公開日2024.03.25
売れるPOPの書き方とは?
POPの作成方法やデザインのコツを解説
店舗でよく見かけるPOPには、アピールしたい商品の情報や魅力が書かれています。しかし、ただ情報を記載するだけでは十分な効果は得られません。購入へとつなげるためには、売れるPOPの書き方について正しい知識を持っておくことが大切です。
そこでこの記事では、売れるPOPの作成方法やデザインのコツについて解説します。
POPとは
POPは「Point Of Purchase advertising」の頭文字をとった言葉です。
POPというと、店舗にある小さな商品説明の紙をイメージしている方が多いようですが、本来POPとは店頭の売り場に設置される広告・展示物全般を指します。プライスカードやポスター、タペストリー、卓上スタンド、展示パネル、のぼりといった種類があり、紙をメインにアクリルや木材を素材に使用したものが多くありますが、最近はデジタルサイネージなどデジタル媒体のPOPも増えています。
POPは目に付きやすい所に設置することで商品の詳細情報を伝えることができ、セール品や期間限定品などをアピールする方法としても効果的です。
POPの役割
POPは内容によってさまざまな役割を果たすことができます。
●商品情報の補足
●購買意欲の向上
●商品の認知度向上
●店員とのコミュニケーションを助ける
●店舗の雰囲気づくり
●店舗の案内
POPは、店頭での買い物時に商品の特徴を補足して情報を伝えるとともに、消費者の購買意欲を高める役割があります。POPに記載された説明によってどのように使う商品なのか、どのようなメリットがあるのかが一目で分かるようになります。
新商品や期間限定商品、セール品といったあまり知られていない商品やお得感のある商品にPOPを設置することで消費者の目に留まりやすくなり、商品の認知度を上げるのに効果的です。また、中には店員に話しかけるのが苦手な方や、あまりコミュニケーションをとらずに買い物をしたいという方もいることでしょう。消費者側はわざわざ店員を呼んで聞く手間がなく、店舗側は対応時間の短縮にも役立ちます。
さらに、店舗の雰囲気づくりや案内といった形でPOPを使用することで、商品だけではなく店舗のファンを増やす取り組みにもつながります。
商品の購入や再来のきっかけになるため、POPを活用することは重要なマーケティング戦略の一つといえるでしょう。
POPの作り方
POPは消費者の購買意欲を高めるのに効果的な方法ですが、商品やサービスの情報をただ詰め込むだけでは、POPの効果を出すことはできません。ここからは、基本的なPOPの作り方を流れに沿ってご紹介します。
① POPの目的を整理して商品を理解する
まずはPOPの目的を設定します。POPの目的が、先ほどご紹介したどの役割に当てはまるかによって、POPの内容は大きく異なります。POPの目的が「商品情報の補足」であれば、パッケージからは伝わりにくい情報や他商品との違いを記載するなど、POPの全体像が決まってきます。
しかし、もともと商品の購入意思がある場合は本来POPがなくても購入につながるでしょう。POP広告でターゲットとしたいのは、商品の購入意欲がない人の「ついで買い」です。
POPは広告であるものの、広告と思わせないような記載をすることで、見た人が「何これ?」と足を止めてしまうような状況を作り出しましょう。消費者が商品やサービスに興味をもち、購買につながるためのきっかけづくりがPOPなのです。そのためには、商品やサービスをよく理解し、アピールポイントや顧客目線のメリットは何なのかをよく分析する必要があります。
② POPの種類を決める
次に、POPの目的に合わせてPOPの種類と設置場所を決めます。例えば、新規顧客の獲得が目的であれば屋外にのぼりを設置すると効果を期待できますよね。遠目からでもインパクトのあるPOPであれば、本来の目的地に向かっていた人が「あの店にちょっと寄ってみよう」と動線を変え、店舗に寄ってくれるきっかけとなります。
