公開日2024.01.05
ECサイトの集客、売上を上げる!? 紙の印刷物活用法
EC事業者や、ECサイトを運営しているショップの担当者にとっては、サイトへの集客や売り上げの拡大は永遠の課題ともいえるものでしょう。一般的には、Web広告やSEOによる集客強化、キャンペーンやサイト内導線の改善によるCV数の拡大といったオンラインでの施策を中心に検討していることでしょう。
しかし、リアルの世界に生きるお客様とのタッチポイントは必ずしもオンラインに限定する必要はありません。当記事では、紙の印刷物を使ってECサイトの運用を後押しする施策をご紹介します。
【紙活用】新規ユーザをECサイトに集客する
ECサイトの集客はリスティング広告やECモール内のメールマガジンなど、デジタル施策が一般的ですが、紙を活用した集客方法もあります。アイデア次第で印刷物は様々な活用方法が考えられますが、今回は紙を使ったECサイト集客施策をいくつかご紹介します。
店頭にチラシを置き、そのチラシにQRコードをつける
アパレルや雑貨は、店頭とECサイト両方の売り場を展開していることも多いことでしょう。店頭では購入まで至らなかったお客様や、別の商品を後日購入する可能性のあるお客様には、是非ともECサイトの売り場に再訪問していただきたいものです。
そこで、店頭のラックやレジ横に、ECサイトのQRコードが印刷されたチラシやショップカードを置いておくという施策が考えられます。持ち帰りやすい名刺サイズにしたり、購入商品を入れる持ち帰り袋に同梱したりと使いみちは様々ですが、URLやQRコードなど、ECサイトの導線を印刷しておくことが肝要です。
Webで会員登録してくれたユーザにチラシを配送する
初めてのサイトで買い物をする場合や、まずは商品の機能や性能を試してみたいという場合、ユーザはECサイトで購入する前にサンプル請求やWeb会員登録というステップを踏みます。
Webの会員登録まで完了すれば、自社ECでの購入まであと一歩ですが、会員登録したユーザがその後ECサイトに必ず来てくれるとは限りません。そこで、ユーザとの関係性を一度限りにしないようにするために、会員登録してくれたユーザに対してQRコードが印刷されたチラシやパンフレットを送付し、再度ECサイトに誘導するということも有効です。
この施策は、ユーザのサイトへの再訪を促すだけではなく、関連商品やパーソナライズされた特別なオファーを印刷するなどすることで、追加購入を促すことも可能となるでしょう。
ターゲットのエリアに限定してチラシを配布する
アパレルやスーパーのように多店舗展開している業態や、地域によって居住者属性に特徴がある場合(高所得者が多い、ファミリー層が多いなど)、そのエリアに限定したチラシを印刷し、ポスティングするという手法も考えられます。
そのエリア限定のキャンペーン情報や特別オファーを印刷して配布することで、店舗への誘引を促すだけではなく、ECサイトで購入した商品を店舗で受け取るニーズもあることから、ECサイトと店舗両方の再訪問を促すことも可能となるでしょう。
「友人紹介キャンペーン」オファー付きショップカード
新たな顧客を集客するという点では、顧客の家族や知り合いに目を向ける方法もあります。
ECサイトで商品を購入した際に、商品に「友人紹介特典」のショップカードを同梱し、そこに印字されたシリアルナンバーを家族や友人が入力することで、紹介者・被紹介者双方に特典が与えられるといった仕組みが考えられます。
この場合、紹介者と被紹介者のIDを紐づけるために個別のシリアルナンバーが必要になりますが、信頼できる人からの紹介で会員登録してくれたユーザは比較的購入意向の高いユーザである可能性が高いため、ECサイトの集客だけではなく、購入にもつながりやすい施策にすることができるのではないでしょうか。
後日購入を促進するための商品パンフレット
家電や家具など、大型店舗で購入すると持ち帰りづらい商品の場合は、店舗で実物を確認した後にECサイトで購入するという顧客行動も想定できます。
店舗に展示してある大型商品のそばに、ECサイトのQRコードが印字されたパンフレットを置いておくことで、後日ECサイトで購入する体験のハードルを下げることができます。高価で大型の商品ほど、自宅で落ち着いて購入したいと思った経験もあるのではないでしょうか?そのような場合に、後日ECサイトへ送客するための仕組みを整えておくことは重要です。
購入前の後押しをする
ECサイトに効果を発揮する印刷物には、集客増加以外にも「購入の後押し」という役割を担わせることもできます。実店舗でいうところのPOPやカタログの役割をECサイトにも応用してみましょう。
会員登録後にお礼として割引クーポンコードが記載されたDMを送付
ECサイトでは、一般的にサイト訪問→会員登録→商品選択→決済→購入完了というフローがあります。会員登録を済ませたユーザは必ずしも全員が商品を購入するというわけではなく、一定の離脱率があり、EC運営者のこの離脱率をいかに下げていくかを考えなくてはなりません。
そこで、会員登録したユーザに「会員登録お礼DM」を送付する施策が考えられます。会員登録をしたものの、購入には至らずに離脱してしまったユーザに対して、割引クーポンが印字されたDMを送ることで、初回購入を促す効果が期待できるでしょう。
カゴ落ちやカート落ちしたユーザに向けてDMや商品カタログを送付
また、ECサイトで商品選択まではしたものの、決済まで至らずに離脱したユーザ(カゴ落ちorカート落ち)に対しも同様にDMが効果的です。
何かしらの理由で離脱はしてしまったものの、一時は商品選択までするくらい購入意向の高かったユーザです。このようなユーザに対しては、購入の背中を押してあげるようなDMを送付するという施策が考えられます。商品のスペックの説明だけではなく、商品の使用感や製造元の想いなどをしたためたDMやカタログで購入意欲を再び思い出してもらえるという効果が期待できます。
このような施策で大きな効果を出している例として、大手通販のディノス・セシールが行ったパーソナライズDMの施策が参考になります。カゴ落ちしたユーザに対して、パーソナライズされた関連情報を印刷したDMを24時間以内に送付したことでCVRが20%も向上しました。是非、自社なりに応用してみてはいかがでしょうか?
