更新日:2024年5月28日 2022年4月26日
チラシの効果を最大化!効果測定で反響を上げる方法とは
チラシの効果測定をすることは、集客アップを図る上でとても重要です。反響率やユーザーの属性を把握し、チラシの効果を最大化していくための方法を解説します。
集客の手段には、テレビCMやネット広告、ダイレクトメールまで様々なアプローチ方法がありますが、チラシも重要な集客手段の1つです。近年では、Webへの誘導などの手法も増え、活用方法は多岐に渡ります。
今回は、紙チラシのメリットや種類ごとの特徴、効果測定の方法や反響を上げるためのポイントなどをご紹介します。
紙チラシに期待できる効果・メリットとは?
まずは、紙チラシにどのような効果・メリットがあるのかを整理しましょう。
特定の地域への情報発信
紙チラシはポスティングや新聞折込などで配布するケースが多く、特定の地域へ情報を発信するのに有効な手法です。商圏内のユーザーに訴求することで効率的なアプローチができ、実店舗へ足を運んでもらいやすくなるでしょう。店舗の認知拡大や集客強化といった効果が期待できます。
再読率が高い
紙チラシはWeb広告と違って手元に現物が残るため、再読性が期待できるのは紙ならではのメリットといえます。セール商品やキャンペーン情報など、顧客にとって有益な情報を記載すれば保存性が高まりやすく、何度も読み返してもらえるでしょう。家族や同居人がいる場合は回読してもらえる可能性も高いです。
短期間で集客効果が望める
紙チラシはユーザーに直接情報を届けられるため即効性があり、短期間で集客効果を望めます。セールやキャンペーン情報といったタイムリーな情報は、来店までのスケジュールを逆算して配布日を設定することがポイントです。
チラシの種類と特徴
チラシは大きく4つの種類に分ける事ができます。ターゲットユーザーや地域の特性などを考慮しながら、どの方法を選ぶかを選択しましょう。
1.ポスティング
ポスティングは、特定のユーザーのポストに直接投函することができるため、短期間で情報を拡散・認知・集客することが期待できる方法です。形やサイズにも大きな制限がなく、ユーザー毎に絞り込んだ内容に作り込むことも可能です。ただし、配布する部数や範囲、制作物の内容によってはコストが高くなる場合があります。
2.新聞折込
新聞折込は、チラシを新聞に折り込んで配布するため、新聞の購読率が高いシニアや主婦層にアプローチしやすい方法です。配布日や地域を決められるほか、新聞に折り込まれている情報ということで信頼性が高くなります。ただし、未購読層への訴求ができないこと、新聞社の基準に沿った作成が必要なため、情報量が限られる場合などがあります。
3.フリーペーパー折込チラシ
フリーペーパー折込チラシは、新聞折込ではセグメントできない層へ効率的にアプローチが可能です。フリーペーパーの内容や配布エリアから設定されている読者層をターゲットとしたい場合に有効といえます。ただし、展開していないエリアには配布できなかったり、フリーペーパーによって費用が変動したりする場合があります。
4.同梱・同封チラシ
同梱・同封チラシは、商品や郵便物などにチラシを同梱して顧客のもとへ届けるため、高い開封率が期待できるアプローチ方法です。顧客の属性や購入履歴などの情報からターゲットを絞ることで、アクションにつなげるための効果的な訴求ができます。ただし、一人ひとり配送のタイミングが異なるため、大量に配布するのに時間や費用がかかってしまいます。
同梱・同封チラシについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
ポスティング |
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新聞折込 |
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フリーペーパー 折込チラシ |
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同梱・同封チラシ |
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チラシと似ている紙媒体として「ビラ」「フライヤー」がありますが、違いについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
チラシの効果測定の基準「反響率」とは?