POPは、設置する前に消費者の目線で見てみて、目に留まりやすい場所に適切な種類・サイズのものを設置することがポイントです。例えば、スーパーで新製品のお豆腐にPOP広告を付ける場合は、スイングPOPがおすすめです。スイングPOPとは、POPとPOPにつくアームが合体しているPOP(イラスト参照)のことです。たくさんの商品が陳列されていても、スイングPOPは揺れて動くため目を引きやすく、商品を目立たせることができます。
③ キャッチコピーを作成する
POPを作成するうえで、消費者の興味をひくキャッチコピーを考えることは重要です。商品のどの部分を訴求したいのかを整理し、印象に残るように簡潔で分かりやすいキャッチコピーを意識します。訴求内容は、消費者目線で興味をひくようなアピールポイントやメリットから設定しましょう。
例えば、スイーツのPOPで特別感を演出したい場合には「甘いだけじゃ物足りない。大人のための極上スイーツ」といったコピーが目を引くかもしれません。「〇〇店限定」「お店で手作り」といったコピーも特別感があり商品を手に取るきっかけになり得ます。
④ デザインを決める
POPに書きたい内容が決まったら、フォントや配色、レイアウト、イラスト等の有無など全体的なデザインを決めます。どんなデザインにするかも、訴求効果を左右する大切な要素です。デザイン性の高いPOPを作成したい場合は、ツールを活用するのも良いでしょう。
売れるPOPの書き方は?効果を出すためのポイント
思わず商品を手に取りたくなるような「売れるPOP」には、いくつかの共通点があります。ここでは、効果的なPOPを作成するためのポイントをご紹介しますので、是非参考にしてください。
ヴィレッジヴァンガードの担当者が考える「POPを書く際に心がけると良いこと」
POPによって効果的な訴求をされていることで有名な書店・雑貨店「ヴィレッジヴァンガード」。ヴィレッジヴァンガードのサイトで紹介されていた、コメントPOPを書く際に心がけは以下の4つです。
① | お客さんは僕らが思ってる程、熱心じゃない。 |
② | 欲しい物を買うのにきっかけは要らない→欲しくない物を買う時にはきっかけが必須 |
③ | 誰が見ても分かってる物なら、ただ印象を残すだけでいい。 |
④ | 「個」を出さない。 |
個性的な雑貨を扱うヴィレッジヴァンガードのコメントPOPだからこその視点でもありますが、購入意欲のない方の「ついで買い」を狙うにはどれも重要なポイントと言えるでしょう。買いたいと思っていない物には消費者はもともと興味がないため、そこの興味を引き付けるにはPOPによって印象を残したり、消費者のイマジネーションを刺激し、商品について考えてもらえるようなPOPである必要があります。
参考:ヴィレッジヴァンガード 社外秘?ヴィレヴァンPOPのガチ講座
要素を詰め込みすぎない
使用するPOPの種類によって大きさは異なりますが、多くの情報を記載するとアピールポイントが何なのかが伝わりにくくなってしまいます。また、歩きながら商品を見ている消費者がパッと見たときに内容が頭に入ってくるようなPOPであることが大切です。人が一秒で認識できる文字数は9~13文字程度と言われているため、そのぐらいの短さを意識すると良いでしょう。
先ほどご紹介したヴィレッジヴァンガードのサイトでは、「短いセンテンスで」「商品を見ようとした時に自動的に目に入ってくるPOP」を意識することが大切だと紹介しています。訴求したい商品内容やポイントは絞り、要素を詰め込みすぎないことを意識しましょう。
具体的な数字を入れる
「30%オフ」や「売上1位!」のように具体的な数字を提示することで大きな訴求効果が期待できます。商品のお得感や魅力の根拠を示すには、言葉を並べるよりも数字を入れると説得力が生まれ、視覚的にも目に留まりやすいです。
体験コメントを入れる
「これを使ったらこんなメリットがあった」「こういう使い方がおすすめ」といった体験コメントを入れましょう。消費者がどのような悩みを持っているか、商品を使用したときにどう感じるかを考えて、消費者の共感を得ることが大切です。実際に商品を使用した第三者の生の声があることで消費者の購買意欲が高まり、「試してみよう」と購入の後押しになります。
季節感を演出する