出典:パーソナライズDMでCVRは20%UP、ECユーザーへの小冊子DMでレスポンス10%UP ―ディノス・セシールのDM活用法 | ネットショップ担当者フォーラム
購入後の再購入を促進する
ECサイト運営者にとって、事業の成否を決めるのはLTVと言っても過言ではないでしょう。そして、LTVを最大化させるために重要なポイントとして再購入、特にF2転換と言われる2回目購入をいかに促すかが非常に重要です。再購入を促すための施策にも印刷物は大いに効果を発揮します。
商品と一緒に顧客の興味関心に合わせた商品チラシを同梱する
購入した商品が自宅に届き、梱包を開けた瞬間は、EC事業者とユーザとの貴重な接点となりえます。ブランド名が印刷された梱包箱や、きれいに包装された商品はもちろん重要ですが、その際に活用したいのが、ユーザに向けたカタログやチラシです。商品の効果的な使い方やお店からのメッセージを届けることにより、ユーザに対して再購入のモチベーションを植え付けることが可能となります。
カタログ通販事業を展開するオットージャパンは、ユーザの好みに応じたオススメ商品を印刷したパーソナライズ チラシを同梱することで、2回目以降の購入を後押しする施策を展開しています。
出典:アパレル通販初、個客別フルパーソナルチラシのカタログ同梱オットージャパン・凸版印刷・サイジニアが共同で開発 – scigineer
商品を再購入するタイミングや、顧客の誕生日などの記念日に合わせて割引クーポンを送付
商品購入前の会員登録では、住所や氏名といった配送に必要な情報のほかに、生年月日や興味のある分野などをきくアンケートを行うこともできます。ここで得られた情報を基に、ユーザにとって特別な情報を届けることでエンゲージメントを高めることができます。
例えば、化粧品であればそろそろ使い終わるというタイミングで再購入を促すDMを送付したり、誕生月に合わせて割引クーポンを送付したりといった施策が考えられます。
メルマガとDM両方の顧客接点で広く効果的にアプローチする
既存ユーザとの重要なタッチポイントとして、メールマガジンやDMがあります。メールマガジンは低コストでユーザと定期的継続的に接点を持てるという利点があります。DMは物理的にユーザに届くという点に加え、保存性の高さや回し読みによるシャワー効果(情報拡散効果)が期待できるというメリットがありますが、印刷代や郵送費などメールマガジンに比べてコストがかかります。
メールマガジンは多くのEC事業者で用いられている手法ですが、ユーザの中にはメールマガジンを開封しない方も多く存在します。そのような方にはメールマガジンの未開封者のみに限定して郵送DMを送ることで、印刷コストを下げながら効率的にアプローチすることができます。
また、より特別感を演出するために優良顧客に限定したDMを送付しQRコードにアクセスしていないユーザには「届きましたか?」という確認のメールを送付することで、丁寧な印象を与えられユーザは優遇されていると感じられるでしょう。このようにメールというオンライン施策だけではなく、DMというオフラインの施策も併せて行うマルチチャネル化を行う事で、顧客との接点が増え販売機会の増加に繋がります。
メールマガジンとDMのメリット/デメリットを理解しながら使い分けていきましょう。
オンラインとオフラインの施策を使い分けることでECサイトを活性化
ECサイトにおけるプロモーションの主力がオンライン施策であることは疑う余地はありませんが、紙の印刷物を使うことでさらにプロモーション効果を向上さえることも可能です。
その際に重要なのは、必要最小限の印刷費に抑え、パーソナライズされた内容にするという点です。従来の大ロット少品種の印刷よりは、小ロット多品種の印刷が可能なバリアブル印刷が適しています。バリアブル印刷の使い道はこちらの記事でも解説していますのでご一読ください。
参考記事:バリアブル印刷とは?活用事例やメリット・デメリットを解説 | つながるプリントラボ - ビジネスソリューション
コニカミノルタでは、バリアブル印刷用のデータを作成、管理できるVariable Studioを提供しています。自動組版や面付などの作業を簡単な操作で行うことができるクラウド型のソフトウェアです。当記事でもご紹介した通り、各ユーザに印刷内容を可変にすることで印刷物の価値をさらに高めることができるようになります。必要な情報を必要な人に必要なだけ提供することができるバリアブル印刷で、コスト効率の良い最適な印刷物を企画していきましょう。
コニカミノルタジャパン株式会社 白井 杏奈Profile:大学卒業後、静岡のIT企業にてプロモーション業務(広告運用、Webサイト制作、オウンドメディア運営、展示会対応、デザイン業務)に従事。その後、MAツールベンダーのデジタルマーケティングを担当。現在はコニカミノルタジャパンにて、Variable Studioの拡販を行うべくグロースハッカーとして勤務している。 Profile:大学卒業後、静岡のIT企業にてプロモーション業務(広告運用、Webサイト制作、オウンドメディア運営、展示会対応、デザイン業務)に従事。その後、MAツールベンダーのデジタルマーケティングを担当。現在はコニカミノルタジャパンにて、Variable Studioの拡販を行うべくグロースハッカーとして勤務している。 |
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