公開日2024.04.02
【JAGATトピック技術セミナー2024 参加報告】
印刷ビジネスDXを実現する
コニカミノルタの印刷・後加工の自動化と高付加価値化
出典:JAGAT公式サイト
その年に発表された注目製品やサービス・印刷技術をピックアップし、そのトレンドを見定める「JAGATトピック技術セミナー2024」が、2024年3月19日(火)に開催されました。
今年のテーマは、最新の製品・技術動向と「連携」シナリオ。本レポートでは、セミナーの概要やコニカミノルタがご提案する「DXを実現する印刷・後加工の自動化と高付加価値化」についてご紹介します。
JAGATトピック技術セミナー2024 概要
JAGATトピック技術セミナーは、その年に発表された注目製品や印刷技術の最新トレンドを見定める場として位置付けられています。
昨年同様、リアルとオンラインによるハイブリッド形式での開催となり、最新の製品・技術動向と「連携」シナリオをテーマに、各メーカーからの発表が行われました。
主催者である日本印刷技術協会(JAGAT)の郡司氏からは、「2024年は待ちに待ったdrupaイヤーということで、メーカーによってはdrupaまで話せない内容もありますが、何とか話せる範囲で発表いただきます」というお話もあり、各社の特色が出た発表内容だったのではないかと思います。
さらに今回はセミナーの最後に印刷革新会の岡本泰氏による特別講演も行われ、昨年以上にバリエーションに富んだセミナーとなりました。
開催概要
テーマ : 最新の製品・技術動向と「連携」シナリオ
日 時 : 2024年3月19日(火) 13:00~17:15
形 式 : リアル会場とオンライン(Zoom)によるハイブリッド開催
参加費 : 一般 税込5,000円(JAGAT会員および印刷総合研究会会員は無料)
プログラム
タイトル | 登壇 | |
---|---|---|
13:00-13:10 | page2024と「連携」 | 日本印刷技術協会(JAGAT) 専務理事 郡司 秀明 氏 |
13:10-13:35 | 文書の見やすさ自動判定ツール「ヨミヤス」 | 理想科学工業株式会社 |
13:35-14:00 | ビジネスを拡大するバリアブル印刷活用術 | 株式会社SCREEN GP ジャパン |
14:00-14:25 | PrintOS Suiteで繋がる「世界」 <ワールド・ワイドに広がる、顧客、デザイナー、営業、現場、提携企業との真の連携> |
株式会社日本HP |
14:25-14:50 | DXを実現する印刷・後加工の自動化・高付加価値化 | コニカミノルタジャパン株式会社 プロフェッショナルプリント事業部 ビジネスDX商品統括部 部長 内田 剛 |
15:00-15:25 | PODフラッグシップにおける新技術と連携の取り組み | リコージャパン株式会社 |
15:25-15:50 | 枚葉カラーインクジェット印刷機「varioPRINT iXシリーズ」 | キヤノンマーケティングジャパン株式会社 |
15:50-16:15 | 印刷業界のDXを推進するFFGSの活動 | 富士フイルムグラフィックソリューションズ株式会社 |
16:15-16:40 | ホリゾンから見たSmartFactory化の現在地とこれから | ホリゾン・ジャパン株式会社 |
16:45-17:15 | 【特別講演】メーカーが連携していくデジタル印刷前後工程自動化の取り組み | 印刷革新会 株式会社クイックス 岡本 泰 氏 |
出典:JAGAT公式サイト
【コニカミノルタ】
DXを実現する印刷・後加工の自動化と高付加価値化
コニカミノルタは、従来からご提案している「印刷ビジネスDXで経営課題を解決」を基本コンセプトに、印刷会社がDXを実現することで儲かる仕組みをつくり、利益の最大化を図るための製品やワークフローについてご紹介させていただきました。
DXを活用し、印刷会社が儲かる仕組みをつくる
印刷需要の減少、人手不足、原料価格高騰、単価下落など、厳しいビジネス環境に置かれている印刷業界が持続的に発展していくために、印刷会社がデジタル技術を活用して競争上の優位性を確立し儲かる仕組みをつくることにコニカミノルタは一貫して取り組んでいます。
今回はその取り組みの中から、「印刷・後加工の自動化」と「印刷物の高付加価値化」を通じて印刷ビジネスDXを実現し、導入効果を上げている製品や事例についてご紹介しました。
① IQ-501を活用した印刷工程の自動化
まずは業界に先駆けて展開させていただいている 自動品質最適化ユニット IQ-501を活用した印刷工程の自動化と導入効果について改めてご紹介させていただきました。
IQ-501は2つのスキャナーと分光測色機を内蔵し、高精度な色調整や表裏見当調整を自動化できる製品です。印刷前調整の自動化、プリンタープロファイル作成の自動化、印刷時のリアルタイム監視と補正の自動化、検品作業の自動化(※オプション)を通じて、印刷の各工程における作業時間の大幅な削減や省力化を実現します。
IQ-501にオプションを追加することで実現できるリアルタイム自動検品では、汚れなどの様々な印刷不良を検知し、不良検知後は自動振り分けとリカバリーを行います。さらにプリンターディスプレイでのフレキシブルな検知設定や検査結果のレポート表示および印刷が行えることで、印刷現場の生産性も大きく向上します。
バリアブル印刷のリアルタイム自動検品にも対応でき、顧客IDやシリアルナンバーなどの数値検査や目視での確認が難しいバーコード検査も自動化します。
またIQ-501によるDX事例として、作業時間の大幅な短縮やヤレ紙の削減、売上前年度比267%アップなど、印刷会社2社の導入効果についてもご紹介。
