SONIMAGE HS1シリーズ 開発話

すべては、使う人のために

いままでになかった超音波画像診断装置の開発に挑戦する

私たちは、使い勝手の良いコンパクトなサイズにこだわりながら、最高レベルの画質を実現するため、カメラ・フィルムメーカとして培った材料技術や高度な加工技術、X線画像診断分野で培った画像処理技術を応用し、真にお客様が必要とする装置をめざしました。
多くの方のご意見に耳を傾け、私たちがこれまで取組んできた技術開発の集大成がこのSONIMAGE HS1です。

画質への挑戦

プレミアムクラスに迫る高画質プローブ

超音波診断装置は低侵襲なモダリティで受診者の負担が少なく、リアルタイムに画像を確認できるため、幅広い診断領域への応用が期待されています。
超音波には、分解能とペネトレーションのトレードオフがあるため、広帯域と高感度を両立し実現することが、コニカミノルタにとっての最大の課題でした。
SONIMAGE HS1はこの難関に挑戦し、材料技術と微細加工技術を高度にすり合わせ、高周波では他社に例を見ない広帯域特性を有するプローブの開発に取り組みました。
このプローブ開発によって、直径数百μm程度の筋束や神経束の繊維構造まで鮮明に描出する高画質な画像の提供が可能になりました。

技術の限界への挑戦

携帯性と性能の両立を図るコンポーネント設計

超音波画像診断装置の使用領域が広がるにつれ、よりコンパクトでハンドリングしやすい装置に注目が集まるようになってきました。
SONIMAGE HS1はハンドキャリータイプでありながら、ハイエンド機に匹敵する性能を備えており、ハードウェア設計にも独自の工夫を行っております。
筐体はマグネシウム合金で構成し、医療機器として必要とされる電磁シールド性を重視しながら、内部部品を保護する強度を保っています。

快適な使用感への挑戦

医療現場での快適性を追究したデザイン

超音波診断装置は多岐にわたる医療の現場で実際にどう使われているのか、それを掘り下げることがSONIMAGE HS1の全体デザインを考える上での重要なファクターになりました。
近年、整形外科領域で多く存在する軟部組織損傷の診断において、スループットの低いMRIよりも手軽に使える超音波診断装置の役割が期待されています。
SONIMAGE HS1は操作する人の使い勝手を最優先に、既成の概念にとらわれることなく、コンパクトなサイズの中に極めて高い性能を凝縮しています。

見えないものを視るために

超広帯域プローブの帯域を最大限活用した送受信技術を開発することにより、従来利用することが難しかった高次高調波を用いた超広帯域ハーモニックイメージングが可能となりました。複数の周波数成分を合成送信する方法(Tri ad- THI )により、プレミアムクラスに迫る分解能を超広帯域化で達成するだけでなく、高調波の多重生成機構(Tandem Harmonic Generation) の実現に成功しました。これにより従来THIの課題であった表層・浅部を含めた関心領域全域の高画質化を実現しています。

見えるものをよりよく見るために

画像を解析し、構造物に応じた平滑化・境界強調・コントラスト補正をリアルタイムに実行する適応型画像処理機能を搭載しました。
人の視覚特性を考慮した強調・抑制効果により、生体組織は微細構造まで明瞭に表現される一方で、ノイズ・スペックルは抑制されクリアな画像描出を実現、組織構造の視認性を大幅に向上した診断価値の高い画像を提供します。

写真開発の技術を活かした高感度化と広帯域化

写真用銀塩フィルム開発で培ったノウハウを生かし、材料設計および合成技術を応用してプローブの根幹となる音響センサー材料の開発を行い、目標とする音響特性を実現しました。

また、プローブ先端部にある音響整合層は、一般的に1~2層で構成されますが、HS1では高度なシミュレーション技術で導き出した理想的な多層整合層構造を、独自開発した材料技術で実現しました。
これにより、高感度化と広帯域化の両立を図り、比帯域幅(帯域幅/中心周波数)100%以上を達成しました。

