コニカミノルタ

コニカミノルタについて

責任あるサプライチェーン

CSR調達の取り組み

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外部団体との連携

国連グローバル・コンパクト

コニカミノルタは、国際連合が提唱する人権、労働、環境、腐敗防止に関する10原則からなる「国連グローバル・コンパクト」に賛同し、2009年に署名しました。

「国連グローバル・コンパクト」とは、1999年に国連のコフィー・アナン事務総長(当時)が提唱し、2000年に国連本部にて正式に創設された、企業による自主行動原則です。世界規模で進展している温暖化、環境問題、格差社会などさまざまな問題を解決するために、各企業が責任ある創造的なリーダーシップを発揮することによって、社会の良き一員として行動し、地球規模で持続可能な成長を実現するための取り組みです。

コニカミノルタはグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンのサプライチェーン分科会など各種分科会に参加し、CSR調達の取り組みに活かしています。

グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンロゴ

Responsible Business Alliance:RBA(CSRアライアンス)

コニカミノルタは、サプライチェーンにおけるCSR調達の取り組みを強化するために、2013年10月にRBAに加盟しました。現在はメンバーとして活動しています。

RBAは、世界の電子機器メーカーや大手サプライヤーなど、加盟約200社が、サプライチェーン上の労働者の権利(人権および労働条件)や、倫理・安全衛生などの改善を進めています。

RBAロゴ

RBA行動規範(RBA資料より)

労働

  1. 強制労働の禁止
  2. 若年労働者
  3. 労働時間
  4. 賃金および福利厚生
  5. 差別の排除/ハラスメントの禁止/人道的待遇
  6. 差別/ハラスメントの排除
  7. 結社の自由および団体交渉

環境

  1. 環境許可と報告
  2. 汚染防止と省資源
  3. 有害物質
  4. 固形廃棄物
  5. 大気への排出
  6. 資材の制限
  7. 水の管理
  8. エネルギー消費および温室効果ガスの排出

管理体制

  1. 企業のコミットメント
  2. 経営者の説明責任と責任
  3. 法的要件および顧客の要件
  4. リスク評価とリスク管理
  5. 改善目標
  6. トレーニング
  1. コミュニケーション
  2. 労働者/ステークホルダーの関与と救済へのアクセス
  3. 監査および評価
  4. 是正措置プロセス
  5. 文書化と記録
  6. サプライヤーの責任

安全衛生

  1. 労働安全衛生
  2. 緊急時への備え
  3. 労働災害および疾病
  4. 産業衛生
  5. 身体に負荷のかかる作業
  6. 機械の安全対策
  7. 衛生設備、食事、および住居
  8. 安全衛生に関する連絡

倫理

  1. ビジネスインテグリティ
  2. 不適切な利益の排除
  3. 情報の開示
  4. 知的財産
  5. 公正なビジネス、広告、および競争
  6. 身元の保護と報復の禁止
  7. 責任ある鉱物調達
  8. プライバシー

コニカミノルタのCSR調達の取り組み

サプライチェーンにおける労働(人権)、安全衛生、環境、倫理の改善に取り組んでいます。

企業は製品だけでなく、製品をお客様にお届けするためのサプライチェーン※1についても労働(人権)、安全衛生、環境、倫理の改善などの社会的責任を持つ必要があります。こうした認識のもと、コニカミノルタは、人権が尊重された持続可能な社会の構築に向けて、生産拠点はもとより、原材料や部品などの資材の供給や生産をお願いするお取引先の皆様とともにこれらの改善に取り組むCSR調達を推進しています。

近年でも「ウイグル強制労働防止法(米国)」や「サプライチェーン・デューデリジェンス法(ドイツ)」など人権保護に関連する法律の制定が相次いでおり、企業における人権への取り組みの一層の強化が求められるようになってきています。このような社会的要請を受け、RBA※2は行動規範やさまざまな仕組みを改訂しています。コニカミノルタはRBAメンバー企業として、RBAのフレームワークを活用し、このような社会的要請に応えていきます。

※1
サプライチェーン:調達、生産、物流、販売を経て、お客様に製品やサービスが提供されるまでの一連の流れ
※2
RBA(Responsible Business Alliance):サプライチェーンにおけるCSR推進団体