今回ご紹介したIQ-501の導入事例は、こちらからもダウンロードいただけます。
② TU-510を活用した後加工の自動化
続いては、コニカミノルタ独自の製品でもあるトリマーユニット TU-510を活用した後加工の自動化と導入効果についてご紹介させていただきました。
TU-510は、断裁やスジ押し・ミシン目など多彩な加工をインラインで行うことができるAccurioPress専用の加工ユニットです。
ご紹介したTU-510で作成できる印刷物の一例
・四方断裁によるフチなし印刷の長尺ポスター
・A3ノビを2枚分断したフチなし印刷のチラシや2枚分断(半裁)による冊子
・スジ入れを行ったフチなし印刷の両面カタログ
・ミシン目のクーポンがついたチラシやチケット類
・A3に21面付けした両面印刷の名刺 など
TU-510の導入効果として、従来のオフラインで後加工を行う際に必要だった用紙の運搬や加工操作が不要になるため、手間や工数を大幅に削減できます。生産性が大きく向上するため、より多くのジョブに対応できるようになり、インラインによる自動断裁が現場のスキルレス運用も実現します。
また、さらなるDX推進としてコニカミノルタも参画している印刷革新会でのTU-510を活用した「デジタル印刷の自動化構想の実現」に向けた活動もご紹介。この活動ではTU-510でA3ノビからA4サイズの両面チラシを2枚切り出し、それをインラインで帯掛けまでできるシステムの開発を行っています。
③ ハイクロマトナー機による印刷物の高付加価値化
続いては、2023年11月に新発売したハイクロマトナー機 AccurioPress C84hcを活用した印刷物の高付加価値化についてご紹介させていただきました。
AccurioPress C84hcは通常のCMYKトナーとは異なり、幅広い色域を再現できるハイクロマトナー(高彩度トナー)を採用しています。このAccurioPress C84hcの強みは、ハイクロマシアントナーによるクリアで明るいライトブルーやグリーンの表現と、ハイクロママゼンタトナーによる鮮やかなピンク・紫・マゼンタの表現です。
ハイクロマトナー機による導入効果としては、同人誌印刷サービスを展開されている印刷会社の事例をご紹介。RGBデータで入稿された同人誌データを、モニターやディスプレイでみた鮮やかな印象に近づけて印刷できるということで、その仕上がりに満足いただいたお客様からのリピート率も高く、価格設定も通常より10%ほど高い値付けにされているということです。
さらにご紹介させていただいた印刷会社では、IQ-501によるカラー調整の自動化などを通じた生産性向上も行っており、RGBデータ入稿に対応した付加価値の高いジョブを生産性高く回すことで受注拡大や収益拡大に繋げられています。
④ 卓上型デジタル箔押し機による印刷物の高付加価値化
最後は、卓上型デジタル箔押し機 AccurioShine 101を活用した印刷物の高付加価値化についてご紹介させていただきました。
AccurioShine 101はオンデマンド箔なので版や型は一切使わず、1枚から簡単に箔押しができます。さらに箔の上からフルカラーの追い刷りができるので、箔とトナーを掛け合わせることにより多彩なメタリックカラーを表現できます。
非常にコンパクトで場所をとらないため、「まずはスモールスタートから箔押しの仕事を始めてみたい」という印刷会社に非常に合った製品です。
セミナーでは先ほどご紹介したAccurioPress C84hcとAccurioShine 101を活用した、ハイクロマトナー×オンデマンド箔によるデザインサンプルもご紹介。これまでにないデザイン表現や付加価値の高い印刷物を実現することで、新規ビジネスの拡大に貢献します。
またAccurioShine 101は、オンデマンド箔を活用した新規ビジネスの拡大にも繋がるということが評価され、補助金の採択率が非常に高い製品でもあります。
デジタル加飾機の新規性で補助金採択に成功し、印刷ビジネスを成長させているお客様事例は、こちらからダウンロードいただけます。
まとめ
JAGATトピック技術セミナー2024では、DXを実現する印刷・後加工の自動化と高付加価値化についてご紹介させていただきました。
今年は8年ぶりにdrupaが開催されることもあり、多くの新製品や新しい技術への注目が高まっているタイミングでもあります。コニカミノルタはこれからも「受注拡大」「生産性向上」「環境配慮」を軸に、多様な製品やソリューションを通じてお客様の印刷ビジネスDXを加速させるパートナーとして印刷業界の発展に貢献してまいります。
本セミナーに関するご質問やご要望などがございましたら、お気軽にお問い合わせよりご相談ください。
本セミナーでもご紹介したAccurioPress C84hcを活用し、
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コニカミノルタジャパン株式会社 坂入 陽子Profile:コニカミノルタジャパンでデジタル印刷機の運用支援、技術サポートを8年間担当。印刷現場での経験から商品企画部門を経て、現在は印刷業界に有益な情報をお届けするためのコンテンツ制作やWebサイト運営、各種イベントを担当している。 Profile:コニカミノルタジャパンでデジタル印刷機の運用支援、技術サポートを8年間担当。印刷現場での経験から商品企画部門を経て、現在は印刷業界に有益な情報をお届けするためのコンテンツ制作やWebサイト運営、各種イベントを担当している。 |
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