公開日2024.04.17
Z世代には紙媒体マーケティングが響く!
Z世代マーケティングの特徴と成功事例
現代社会において流行の中心にいる「Z世代」はマーケティングを実施するうえで注目すべきターゲット層であるといえます。「デジタルネイティブ」と呼ばれているZ世代ですが、意外にも紙媒体が効果的であることをご存じでしょうか。
この記事では、Z世代の消費行動の特徴について解説したうえでZ世代への紙媒体マーケティングを成功させるポイントと事例をご紹介します。
Z世代マーケティングとは?
Z世代マーケティングとは、その名の通りZ世代の若者への訴求を目的としたマーケティング活動のことを指します。令和4年度の総務省のデータを見ると、Z世代にあたる10代・20代は全年代の中でネットの平均利用時間がもっとも長く、逆にテレビや新聞、ラジオに触れる時間はかなり短くなっています。
出典:総務省 令和5年版 情報通信白書「主なメディアの平均利用時間と行為者率」
「デジタルネイティブ」「SNSネイティブ」とも呼ばれているように、SNSやインターネットが身近にある中で生まれ育ち、情報収集や買い物、趣味、学習など幅広い用途でのスマホやタブレットの使用が当たり前となっている世代です。
Z世代は消費行動が特徴的なため、従来のマーケティング手法は通用しないと言われています。Z世代マーケティングは、消費行動の特徴を理解した上で効果的な戦略を立てる必要があります。
Z世代の定義
アメリカでは10代~20代の若者が「Generation Z」と呼ばれており、近年日本でも「Z世代」という呼び方が浸透しています。Z世代は、Y世代・ミレニアル世代に続く世代層で、1990年代半ば~2010年代前半に生まれた現在の10代半ば~20代半ばの方が当てはまります。
Z世代マーケティングが注目される理由
Z世代マーケティングが注目されている大きな理由として、Z世代の持つ情報の発信力・拡散力の高さがあります。現代の若者はSNSを通じて個性を認め合い、自ら発信する力を持っています。最近の流行はZ世代から生み出されることが多く、SNS上でバズった商品やコンテンツが全国に広まり、消費者行動に影響しているのです。
特に発信力・影響力のある人は「インフルエンサー」と呼ばれ、インフルエンサーを中心に情報の発信・拡散が活発に行われていますが、個人の投稿がじわじわと話題になり、流行に繋がるケースも少なくありません。
Z世代はこれからの消費を担う世代として、マーケティング需要が高まっているといえるでしょう。
Z世代の消費行動
ここからは、Z世代の消費行動の特徴についてご紹介します。
SNSからの情報収集が主流
先述のとおり、Z世代は商品を購入するときにSNSで情報収集をする傾向があります。
テテマーチ株式会社が2023年に行った「Z世代の消費に対する価値観やブランドへの意識調査」では、Z世代にモノやサービスの購入・利用において参考にしている情報源を聞いたところ、SNSが一位でした。Z世代はInstagram、YouTube、X(旧Twitter)、TikTokなど、さまざまなSNSを活用して情報収集をしているようです。
SNSでは写真や動画とともに実際に使用した感想、口コミといった実体験に基づいた情報が得られるため、頻繁に活用されています。
モノ消費よりもコト・トキ消費
Z世代は、単にモノを所有することにステータスを感じるのではなく、商品やサービスの購入・利用から生じる体験や経験による「コト消費」、その場・その時間限定の体験を指す「トキ消費」を重視する傾向があります。
旅行やアウトドア、グルメ、ヨガやマッサージなどのリラクゼーション体験、習い事などがコト消費の代表例です。トキ消費はライブやフェス、コスプレイベント、クラウドファンディングへの参加などが挙げられます。SNSが身近なZ世代は、自らの体験・経験をオンライン上ですぐに共有することができます。また、アーティストのライブ配信やファンミーティングなど、オンライン上のトキ消費が可能になったことも、消費を拡大させているといえるでしょう。