コニカミノルタのCSR調達推進プログラム

CSR活動の要請、CSR診断、CSR監査と改善支援によるCSR調達推進プログラムに取り組んでいます。

コニカミノルタは、サプライチェーンにおける労働(人権)、安全衛生、環境、倫理の課題を解決するために、4つのステップからなるCSR調達推進プログラムを展開しています。
まず、調達方針とサプライチェーン行動規範の遵守をお取引先に要請します。上流のお取引先には、直接調達しているお取引先から要請を依頼します。
次に、取引金額の大きさ(グループ調達金額の上位80%)、重要部品の取り扱い、代替可能性などの生産継続性の観点と、地政学的リスク、人権リスク、環境リスクなどのESGの観点を考慮し特定した、コニカミノルタにとって事業上重要なお取引先には、RBA Self-Assessment Questionnaire(自己診断アンケート:SAQ)等を使い、コニカミノルタサプライチェーン行動規範の実施レベルを確認するCSR診断を行います。診断結果が目標に至らなかった場合は改善に取り組んでいただきます。
さらに事業上特に重要なお取引先、或いは改善を行っても目標達成できなかったお取引先には、CSR監査を実施します。そしてCSR診断やCSR監査で明らかになった課題に対し、コニカミノルタが改善を支援していきます。コニカミノルタは最終的にはお取引先の自主的なCSR活動となるよう、このCSR調達推進プログラムに取り組んでいます。
なお、課題に対して支援などを行っても改善の見込みが立たないお取引先に対しては、取引を中止させていただく可能性もあります。

コニカミノルタは、RBA行動規範をコニカミノルタのサプライチェーン行動規範とし、日本語、英語、中国語版を提供しています。それ以外の言語については、RBA行動規範をご参照ください。


コニカミノルタのCSR調達推進プログラム

CSR診断結果のランク分け
評価ランク 評価結果 説明
総合ランクA
ローリスク
100%~85% 社会的な要請をほぼ満たしている。
総合ランクB
ミドルリスク
85%~65% 改善が必要な項目が一部あるものの、自主的な改善が可能。
総合ランクC
ハイリスク
65%未満 改善が必要な項目があり、改善計画の提出とあわせて、早急な改善が必要。
支援を行っても改善が見込めない場合はCSR監査受審を要請。

目標と実績

重点施策(KPI) 実績 目標
2020
年度
2021
年度
2022
年度
2023
年度
2023
年度
2024
年度
2025
年度
お取引先へのCSR要請割合※1 100% 中期計画(2023年度~2025年度)期間中に100%のお取引先へCSRを要請(2024年度に100%実施予定)
CSR診断数 グループ生産拠点4拠点
お取引先40社
グループ生産拠点13拠点
お取引先30社
グループ生産拠点4拠点
お取引先28社
グループ生産拠点9拠点
重要なお取引先30社
中期計画(2023年度~2025年度)期間中にグループ生産拠点および重要なお取引先へのCSR診断の実施
CSR診断実施率(累積)※2 31% 30% 60% 100%
重要なお取引先社数※3 103
CSR第三者監査(RBA-VAP)実施数 お取引先1社 グループ生産拠点2拠点
お取引先1社
グループ生産拠点3拠点
お取引先4社
グループ生産拠点3拠点
お取引先2社
グループ生産拠点3拠点
お取引先2社
グループ生産拠点3拠点
お取引先4社
グループ生産拠点3拠点
お取引先3社
CSR第三者監査実施率 100% 100% 100% 100%
RBA認証(SILVER以上)を保持している最終製品製造拠点※4 0 0 7 8 8 8 8
※1
2020年度~2022年度/2023年度~2025年度の中期計画期間ごとにお取引先への要請を実施
※2
中期計画(2023年度~2025年度)の累積。実施数/実施計画の拠点数(グループ生産拠点+重要なお取引先社数)で計算
※3
重要なお取引先社数:毎年見直しを実施
※4
RBA認証の新規取得または認証継続のための第三者監査を行い、SILVER以上のRBA認証を保持している製品製造拠点の合計数

STEP1 CSR活動の要請

お取引先において、コニカミノルタが求めるCSR調達の方針・基準を理解し、推進していただくために、「コニカミノルタ調達方針」、「コニカミノルタサプライチェーン行動規範」および「コニカミノルタ責任ある鉱物調達方針」を策定し、すべてのお取引先に対してこの遵守を要請し、書面での確認を行っています。さらに上流のお取引先にも、直接の調達先を通じて要請をかけていただくことを依頼しています。
実施頻度は新規のお取引先には取引開始時に、既存のお取引先には3年に1度のタイミングで実施しており、2021年度に実施した前回要請では回収率は100%でした。次回は2024年度での実施を予定しております。
また、2024年度では間接材のお取引先にも範囲を広げ、人権リスクが高い業種を特定し、遵守要請を実施していく予定です。

STEP2 自己診断アンケートによるCSR診断

コニカミノルタサプライチェーン行動規範への実施レベルを診断するために、2009年度より、グループ全生産拠点、重要なお取引先に対して、RBAの自己診断アンケート(SAQ:Self-Assessment Questionnaire)を用い自己診断アンケートを使ったCSR診断を行っています。
CSR診断では、労働(人権)、安全衛生、倫理に関する社会面と環境負荷低減に関する環境面を評価しています。コニカミノルタでは、自己診断アンケートの採点結果をA~Cの3段階にランク分けし、グループ生産拠点は総合ランクA、お取引先は総合ランクB以上を目標としています。総合ランクCとなり、改善を支援しても目標ランクを達成できなかったお取引先をハイリスク取引先と位置づけ、STEP3のCSR監査を実施します。

