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コニカミノルタ

コニカミノルタについて

責任あるサプライチェーン

CSR調達の取り組み

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取り組みの背景

サプライチェーンにおける労働(人権)、安全衛生、環境、倫理の改善に取り組んでいます。

企業は製品だけでなく、製品をお客様にお届けするためのサプライチェーン※1についても労働(人権)、安全衛生、環境、倫理の改善などの社会的責任を持つ必要があります。こうした認識のもと、コニカミノルタは、人権が尊重された持続可能な社会の構築に向けて、生産拠点はもとより、原材料や部品などの資材の供給や生産をお願いするお取引先の皆様とともにこれらの改善に取り組むCSR調達を推進しています。

近年でも「ウイグル強制労働防止法(米国)」や「サプライチェーン・デューデリジェンス法(ドイツ)」など人権保護に関連する法律の制定が相次いでおり、企業における人権への取り組みの一層の強化が求められるようになってきています。このような社会的要請を受け、RBA※2は行動規範やさまざまな仕組みを改訂しています。コニカミノルタはRBAメンバー企業として、RBAのフレームワークを活用し、このような社会的要請に応えていきます。

※1
サプライチェーン:調達、生産、物流、販売を経て、お客様に製品やサービスが提供されるまでの一連の流れ
※2
RBA(Responsible Business Alliance):サプライチェーンにおけるCSR推進団体

CSR調達推進プログラム

CSR活動の要請、CSR診断、CSR監査と改善支援によるCSR調達推進プログラムに取り組んでいます。

コニカミノルタは、サプライチェーンにおける労働(人権)、安全衛生、環境、倫理の課題を解決するために、4つのステップからなるCSR調達推進プログラムを展開しています。
まず、調達方針とサプライチェーン行動規範の遵守をお取引先に要請します。上流のお取引先には、直接調達しているお取引先から要請を依頼します。
次に、取引金額の大きさ(グループ調達金額の上位80%)、重要部品の取り扱い、代替可能性などの生産継続性の観点と、地政学的リスク、人権リスク、環境リスクなどのESGの観点を考慮し特定した、コニカミノルタにとって事業上重要なお取引先には、RBA Self-Assessment Questionnaire(自己診断アンケート:SAQ)等を使い、コニカミノルタサプライチェーン行動規範の実施レベルを確認するCSR診断を行います。診断結果が目標に至らなかった場合は改善に取り組んでいただきます。
さらに事業上特に重要なお取引先、或いは改善を行っても目標達成できなかったお取引先には、CSR監査を実施します。そしてCSR診断やCSR監査で明らかになった課題に対し、コニカミノルタが改善を支援していきます。コニカミノルタは最終的にはお取引先の自主的なCSR活動となるよう、このCSR調達推進プログラムに取り組んでいます。
なお、課題に対して支援などを行っても改善の見込みが立たないお取引先に対しては、取引を中止させていただく可能性もあります。


コニカミノルタのCSR調達推進プログラム

CSR診断結果のランク分け
評価ランク 評価結果 説明
総合ランクA
ローリスク
100%~85% 社会的な要請をほぼ満たしている。
総合ランクB
ミドルリスク
85%~65% 改善が必要な項目が一部あるものの、自主的な改善が可能。
総合ランクC
ハイリスク
65%未満 改善が必要な項目があり、改善計画の提出とあわせて、早急な改善が必要。
支援を行っても改善が見込めない場合はCSR監査受審を要請。

取り組みのフレームワーク

STEP1 CSR活動の要請

お取引先において、コニカミノルタが求めるCSR調達の方針・基準を理解し、推進していただくために、「コニカミノルタ調達方針」、「コニカミノルタサプライチェーン行動規範」および「コニカミノルタ責任ある鉱物調達方針」を策定し、すべてのお取引先に対してこの遵守を要請し、書面での確認を行っています。さらに上流のお取引先にも、直接の調達先を通じて要請をかけていただくことを依頼しています。
実施頻度は新規のお取引先には取引開始時に、既存のお取引先には3年に1度のタイミングで実施しており、2021年度に実施した前回要請では回収率は100%でした。次回は2024年度での実施を予定しております。
また、2024年度では間接材のお取引先にも範囲を広げ、人権リスクが高い業種を特定し、遵守要請を実施していく予定です。

目標と実績

重点施策(KPI) 実績 目標
2020
年度
2021
年度
2022
年度
2023
年度
2023
年度
2024
年度
2025
年度
お取引先へのCSR要請割合※1 100% 中期計画(2023年度~2025年度)期間中に100%のお取引先へCSRを要請(2024年度に100%実施予定)
※1
2020年度~2022年度/2023年度~2025年度の中期計画期間ごとにお取引先への要請を実施