妥協を許さない匠の技

音響整合層の材料層間にあるのは、厚さ1μmにも満たない接着層です。接着層はその厚みのばらつきによって、音響特性に大きく影響を与えるため、いかに均一に且つ薄い層を形成するかが重要になります。目標の音響特性が得られるまで、接着剤の選定から粘度や硬度、接着時間、塗布工法に至るまで、何度もシミュレーションを繰り返し、ノウハウを構築してきました。
材料を独自開発したからこそ、その物質の特性を十分に理解した、最適な工法の確立を実現することができました。プローブは、卓越した技能を有するモノづくり集団により1点1点細心の注意を払いながら組立てられます。
製品を1本完成させるプロセスには様々な暗黙知による「モノづくり」の技が随所に活かされ、プローブの性能を高めています。

医療現場での使いやすさを求めて

HS1では「医療現場で役に立つ機能」を意識し、操作手順をより少なく、簡単な操作で正確な診断を実現するためのアプリケーションにこだわりました。
超音波画像診断はX線診断とは異なり、リアルタイムに診断できるのが特長です。近年、注目されている超音波ガイド下の穿刺では、針の刺入を画像で確認しながら、穿刺を行います。今回、HS1では神経ブロック注射や中心静脈へのカテーテル挿入等での針視認性を向上させるために、針の動きを強調する機能を搭載しました。これにより、In-plane法の高角度な穿刺やOut-plane法における穿刺施術の正確性・安全性の向上に貢献します。

ハンドキャリー型を実現するために

ハンドキャリー型を実現するため、数千点におよぶ部品の集約、基板最適化、高密度実装を行いました。
同時に消費電力の削減や放熱の仕組み、高速通信のための部品配置など、様々な角度から精密な設計がなされました。

41dB以下、図書館並みの静音性

限られたスペースの中でも、効果的なファンの配置と形状によって静音性を確保しています。またファンを回転させる静音モータにもこだわっております。

タッチパネルとボタンの併用

使いやすさを優先し、操作手順の簡略化をめざしました。一般的な超音波診断装置では数十個ある操作キーを8個に絞り、使用頻度の高い「フリーズキー」と「ゲイン調整キー」を一番使いやすい位置へ配置。さらに画面上のタッチパネルを利用することでより直観的な使いやすさを実現しました。操作キーの機能割付けやタッチパネルのカスタマイズも可能です。

軽量化へのこだわり

小型且つ高容量のリチウムイオン電池を採用して1時間の連続使用を可能としています。また、大型のマグネシウム合金を採用し、外装やシャーシ、シールドの機能を一体化することで部品点数削減を行い小型、軽量化を実現しました。あらゆる耐久テストを行い、安全性にも配慮しています。

30,000回以上のテストで耐久性を確認した二軸ヒンジ

モニターの旋回・チルト機能を支えるヒンジに、30,000回以上におよぶ旋回試験を行い、万全の耐久性を実証しました。

変幻自在なデザイン

バッテリーを内蔵し、持ち運びに便利なポータブル型でありながら、専用のポールカートを使えば据え置き型として使用できます。さらにモニターは旋回・チルト機能を備えており、手術室や救急車でタブレットPCのように壁掛け式で使えるなど用途によってフレキシブルに対応できる設計です。

スタンバイからの復帰を15秒以内に

医療現場においては、必要なタイミングで瞬時に機器が起動する必要があります。HS1では、高速データアクセス、高速通信、プログラマブルデバイスのパラレル起動によって、立ち上げ時は1分以内、スタンバイからは15秒以内での起動が可能になっています。

操作感を重視したこだわりのモニター部

モニター部を手前に配置することにより、画像をできるだけ大きく見る事ができるように、またタッチパネル操作が行いやすいよう設計いたしました。更に、光の乱反射による画像の白浮きを防止するため、モニター部への工夫も行っております。

高画質でコンパクトなエコー

筋や腱などの細かい繊維が見える

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