さらには、多様性や環境問題などの教育を受けている世代でもあるため、社会貢献に繋がる消費を重視する「イミ消費」、「エモい」という言葉の流行とともに精神的な満足感を重視する「エモ消費」などもZ世代の消費傾向といえるでしょう。
コストパフォーマンス・タイムパフォーマンスを重視する
多くの情報が溢れている現代において、Z世代はコストパフォーマンス・タイムパフォーマンス(タイパ)を重視する傾向があります。
デジタル技術の進化によってより良い情報を短時間で得ることができるため、Z世代は他の世代よりも費用対効果、時間対効果を消費行動に反映しているのです。タイパを重視して動画を早送りしたり、映画を倍速で見る方が多いのもZ世代の特徴です。
商品選考・事前の情報収集に時間をかける
Z世代は、堅実的・保守的な考えを持っており、商品購入の際にも失敗しないために時間をかけて情報収集し、商品を選考する方が多いようです。
上述した「Z世代の消費に対する価値観やブランドへの意識調査」でも、モノやサービスの購入・利用をするときに重要視している行動や意識については「話題になっている商品・サービスは使ってみたい」「新しい商品・サービスは積極的にチェックしている」という項目が高く、「商品・サービスを選ぶときに悩む時間がもったいない」という項目は他の世代よりも低いという結果でした。
タイパを重視する一方で、しっかりと時間や労力をかけて情報収集し、自分自身に最適なモノを選定していることが分かります。
自分が好きなものや納得できるものにはお金を惜しまない
Z世代は「個性」や「自分らしさ」を尊重するため、自分が好きなものや欲しいと感じたものには妥協しません。また、「推し活」という言葉が使われているように、自分の好きな人・モノ・コトに対してはお金を惜しまず使用している傾向があります。
「SHIBUYA109 lab.」が行った「Z世代のヲタ活に関する意識調査」では、Z世代の8割が「推しがいる・ヲタ活をしている」と回答しており、公式グッズ以外にも「ヲタ活」に関連した服やコスメを購入するなど、普段の消費行動にも影響しています。
Z世代に紙媒体マーケティングが響く理由
ここまでご紹介したZ世代の特徴や消費行動を踏まえて、Z世代に紙媒体マーケティングが効果的とされている理由について解説します。
デジタルネイティブだからこそ紙媒体の「温もり」が刺さる
物心がつく頃からデジタルが身近な存在として慣れているからこそ、紙の「温かみ」に価値を感じる世代であることが理由の一つです。オンライン上の情報が飽和状態にある中で、温もりが感じられる紙媒体のマーケティングが響くのです。
単なる情報ではなく、紙から感じられる温かみを「体験」として認識できることからも、より好意的な印象を持たれやすいでしょう。
自分宛の情報に「特別感」を感じる
一般社団法人日本ダイレクトメール協会の「DMメディア実態調査2022」によると、本人宛のDM閲読率は7~8割と高く、特にZ世代に該当する20代男女は、DM閲読後の行動率が高いという結果が出ています。
Z世代はパーソナライズされた情報に興味を持ち、自分だけの情報という「特別感」を好む傾向にあります。自分の気に入ったものや魅力に感じたものに対しては、積極的に情報を収集して購買行動につなげています。
Z世代への紙媒体マーケティングを成功させるポイント
Z世代への紙媒体マーケティングは、具体的にはどのような手法が有効なのでしょうか。確実に成功させるためのポイントを押さえておきましょう。
コト消費・トキ消費だからこそ体験できる仕掛けを作る
Z世代の特徴であるコト消費・トキ消費を重視し、楽しんでもらえる広告を作りましょう。カタログやDMを読み物として楽しめるようにする、診断コンテンツを記載するなど、顧客のニーズに合わせて、紙媒体ならではの体験できる仕掛けがあると効果的です。
心を掴むようなアクションを仕掛けることができれば、SNSで拡散され商品購入やサービスの認知に繋げられる可能性もあります。
推し活に使えるコンテンツにする
Z世代は大半の方が推し活をしており、ファッションや化粧品、学びにも推しが影響しているようです。Z世代×推し活をマーケティングに活用し、推し活に使ってもらいやすいコンテンツを企画しましょう。