効果測定の基準となるものとして「反響率」があります。配布した枚数に対し、どれだけの反響があったかを示す数値で、反響の例としては、資料請求や体験・デモの申し込み、実来店などがあります。
反響率(%)=反響数÷配布数×100
反響率は一般的に0.01%~0.3%程度であると言われます。
あらゆる業界の反響率が含まれた数値のため、数字の差が大きくなっていますが、中央値は0.1%程度です。
例)チラシ持参者の数を反響数として計算した場合
チラシ配布数 | 反響率0.01% | 反響率0.3% |
---|---|---|
10,000枚 | 1人 | 30人 |
50,000枚 | 5人 | 150人 |
100,000枚 | 10人 | 300人 |
では、業界別の反響率の具体例を見ていきましょう。
学習塾のチラシ反響率
体験学習などを実施している場合、反響数は体験申し込み数を指標とするのがよいでしょう。
反響率(%)=体験申し込み数÷配布数×100
学習塾の反響率は0.1%程度ですが、生徒や保護者の体験談やレビューなど、信用できる情報を掲載したり、塾の特徴などを明確に打ち出すなど、他社と差別化できる内容にすることが反響アップのコツになります。
ユーザーは比較検討を行うケースも多いと思われ、アクションまで時間がかかるため、検証は少なくとも2週間程度様子を見てから行いましょう。
整骨院・整体のチラシ反響率
割引クーポンなどを付与している場合、反響数はクーポン利用者数とするのがよいでしょう。
反響率(%)=クーポン利用数÷配布数×100
整骨院の反響率は0.1%程度ですが、クーポンのついたチラシを持参してもらう形を取ることで、より確実な反響数を把握することができます。休眠していたユーザーの再訪につながるケースもあるため、クーポンの利用者が新規か再訪なのかも併せて確認し、効果測定の精度を上げていきましょう。
スーパーのチラシ反響率
チラシ専用のセール商品などがある場合、該当商品の販売数を指標とするのがよいでしょう。
反響率(%)=セール商品の販売数÷配布数×100
スーパーの反響率は1%程度と、他の業界に比べて高めになっています。実施期間が短いケースが多いため、なるべく実施直後に検証を行いましょう。該当商品の販売数は、POSデータ(レジで商品が販売されたときに記録されるデータ)から取得することができます。可能ならば、実施日前後の来店客数や売上などとの相関関係もあわせて見ていきましょう。
美容室のチラシ反響率
チラシ限定のプランなどを用意している場合、反響数はプランの利用者数とするのがよいでしょう。
反響率(%)=プランの利用者数÷配布数×100
美容院の反響率は0.1%程度ですが、店舗のWebページがあれば、店舗概要やプランの詳細ページのURLを、計測付きのQRコードとしてチラシに掲載することで、スマートフォンを持つユーザーを直接目的のページに誘導し、販促することが可能です。なお、QRコードは無料のQRコード作成サイト等で簡単に作成できます。
上記は一例です。施策内容に合わせて適宜、反響数を設定することで、より目的に則したチラシの効果測定を行うことができます。
チラシの効果測定方法
チラシに効果測定できる仕掛けを入れることは、効果測定において非常に重要です。どんな手法や測定方法があるかをご紹介します。
チラシにクーポン・引換券を付ける
効果測定として最もポピュラーな方法です。クーポンを差し込んだチラシを持参してもらうことで、確実性の高い測定が可能です。いつ、どの時期に配ったクーポンかがわかるよう、色やデザインを変えたり、IDをつけておくと、より詳細の効果測定が可能になります。
チラシ専用の電話窓口を準備する
チラシ専用の電話番号を用意し、印字することで、チラシを見たユーザーの反応のみを収集できます。主に、資料請求・来店予約・電話相談など、通話が適した目的で使用するのがよいでしょう。ユーザーに負担のかからないフリーダイヤルが最適ですが、費用がかかるため適宜判断が必要です。
チラシ専用のQRコードでwebページへ誘導する
WebページのURLをQRコードに変換し、チラシに差し込むことで、スマートフォンを持つユーザーをWebページへ誘導できます。詳細情報を伝える手段として、また、通販のような実店舗を持たないサービスにも有効です。QRコードで誘導するURLについて、主な対応方法を3つご紹介します。
1.チラシ専用のWebページを用意する
チラシ専用のwebページを別に作成し、誘導する方法です。チラシを見た人だけが直接流入してくるページとなるため、計測が容易です。ただし、Webページの計測にはGoogleアナリティクスなどの、アクセス解析ツールを実装しておく必要があります。
2.URLパラメータで確認する