STEP2 自己診断アンケートによるCSR診断

コニカミノルタサプライチェーン行動規範への実施レベルを診断するために、2009年度より、グループ全生産拠点、重要なお取引先に対して、RBAの自己診断アンケート(SAQ:Self-Assessment Questionnaire)を用い自己診断アンケートを使ったCSR診断を行っています。
CSR診断では、労働(人権)、安全衛生、倫理に関する社会面と環境負荷低減に関する環境面を評価しています。コニカミノルタでは、自己診断アンケートの採点結果をA~Cの3段階にランク分けし、グループ生産拠点は総合ランクA、お取引先は総合ランクB以上を目標としています。総合ランクCとなり、改善を支援しても目標ランクを達成できなかったお取引先をハイリスク取引先と位置づけ、STEP3のCSR監査を実施します。

2023年度は、コニカミノルタグループ内の生産拠点9拠点、および重要なお取引先として特定した103社(一次取引先84社、二次取引先19社)のうちの30社でCSR診断を実施し、生産拠点はすべて総合ランクA、お取引先はすべて総合ランクB以上となり、ハイリスクなお取引先は0でした。この診断結果は目標を満たしていますが、労働、環境、倫理分野において得点率が低い傾向が見られました。具体的には労働と倫理の分野ではマネジメントシステムの構築、環境の分野では資源使用量や廃棄物、GHGの削減プログラムに関する項目等が低下要因でした。評価が低下しているお取引先には自主的な改善をお願いしています。

2023年度 お取引先のCSR診断結果(総合、分野別ランク比率)

2023年度 お取引先のCSR診断結果(総合、分野別ランク比率)

目標と実績

重点施策(KPI) 実績 目標
2020
年度
2021
年度
2022
年度
2023
年度
2023
年度
2024
年度
2025
年度
CSR診断数 グループ生産拠点4拠点
お取引先40社
グループ生産拠点13拠点
お取引先30社
グループ生産拠点4拠点
お取引先28社
グループ生産拠点9拠点
重要なお取引先30社
中期計画(2023年度~2025年度)期間中にグループ生産拠点および重要なお取引先へのCSR診断の実施
CSR診断実施率(累積)※1 31% 30% 60% 100%
重要なお取引先社数※2 103
※1
中期計画(2023年度~2025年度)の累積。実施数/実施計画の拠点数(グループ生産拠点+重要なお取引先社数)で計算
※2
重要なお取引先社数:毎年見直しを実施

また、コニカミノルタでは事業運営上不可欠な重要なパートナーである間接材サプライヤーについてもRBAの要求を理解していただく活動に取り組んでいます。2023年度では重要な間接材サプライヤーとして、主要な製造拠点における構内常駐業者や人材派遣会社などを特定し、自己診断アンケートを実施しました。リスク評価の結果、回収率100%、ハイリスクと評価された間接材サプライヤーはいませんでした。

間接材サプライヤーの種類 リスク評価社数 結果
構内常駐業者 食堂 3 すべてローリスク
警備 2 すべてローリスク
保全 1 すべてローリスク
清掃 2 すべてローリスク
その他(物流、廃棄物処理等) 4 すべてローリスク
人材派遣・請負 8 すべてローリスク
物流倉庫業者 3 すべてローリスク
その他 5 すべてローリスク

STEP3 CSR監査

STEP2でハイリスクとなったお取引先に対してはCSR監査を実施します。CSR監査は、コニカミノルタ社員が実施する「コニカミノルタCSR監査※1」と、RBAに認定された第三者監査機関が実施する「VAP監査※2」を展開しています。

※1
コニカミノルタCSR監査:RBAの監査基準を使い、コニカミノルタ社員が監査員となり監査を行うもの
※2
VAP(Validated Audit Program)監査:RBAによって認定された第三者監査機関が、RBA行動規範への適合状況を監査基準に基づいて確認し、改善点を抽出して是正を促すもの。CSRの第三者監査としては世界で最も信頼されているものの一つ

上述の通り2023年度ではハイリスクと判定されたお取引先はいなかったため、実施件数はゼロでした。よって、取引の中止にいたったお取引先もありませんでした。

目標と実績

重点施策(KPI) 実績 目標
2020
年度
2021
年度
2022
年度
2023
年度
2023
年度
2024
年度
2025
年度
CSR第三者監査(RBA-VAP)実施数 お取引先1社 グループ生産拠点2拠点
お取引先1社
グループ生産拠点3拠点
お取引先4社
グループ生産拠点3拠点
お取引先2社
グループ生産拠点3拠点
お取引先2社
CSR第三者監査実施率 100% 100% グループ生産拠点3拠点
お取引先4社
グループ生産拠点3拠点
お取引先3社

