公開日2024.05.01
紙媒体でのインバウンドプロモーションの方法は?
紙媒体のメリットと活用事例
コロナ禍以降、インバウンド需要は回復傾向にあります。今後も需要拡大が見込まれている中、外国人観光客向けの観光情報やサービスのPRは欠かせない施策です。
この記事では、紙媒体によるインバウンドプロモーションの種類や方法、メリットについて解説します。活用事例もあわせてご紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
インバウンド需要の現状
日本政府観光局(JNTO)が発表した資料によると、2023年の訪日外国人旅行者数は2506万6,100人(推計値)となっており、右肩上がりで急増している状況です。特に2023年12月の訪日外客数は273万4,000人とコロナ禍以降最多を更新。この要因として、新型コロナウイルス感染症の水際対策が緩和されたことが挙げられるでしょう。
米旅行雑誌による「世界で最も魅力的な国ランキング2023」では日本が第一位に選出されており、外国人旅行者から継続して人気を獲得していると考えられます。現状、訪日外国人旅行者の割合は2019年比78.6%とコロナ禍前の水準まで回復しつつあり、今後もインバウンド需要はますます高まっていくでしょう。
効果的なインバウンドプロモーションとは
インバウンドプロモーションは、観光客の行動プロセスによって適切なアプローチ方法が異なります。ここでいう行動プロセスは以下の三つのシーンに分けられます。
旅マエ | 知る/調べる/予約する |
---|---|
旅ナカ | 旅行へ行く |
旅アト | 共有する |
旅行を検討している場合、まずどこの国へ行くか、どのような観光地があるか、どのホテルに泊まるかといった情報収集をします。旅行中も飲食店や観光地を調べることが多いでしょう。旅行から帰ってきたあとは「SNSや口コミに投稿しよう」、「家族や知人におすすめしたい」といった心理から共有するという行動が見られます。
紙媒体でのインバウンドプロモーションの場合は特に「旅ナカ」の観光客へのアプローチに役立ちます。旅行中の訪問先を決めるきっかけはSNSや知り合いからの紹介などさまざまですが、「広告を見た」「ガイドブックを参考にした」というケースも多いです。このときにユーザーの興味をひくために、紙媒体の特徴や得られる効果を踏まえて最適なプロモーションをすることがポイントになります。
紙媒体でできるインバウンドプロモーションの種類
紙媒体によるインバウンドプロモーションにはさまざまな種類があります。ここでは、各方法における特徴や効果についてご紹介します。
新聞・雑誌
海外の新聞や雑誌に広告出稿する方法です。新聞広告はミドル層からシニア層を中心にターゲット層を絞って訴求することが可能です。また、社会的信用を得られやすいことも大きな特徴といえるでしょう。
雑誌はファッション、グルメ、旅行、カルチャーなど特定のジャンルごとに出稿されるため、サービス内容と合った雑誌への掲載が可能です。そのため他の広告よりもターゲット選定しやすいという特徴があります。
フリーペーパー
フリーペーパーは日本国内や海外の空港、駅の改札、観光案内所、商業施設などあらゆる場所に設置されるため、多くの人の目にとまりやすい媒体です。無料で入手できるというのもフリーペーパーの大きな特徴でしょう。外国語で観光地や飲食店、その他サービスについての情報が網羅的に掲載されており、外国人観光客にとって気軽に活用しやすい貴重な情報源となります。
機内誌
機内誌は各航空会社が発行し、機内や空港に無料で設置して配布されている雑誌です。これから日本へ向かう旅行者は、飛行機の中で観光情報を調べることもあるため、機内誌を活用することで効率的なアプローチが期待できるでしょう。
パンフレット・リーフレット
パンフレットやリーフレットは、チラシよりも多くの情報を色鮮やかな配色・見やすいレイアウトで伝えられるため、読者に特別感を与えられます。作成コストはかかりますが、持ち運びにも適しているため高い開封率・保存性を期待できるでしょう。
ガイドブック
スマートフォンが普及している現代でも、旅行や仕事の際にガイドブックを購入する方は多いでしょう。また、ガイドブックには地域に関する情報や魅力が盛りだくさん載っているため、観光情報や移動手段の情報について調べたい外国人観光客に重宝されます。
プリント広告
搭乗券の裏面やポケットWi-Fi端末など、外国人観光客が日本に来る際に活用するグッズやツールに広告を印刷します。必ず手にするものを利用することで、高い視認性や再読性を期待できるでしょう。
同梱チラシ・クーポン
観光や仕事のために来日する場合、ポケットWi-Fi・SIMカードやツアーのチケットなどさまざまなサービスを取得するでしょう。その際にチラシやクーポンを同梱することで、高い確率で目を通してもらうことが可能です。
紙媒体のインバウンドプロモーションのメリットは?