推し活に合わせてメンバーカラーを選べるようにしたり、眺めていて幸せな気持ちになるようなグッズ、ファンが自発的にシェアしたくなるコンテンツが良いでしょう。例えば、ポストカードや表面をコーティングした素材に推しキャラなどを印刷することで、コンテンツの保存性が高まる上、SNSで拡散してもらいやすくなります。
デジタルや他のオフライン施策との融合を意識する
よりマーケティング効果を高めるには、紙媒体の他にZ世代が慣れ親しんだデジタルやオフライン施策との組み合わせを検討しましょう。デジタルと紙の垣根をなくし、SNSやネット広告、イベントや展示会の開催、チラシ・DMの送付などを組み合わせ、あらゆるマーケティング施策を融合させることがポイントです。
Z世代に向けた紙媒体マーケティングの成功事例
ここでは、実際にZ世代に向けた紙媒体マーケティングの成功事例を3つご紹介します。
DMを通して受験生と保護者に寄り添う 東京個別指導学院
東京個別指導学院は、大学受験に向けて入塾してもらうことを目的としたDM施策を実施。受験を旅になぞらえ合格までの道筋を示した冊子を同封した結果、再受講の問い合わせ数が前年同期間と比較して1.9倍になりました。
また、保護者に兄弟や友人を紹介してもらう目的で、受験生の子どもとの接し方についてのお悩みを解決する内容の冊子を作成し、紹介問い合わせ件数は前年比約116%増加しました。DMを通して悩みに寄り添う姿勢を伝えることで受験生・保護者の心に刺さり、行動へとつながる結果となっています。
参考:第38回 全日本DM大賞
突き抜けた世界観のあるオープンキャンパスチラシがSNSで話題に
資料請求をした高校生・既卒生に向けた、東京電機大学のオープンキャンパスチラシがSNSで話題となりました。他にはないオリジナリティ溢れる世界観のチラシを作成したことが学生の興味を引き、オープンキャンパスの来場者数は過去最高の110%という結果につながったそうです。
参考:フュージョン株式会社受賞実績
推し活に特化したグッズ展開
Z世代の大半が推し活をしている点を踏まえ、紙媒体マーケティングにおいても推し活に特化したグッズ展開が若者に反響を得ています。
タワーレコードでは、うちわやラッピング用品など、推しカラーを選べるグッズを展開。推し活はアイドルやキャラクターのグッズだけでなく、カラーを合わせるだけなどさりげなく推しを主張する方法も人気が出ています。
参考:タワレコ推し色・推し活グッズ
DM施策でいえば、DMに推しカラーのノベルティを付属する、DMに表記したQRコードからのアクセスによって推し活に特化した商品を購入できる、などの展開方法が考えられます。SNSに拡散されることで、ファンを味方につけられるのも利点です
まとめ
マーケティング施策を行う上で、「Z世代」へのアプローチは重要な課題です。紙媒体ならではの特別感や推し活をテーマにした施策、デジタルなど他施策との融合によって、Z世代に刺さるマーケティングを行いましょう。
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コニカミノルタジャパン株式会社 白井 杏奈Profile:大学卒業後、静岡のIT企業にてプロモーション業務(広告運用、Webサイト制作、オウンドメディア運営、展示会対応、デザイン業務)に従事。その後、MAツールベンダーのデジタルマーケティングを担当。現在はコニカミノルタジャパンにて、Variable Studioの拡販を行うべくグロースハッカーとして勤務している。 Profile:大学卒業後、静岡のIT企業にてプロモーション業務(広告運用、Webサイト制作、オウンドメディア運営、展示会対応、デザイン業務)に従事。その後、MAツールベンダーのデジタルマーケティングを担当。現在はコニカミノルタジャパンにて、Variable Studioの拡販を行うべくグロースハッカーとして勤務している。 |
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