季節のおすすめ商品やセールなどのPOPを目立たせたり、時期によってPOPのデザインを変えたりすることで店内に季節感を演出することができます。そのときの季節に合った商品にPOPを設置することで特別感が増し、季節感のある店舗は楽しいと感じてもらえるため店舗のイメージづくりにもつながるでしょう。
思い入れのある商品を選ぶ
道の駅のスタッフさんが、あるお茶にPOPを設置したところ販売量が59個から95個へ増えたという事例があります。このスタッフさんは「お茶売り場の前を通るだけでいい香りがする」と感じていたため、「においますか?」というキャッチコピーのPOPを設置しました。
道の駅を訪れた客のなかには、お茶の香りに気づいてもどの商品なのかわからない方もいたでしょう。そこに「においますか?」というPOPがあることで、このお茶への興味が一気に引き付けられ、購買に繋がったと考えられます。このようなキャッチコピーを考えることができたのは、スタッフさんが日頃からそのお茶に対して特別な感情を抱いていたからです。この実体験から、POPを設置する商品を選ぶときに「思い入れのある商品」から選ぶことがポイントであると言えます。
参考:POPコミュニケーション 道の駅のPOP事例~たった1枚で売上倍増を実現
売れるPOPを作成するためのデザインのコツ
「売れるPOP」を作るためには、消費者がPOPを見たときに興味を引くようなデザインであることが重要です。店舗にある数多くの商品を見ている中で、消費者が思わず見てしまう・目に留まりやすいデザインにしましょう。
たとえば、メインカラー・サブカラーを決める、春の商品ならピンクなど春を連想させる色をメインにするなどして工夫すると統一感ができます。また、文字の大きさを見やすいサイズにしたり、優先順位をつけて伝えたい情報を一番大きく書いたりしてメリハリをつけることもポイントです。
人の注意を引く色は赤・黄などの暖色系と言われているため、セールの情報など具体的に伝えたいメッセージは赤や黄色を活用すると効果的です。
以下の例では、夏らしい爽やかなブルーをベースにポイント最大10倍という数字を目立たせて、消費者の目に留まるようなデザインにしています。
商品によって言葉だけでは情報・魅力が伝わりにくいという場合は、イラストや写真を追加することで視覚的に訴求でき、商品の使用感などをイメージしやすくなるので効果的です。
まとめ
商品の特徴や魅力が分かりやすく伝わるPOPを設置することで、消費者の購買意欲を高め購入へとつなげることができます。凝ったデザインにしたい、より効果を高めたいという場合は、ツールの導入をおすすめします。
コニカミノルタでは、独自の画像解析技術と感性脳科学を組み合わせ、売れるデザインを評価・分析するクラウドサービス「EX感性」をご提供しています。パッケージの画像解析や、キャッチコピーの分析、動画素材を用いた人の視線の見える化により、デザインを評価・企画し訴求力向上をサポート。店頭POPの他にも商品パッケージやその他広告、Webサイト、売り場陳列などのデザインを分析できます。
「売れるデザイン」を企画したいが、専門的知識や調査にかける時間が足りないとお悩みの方はぜひご相談ください。
コニカミノルタジャパン株式会社 白井 杏奈Profile:大学卒業後、静岡のIT企業にてプロモーション業務(広告運用、Webサイト制作、オウンドメディア運営、展示会対応、デザイン業務)に従事。その後、MAツールベンダーのデジタルマーケティングを担当。現在はコニカミノルタジャパンにて、Variable Studioの拡販を行うべくグロースハッカーとして勤務している。 Profile:大学卒業後、静岡のIT企業にてプロモーション業務(広告運用、Webサイト制作、オウンドメディア運営、展示会対応、デザイン業務)に従事。その後、MAツールベンダーのデジタルマーケティングを担当。現在はコニカミノルタジャパンにて、Variable Studioの拡販を行うべくグロースハッカーとして勤務している。 |
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