして改善を図ることが重要です。そもそも設定した目標値が高すぎるケースもあるため、適切な目標であるかも含めて検討し直しましょう。
SDGsには様々な目標が存在し、企業によっても取り組むべき目標項目は異なります。
事業内容に応じて、自社が取り組む目標を理解し、少しずつでも良いので具体的な行動をとることからスタートしましょう。もし、自社にとっての具体的な目標が見いだせない場合には、働き方改革への取り組みを強化するのも一つの方法です。
コニカミノルタでは、テレワークやペーパーレス化といった様々な取り組みを通し、働き方改革ソリューション「いいじかん設計」を提供しています。働き方改革に向けて何から始めれば良いのか分からない場合や、課題解決の方法もサポートしています。こちらよりお気軽にお問い合わせください。
いいじかん設計 編集部
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