ここからは、紙媒体のインバウンドプロモーションを実施するメリットについてご紹介します。
情報に信頼感がある
ネット上では膨大な情報が入手できますが、発信元が分からなかったり間違った情報を記載したりするサイトも多く、信頼性に欠ける部分があります。一方で紙媒体の場合は発信元がはっきりとしているため情報が確実で、ネットよりも信頼度が高いというのが特徴です。また、オンラインと違って簡単に情報内容を修正・削除できないという点も、信頼感につながっていると考えられます。
保存性・再読率が高い
紙媒体は、保存性や再読性を確保できる点が大きなメリットです。役立つ情報が載っていれば旅行中に持ち歩いたり、手元に残して繰り返し読んでもらえる可能性が高くなります。思い出の一つとして自国に持ち帰ってもらえるケースもあるでしょう。
回読率が高い
紙媒体の場合は手に取った方が読んで終わりではなく、同行者や旅先で出会った人にも見てもらえる可能性があります。回読率の高い媒体に出稿できれば、一枚もしくは一冊の広告だけで多くの人の目に届けられるため、費用を抑えながら認知拡大が期待できるでしょう。
読者層のターゲティングが可能
紙媒体の場合は、読者層のターゲットを絞ってリーチできるという点も大きなメリットです。例えばヤング層であればファッション雑誌や美容雑誌、観光がメイン目的の訪日客であれば観光案内所などに設置されるフリーペーパー、経営層やシニア層であれば海外現地で発行される経済紙、新聞というように、媒体によってターゲットの属性に合わせたコンテンツを届けることができます。
インターネット環境に左右されない
旅行中はポケットWi-FiやSIMカードがなければWi-Fiがつながらない状況となりやすいため、不便さを感じるかもしれません。通信環境や端末の状態によっては画面の速度が落ちたり表示されないこともあります。
一方で、紙媒体はインターネット環境に左右されずに見ることができます。外国人観光客にとっては、快適かつスムーズに過ごすことができる利便性からも、紙媒体は活用されやすいでしょう。
WEBサイトを見ない層にもリーチできる
紙媒体は、WEBサイトを見ない層やデジタルを使い慣れていない方にもリーチできるというのもメリットの一つです。海外のシニア層も国によってはスマートフォンやPCでの情報収集に慣れていない方が多く、シニア層には非常に効果的といえるでしょう。
紙媒体によるインバウンドプロモーション事例
紙媒体によるインバウンドプロモーションの活用事例をご紹介します。
中国人を対象としたリムジンバスチケットホルダー広告
リムジンバスで成田空港と都心を移動するインバウンド客向けの、チケットホルダーの裏面を利用したプリント広告です。中国人観光客の利用頻度が高い決済サービスでのチケット購入者限定とすることで、適切なターゲットへの訴求が可能です。
このように訴求対象を絞ったグッズ・ツールは観光客にとって特別感を感じられ、人気のあるサービスの一つです。アメリカではスクラップブッキングでお気に入りの写真を思い出として保管することが一時期ブームになりました。チケットをバリアブル印刷することでより特別感を出し、観光客の名前やイラストを入れて思い出の1ページを彩るパーツとしての再利用も期待できそうです。
参考:インバウンドONEリムジンバスチケットホルダー広告
ガソリンスタンドのインバウンド対応チラシ【神奈川県石油商業組合】
外国人観光客の中には、日本国内の移動の手段としてレンタカーを利用するケースもあります。そこで神奈川県石油商業組合では、ガソリンスタンドにおけるお客様とのやりとりに活用できる「インバウンド対応チラシ」を提供しています。利用目的や支払い方法など、必要なやりとりをチラシでスムーズに行うことができます。
参考:WELCOME TO KANAGAWA
インバウンドガイドブック・多言語指差し会話シートの作成【熊本県】
インバウンド需要が高まっている現在、熊本県では外国人観光客とのコミュニケーションに役立つ「インバウンドガイドブック・多言語指差し会話シート」を提供しています。英語や韓国語、タイ語、繫体字、簡体字が対応可能なため、お客様への接客時のコミュニケーション手段として活用できます。外国人観光客にとっても言葉や文化の壁を感じずにサービスを利用できるため、満足度の向上や再来につなげられます。
参考:多言語指差し会話シート・インバウンドガイドブック
ユニクロオリジナル刺繍サービス
日本のユニクロでは2022年から「オリジナル刺しゅうサービス」を始め、外国人観光客に人気の高いサービスとなっています。ある外国人観光客は銀座のユニクロで、このサービスを含め総額18万円分を爆買いしたとのことです。ユニクロのように世界各国に店舗を構えているブランドでも、日本ならではのデザインやオリジナリティを出せるサービスを提供することで外国人観光客に刺さると考えられます。
参考:外国人観光客が「ユニクロ」で18万円分爆買い
まとめ
インバウンドプロモーションにおける紙媒体にはさまざまな種類があります。適切な媒体を活用することで、外国人観光客にとって「利便性が高い」「もう一度利用したい」と印象付けることができるでしょう。また、特別感のある紙媒体ツールを作成できれば、旅行が終わって帰国してからも保存してもらえる可能性が高まります。バリアブル印刷によって名入れや個別のメッセージ、日本らしいデザインを入れるなど工夫することで、もう一度来たいと思ってもらえるような思い出作りを行い、紙媒体を積極的に活用しましょう。
「Variable Studio」は、バリアブル印刷物のレイアウトから面付け、出力までの一連の作業を簡単に操作できるクラウド型の印刷ソリューションです。可変印刷することで、外国人観光客の印象に残る「刺さる広告」を自社内で作成することができます。さらにQRコードからWEBサイトへの誘導も可能なため、幅広い可能性を広げられるでしょう。
バリアブル印刷を活用して、紙媒体によるインバウンドプロモーションを成功させましょう。
コニカミノルタジャパン株式会社 白井 杏奈Profile:大学卒業後、静岡のIT企業にてプロモーション業務(広告運用、Webサイト制作、オウンドメディア運営、展示会対応、デザイン業務)に従事。その後、MAツールベンダーのデジタルマーケティングを担当。現在はコニカミノルタジャパンにて、Variable Studioの拡販を行うべくグロースハッカーとして勤務している。 Profile:大学卒業後、静岡のIT企業にてプロモーション業務(広告運用、Webサイト制作、オウンドメディア運営、展示会対応、デザイン業務)に従事。その後、MAツールベンダーのデジタルマーケティングを担当。現在はコニカミノルタジャパンにて、Variable Studioの拡販を行うべくグロースハッカーとして勤務している。 |
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