STEP4 サプライヤー支援

コニカミノルタでは、社内関係者およびお取引先のキャパシティビルディングのため、教育、CSR診断やCSR監査の結果に基づく是正支援を行っています。
教育では、お客様をはじめ社会が求める人権尊重、CSR調達に関する社会的要請、法規制動向やRBA行動規範の説明、またビジネスとの関係について理解いただくことで、参加者がCSR調達の活動を自分事化し、積極的に取り組んでいただける内容としています。2023年度も自社生産会社の人事部門、調達部門、環境部門などの社内関係者に加えて、複合機本体の生産委託先工場への教育を継続実施しています。
是正支援では、CSR診断時にアンケート内容を正しく捉えていない取引先へRBAの目的や評価内容の説明に加え、必要書類や取り組みに関するアドバイスを実施しています。
CSR監査を実施した中国の東莞Konka Mould Plastic 有限会社に対し、内部監査員向けの教育を実施するなど、自主的に内部監査を実施し、継続的な改善に取り組める体制づくりを支援しました。また、VAP監査を受審した複合機本体の生産委託先工場に対し、自社での改善事例を共有し是正を支援しています。


中国のコニカミノルタビジネステクノロジーズ(東莞)社での
社内教育の様子

調達コラボレーションシステム

お客様満足の向上を目指して、調達コラボレーションを推進しています。

情報機器事業では、コニカミノルタ調達方針に基づき、お客様満足の向上を目指して、お取引先とコニカミノルタが相互に協働して改善を進めていく「調達コラボレーションシステム」を推進しています。これは、品質、納期、生産性、環境、経営管理側面の総合的な改善に向けて、お取引先との対話や訪問を通じて課題を共有し、その解決のために必要な提案や具体的な支援を行う取り組みです。コニカミノルタ自身も、お取引先からのご指摘を受けて、取引上の問題点を改善しています。

含有化学物質管理の強化に向けた「環境コラボレーション」

環境面における「調達コラボレーションシステム」として、コニカミノルタ調達方針に基づき、お取引先とともに環境リスク低減を図る「環境コラボレーション」を実施しています。この取り組みは、サプライチェーンにおける含有化学物質管理を強化するために、お取引先の現場診断や教育支援を通して強力なパートナーシップを構築するものです。

2023年度は国内外66社のお取引先の製造事業所に直接出向いて現場診断を行い、お取引先とともに含有化学物質管理体制の強化に取り組みました。さらに、お取引先の製造事業所における労働、安全衛生、環境、倫理の活動を確認しています。

また、お取引先の自主的な含有化学物質管理を支援する活動として、法規制や現場管理を中心とした教育体制を構築し、お取引先の内部診断員を養成しています。2018年度からはCSR調達に関する世間動向やコニカミノルタの取り組みを教育に追加しています。2023年度は139件の内部診断を行いました。

「お取引先説明会」の実施

「調達コラボレーションシステム」の一環として、毎年「お取引先説明会」を開催しています。以前は対面式で実施していましたが、2019年度以降はCOVID-19の影響のためオンライン形式に切り替え、主に日本、中国、ASEANのお取引先を対象に開催しています。2023年度の参加社数は284社(484名)と多くのお取引先にご参加いただき、「コニカミノルタ調達方針」の説明や、CSR調達への協力要請、調達実績および次年度の調達計画の報告を行い、目標や課題の共有化を図りました。

また、「お取引先説明会」の場を活用して、お取引先の表彰を実施しています。品質、納期、生産性、環境の側面について、優れた実績があったお取引先を表彰することで、お取引先の皆様にさらなる改善の取り組みを進めていただくようお願いしています。


中国での「お取引先説明会」

CSR監査(社会/顧客要請)

CSR調達推進プログラム上ではCSR監査の必要があるお取引先はありませんでしたが、情報機器事業の自社生産拠点や一部のお取引先については、社会的要請やお客様の要請に基づきCSR監査を実施しています。
2023年度では自社生産拠点3拠点、お取引先2拠点にてRBA VAP監査を受審しました。

2023年度でのCSR監査受審拠点

  • コニカミノルタビジネステクノロジーズ(無錫)社
  • コニカミノルタビジネステクノロジーズ(東莞)社
  • コニカミノルタビジネステクノロジーズ(マレーシア)社
  • 複合機/印刷用機器本体の生産委託先2社

特にコニカミノルタビジネステクノロジーズ(東莞)社とコニカミノルタビジネステクノロジーズ(マレーシア)社では、労働時間や社会保険等の項目で課題が見出されましたが、すべての是正を完了し、最高レベルのPlatinum認証を取得しました。その他の拠点についても指摘事項への是正を進め、Silver認証取得または優先的(Priority)不適合がないことの確認を実施しました。


コニカミノルタビジネステクノロジーズ(マレーシア)社でのRBA VAP監査の様子


コニカミノルタビジネステクノロジーズ(無錫)社でのRBA VAP監査の様子


コニカミノルタビジネステクノロジーズ(東莞)社でのRBA VAP監査の様子

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