URLパラメータとはURLの後ろに「?」などで付与する変数のことです。これを活用すると、どのページに、いつ、どこからアクセスしたのかなど、詳細情報を取得することができます。また、地域や実施日など、用途に分けて異なるURLパラメータを付与することで、パラメータ毎に詳細情報を取得することも可能です。ただし、(1)同様、Webサイトにアクセス解析ツールを実装の上、解析ツールに応じたパラメータを付与する必要があります。
3.MA(マーケティングオートメーションツール)と連携する
チラシ以外に、WebサイトのLPやメールなど、様々なメディアで集客施策を行っている場合には、MA(マーケティングオートメーションツール)との連携で、ユーザー情報を一元管理し、最適なURLを導き出すのがよいでしょう。情報を一元管理することにより、ユーザーに応じた最適な集客施策がデジタル・アナログ両方で展開できるため、対応コストの削減にもつながります。
チラシに掲載する効果測定の方法は、目標に応じて、適宜選択していくことが重要です。また、反響率に影響する箇所でもあるため、チラシ上でしっかり目立つよう掲載することで、ユーザーにとっても有益な情報であることが伝わり、チラシをしっかり読んでもらえる確率も高まります。
チラシの効果測定を行う上での注意点
チラシの効果測定を行うにあたって、正しい結果を得るための注意点をご紹介します。
チラシの配布エリアを調査する
地域特性やユーザーのライフスタイルなど測定結果を左右する要素はさまざまです。そのため、配布エリアによって効果の出方など結果が異なってきます。特にポスティングなどの場合は、対象となるターゲットが居住するエリアかどうかや競合店舗が近くにあるかどうかなど、配布エリアの調査を入念に行う必要があります。
反響数に何を設定するかをよく検討する
チラシの配布後には、来店数や購入件数、問い合わせ数の増加などさまざまな反響を得られます。しかし、すべての反響を見ていると分析や改善に時間がかかり、正確な効果を計測できなくなってしまいます。そのため、効果測定を行う際はユーザーからどの反響を測定したいのかを明確にすることが大切です。効率良く進めるためにも、検討したうえで必要な反響数だけに設定しましょう。
費用対効果を分析する
チラシを作成して配布するまでにデザインや印刷費用、人件費などさまざまなコストがかかります。このコストに見合う十分な集客・成果が得られなければ無駄になってしまうでしょう。そのため、チラシを配布した後の効果分析では売上だけでなく、企画・作成から配布までの費用対効果とあわせて来店数や売上を見ることが重要です。分析した結果をもとに適切に改善できれば高い費用対効果を期待でき、店舗の売上アップにも繋がります。
紙媒体の効果測定方法についてはこちらの記事で解説しています。是非ご一読ください。
参考:Googleアナリティクス「パラメータ」の生成・集計方法をマスターし、分析の精度を上げよう
チラシの効果をさらに高める方法
チラシの効果をさらに高めるために、+αで検討・把握しておけるとよい点について解説します。
効果の高い曜日や属性を把握する
配布のタイミングは、チラシの目的にあわせた的確な判断が必要です。スーパーのセールなどであれば買い物の頻度が高い平日に、高額商品は家族との相談がしやすい週末に、といったように、行動タイミングや生活スタイルに合わせて決めるのがよいでしょう。同時期に構成の違うチラシを2種作成して反響の違いを見るなど、A/Bテストを行うとより精度が高まります。曜日や属性の把握は、反響への影響も大きいため、的確なタイミングを測っていきましょう。
バリアブルの印刷を行い、一人一人に合ったチラシにする
バリアブル印刷とは可変印刷とも呼ばれ、例えば、店舗によって商品情報を差し替えたりなど、条件に応じた内容に出し分けることができます。ユーザーの詳細情報があれば、ユーザー毎に適した内容や、特典を入れるなどの個別対応が可能です。個別対応をすることで、ユーザーの関心度や満足度がさらに高まります。
「Variable Studio」は、バリアブル印刷物のレイアウトから面付け、出力までの一連作業を簡単に操作できる、クラウド型の印刷ソリューションです。ターゲットの詳細情報をもとに特別感のある紙チラシを自社内で作成できます。バリアプル印刷で顧客一人ひとりにカスタマイズし、紙チラシの効果を最大化させましょう。
まとめ
チラシの効果を最大化するには効果測定を行い、反響率を把握していくことが重要です。
そのためにも、下記3ステップを意識していきましょう。
STEP1.チラシの目標・反響数を決める
チラシの目標と反響数を決定します。販売数・来店者数・申込数などシンプルかつ明確な目標設定がよいでしょう。
STEP2.チラシの種類や配布プランを決定する
目標に則したチラシの種類や配布数・タイミング・エリアなどを決定します。
STEP3.効果測定の方法を決め、チラシを作成する
反響数の測定を、どの方法で効果測定をするかを決定の上、チラシ制作を行います。
チラシの効果は諸条件で大きく変わります。効果測定で実績を見える化しながら、改善を繰り返すことが、効果最大化の近道となります。
コニカミノルタジャパン株式会社 白井杏奈 |