2023年度は、コニカミノルタグループ内の生産拠点9拠点、および重要なお取引先として特定した103社(一次取引先84社、二次取引先19社)のうちの30社でCSR診断を実施し、生産拠点はすべて総合ランクA、お取引先はすべて総合ランクB以上となり、ハイリスクなお取引先は0でした。この診断結果は目標を満たしていますが、労働、環境、倫理分野において得点率が低い傾向が見られました。具体的には労働と倫理の分野ではマネジメントシステムの構築、環境の分野では資源使用量や廃棄物、GHGの削減プログラムに関する項目等が低下要因でした。評価が低下しているお取引先には自主的な改善をお願いしています。

2023年度 お取引先のCSR診断結果(総合、分野別ランク比率)

2023年度 お取引先のCSR診断結果(総合、分野別ランク比率)

また、コニカミノルタでは事業運営上不可欠な重要なパートナーである間接材サプライヤーについてもRBAの要求を理解していただく活動に取り組んでいます。2023年度では重要な間接材サプライヤーとして、主要な製造拠点における構内常駐業者や人材派遣会社などを特定し、自己診断アンケートを実施しました。リスク評価の結果、回収率100%、ハイリスクと評価された間接材サプライヤーはいませんでした。

間接材サプライヤーの種類 リスク評価社数 結果
構内常駐業者 食堂 3 すべてローリスク
警備 2 すべてローリスク
保全 1 すべてローリスク
清掃 2 すべてローリスク
その他(物流、廃棄物処理等) 4 すべてローリスク
人材派遣・請負 8 すべてローリスク
物流倉庫業者 3 すべてローリスク
その他 5 すべてローリスク

STEP3 CSR監査

STEP2でハイリスクとなったお取引先に対してはCSR監査を実施します。CSR監査は、コニカミノルタ社員が実施する「コニカミノルタCSR監査※1」と、RBAに認定された第三者監査機関が実施する「VAP監査※2」を展開しています。

※1
コニカミノルタCSR監査:RBAの監査基準を使い、コニカミノルタ社員が監査員となり監査を行うもの
※2
VAP(Validated Audit Program)監査:RBAによって認定された第三者監査機関が、RBA行動規範への適合状況を監査基準に基づいて確認し、改善点を抽出して是正を促すもの。CSRの第三者監査としては世界で最も信頼されているものの一つ

上述の通り2023年度ではハイリスクと判定されたお取引先はいなかったため、実施件数はゼロでした。よって、取引の中止にいたったお取引先もありませんでした。

STEP4 改善の支援(キャパシティビルディング)

コニカミノルタでは、社内関係者およびお取引先のキャパシティビルディングのため、教育、CSR診断やCSR監査の結果に基づく是正支援を行っています。
教育では、お客様をはじめ社会が求める人権尊重、CSR調達に関する社会的要請、法規制動向やRBA行動規範の説明、またビジネスとの関係について理解いただく事で、参加者がCSR調達の活動を自分事化し、積極的に取り組んでいただける内容としています。2023年度も自社生産会社の人事部門、調達部門、環境部門などの社内関係者に加えて、複合機本体の生産委託先工場への教育を継続実施しています。
是正支援では、CSR診断時にアンケート内容を正しく捉えていない取引先へRBAの目的や評価内容の説明に加え、必要書類や取り組みに関するアドバイスを実施しています。
CSR監査を実施した中国の東莞Konka Mould Plastic 有限会社に対し、内部監査員向けの教育を実施するなど、自主的に内部監査を実施し、継続的な改善に取り組める体制づくりを支援しました。また、VAP監査を受審した複合機本体の生産委託先工場に対し、自社での改善事例を共有し是正を支援しています。


中国のコニカミノルタビジネステクノロジーズ(東莞)社での社内教育の様子

CSR監査(社会/顧客要請)

CSR調達推進プログラム上ではCSR監査の必要があるお取引先はありませんでしたが、情報機器事業の自社生産拠点や一部のお取引先については、社会的要請やお客様の要請に基づきCSR監査を実施しています。
2023年度では自社生産拠点3拠点、お取引先2拠点にてRBA VAP監査を受審しました。

2023年度でのCSR監査受審拠点

  • コニカミノルタビジネステクノロジーズ(無錫)社
  • コニカミノルタビジネステクノロジーズ(東莞)社
  • コニカミノルタビジネステクノロジーズ(マレーシア)社
  • 複合機/印刷用機器本体の生産委託先2社

特にコニカミノルタビジネステクノロジーズ(東莞)社とコニカミノルタビジネステクノロジーズ(マレーシア)社では、労働時間や社会保険等の項目で課題が見出されましたが、すべての是正を完了し、最高レベルのPlatinum認証を取得しました。その他の拠点についても指摘事項への是正を進め、Silver認証取得または優先的(Priority)不適合がないことの確認を実施しました。


コニカミノルタビジネステクノロジーズ(マレーシア)社でのRBA VAP監査の様子


コニカミノルタビジネステクノロジーズ(無錫)社でのRBA VAP監査の様子


コニカミノルタビジネステクノロジーズ(東莞)社でのRBA VAP監査の様子

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