岡山を拠点にさまざまな販促物の製造販売を手掛ける株式会社イタミアート様。より幅広くお客様のニーズに応えるため、2017年に紙ベースのオンデマンド印刷ビジネスをスタート。印刷機として導入したのがAccurioPress C6100 でした。

現在ではコニカミノルタのオンデマンド印刷機を4台導入し、印刷業務にフル活用。そのうちカラー機3台には自動品質最適化ユニットIQ-501が搭載されています。コニカミノルタの印刷機ならではのクオリティーと操作性、IQ-501の自動色調整機能を活用し、新規ビジネスは右肩上がりで成長を続け、前年度比267%の伸長を達成しています。

岡山市に本社を構えるイタミアート様は、さまざまな販促物の製造販売を通して、お客様の商売繁盛のお手伝いをする会社です。のぼり旗・横断幕、うちわ、冊子など販促ツールの提案・販売をはじめ、Webマーケティング、ホームページ制作など幅広い分野の事業に取り組んでいます。

イタミアート様は2017年に、オンデマンド印刷機を導入されました。「これまではのぼり旗や横断幕等の販促物制作がメインでしたが、ポスターやカタログ、名刺等、紙の印刷物が欲しいというお客様のニーズにお応えして、オンデマンド印刷ビジネスをスタートしました」とおっしゃるのは、第二商品部 生産管理課リーダーの今尾仁様。従来の販促物の制作ノウハウをベースに、オンデマンド印刷ビジネスに参入しました。

「事業開始とともにこちらに異動してきましたが、オンデマンド印刷という言葉すら知りませんでした。右も左もわからないというのが正直な感想でした」とは、第二商品部 生産管理課の竹本亜由子様。

それまではWebサイトの構築に携わっていたため、印刷機に触れたことも皆無でした。現在では印刷データ管理とともに、印刷機のオペレーションにもしっかり関わっていらっしゃいます。「最初の頃は覚えることだらけでしたが、1カ月くらいでだいたいの工程は把握して、印刷機を一人で回していた覚えはあります」（竹本様）。オンデマンド印刷機ならではのわかりやすい操作性で、慣れるのも早かったとのこと。「声を掛けてこちらの商品部に来てもらったのですが、今では重要な戦力です」（今尾様）。

現在、稼働しているのはコニカミノルタのオンデマンド印刷機が4台。イタミアート様は自社で印刷通販サイトを運営しているほか、協力会社2社から印刷の仕事を請け負っています。

当初はAccurioPress C6100を2台導入し、半年後にもう1台追加。さらに半年後、ドキュメント中心の冊子等の需要に合わせてモノクロ専用機AccurioPress 6136を導入しました。冊子をメインに、名刺、チラシ、ショップカード、はがき、うちわなど幅広く対応されています。

カラー機AccurioPress C6100の3台には、自動品質最適化ユニットIQ-501が装備されています。IQ-501は、オンデマンド印刷機の濃度や色調管理、表裏の見当ズレの調整を行うユニット。2つのスキャナーが色ズレや見当ズレを監視し、自動的に調整・補正します。「モノクロ機に付いていないのは、その当時オプションとしての選択肢がまだなかったから。カラー機ではフル活用し、とても重宝しています」（今尾様）。

オンデマンド印刷事業は、事業スタート半年ほどで軌道に乗り、右肩上がりで成長を続けています。「年度末などの繁忙期には、朝から晩まで、4台とも100%フル稼働の状態が続くこともあります」（今尾様）。

印刷工場は岡山ですが、ECサイトが窓口になっているので全国津々浦々から満べんなくオーダーがあります。「現在は1日50件以上の受注を受けていますね」（竹本様）。

小ロット多品種に強いオンデマンド印刷の特徴を活かし、冊子等も1部から請け負っています。4台の印刷機で交互に印刷することで、小ロットでも数多くのジョブを実現させています。「おかげさまで仕事は順調で、今期は前年度比267％を達成することができました」（今尾様）。開始3年目で驚異的な伸びを記録しています。

「AccurioPressとIQ-501は本当に使いやすくて助かっています」（今尾様）。スキルレスの操作性とIQ-501の自動調整機能により、機械を扱う特別なノウハウや、印刷業務のコツや勘も必要不可欠ではなくなりました。

現在のオペレーターは、これまで印刷業務の経験がない方ばかり。「当社は女性の社会進出を支援して保育園と連携しています。印刷機のオペレーターは、昼間、保育園に子供を預けている女性たちが担当しています」（今尾様）。一番経験のある方で、業務がスタートしたときからの2年間。その他の方は半年、短い方はまだ3〜4カ月の方も。

「私自身そうなのですが、まったく機械に触れたこともない方も、その日の内に作業を始められました。現在は皆さん支障なくオペレーションをこなしています」（竹本様）。操作は簡単でも、そこから生み出される印刷物はハイクオリティー。「AccurioPressで初めて写真集を印刷したときは、その写真の鮮やかさ、再現性に本当に驚きました」（竹本様）。

IQ-501の自動調整機能と高い安定性は、クオリティーとともに、作業の軽減に大きく貢献しています。「100カウントごとに自動で色調整をしてくれます。おかげで、ずっと機械を見ていなくてもよくなりました。色管理のノウハウが要らないだけでなく、省力化にもなっています」（今尾様）。「3台同時に調整がかけられるので、調整がいっせいに終わります。1台1台見ていく必要がないので、オペレーションの負担が少なくてすみますね」（竹本様）。

コニカミノルタのサポート体制についても、「何か不具合があっても、すぐに駆けつけてメンテナンスしていただいています。その対応の早さにはとても満足しています」（竹本様）。「データの作り方とか、IQ-501活用のアドバイスとか、業務スタート時から丁寧にご指導いただきました。いろいろな面で支援いただけて、本当にありがたく思っています」（今尾様）。機器の性能だけでなく、パートナーとして、さまざまな面からのコニカミノルタのサポートを高くご評価いただきました。

今後のビジネスの展開についてお尋ねしました。「現在は2社の協力会社からの受注が半数以上を占めています。自社で運営するサイトがまだまだ伸びるチャンスがあると考えているので、自社ECサイトの比率を上げていきたいですね」（今尾様）。現状の印刷通販サイトのアピールと受注拡大を重要課題としてさらに力を入れていく予定とおっしゃいます。

イタミアート様は、アナログ印刷からデジタル印刷への移行ではなく、最初からオンデマンド印刷を新たなビジネスとしてスタートされました。現在、印刷工場では新しい取り組み方や働き方が日々行われています。「これからもオンデマンド印刷機を増やし、生産性を高めつつ誰でも使える工場として成長していきたい。同時に一つひとつのお客様のオーダーにお応えして、満足度をさらに高めていきたいと考えています」（今尾様）。

多品種小ロットのオンデマンド印刷のメリットとIQ-501の高い安定性、信頼性を武器に、既成の概念に囚われない印刷ビジネスの新しい可能性を切り拓いているイタミアート様を取材しました。

1999年、広告制作業者としてスタート。その後時代の流れに応えるべくインターネットを通じたビジネスへ本格的に参入し事業を拡大する。現在は広告業者として培ったノウハウや販売促進商材の取り扱い展開を自社運営のECサイトへ落とし込み、数十サイトを運営。「本当にお客様にとって価値ある広告だけを提供することで広告業自体の地位を向上させたい」という想いを理念として、インターネットを通じて、強みである「IT技術」と「ものづくり」を武器に、全国へ“商売繁盛”を届け続ける。

※掲載されている情報は取材時のものであり、閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。（取材時：2019年8月）