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2023.07.27
従業員のテレワーク環境を支えたITインフラ整備を担当者と語る
INDEX
多くの従業員が円滑にテレワークできる環境を実現するには、オフィス内のインフラ整備が欠かせませんが、特にセキュリティー対策や離れた従業員同士のコミュニケーション環境などのIT整備に課題を感じる企業は少なくありません。これらの課題は企業規模の大きさに比例して、その深刻度も対応負荷も大きくなっていきます。
テレワークを実現に向けたITインフラの整備で発生しやすい課題は?対策や推進の方法などをコニカミノルタグループでの事例をもとに担当者とお話ししました。
登場人物
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菊池 竜也さん
・コニカミノルタ株式会社 経営企画本部IT企画部 部長
・従業員の働き方の更なる進化を牽引している
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今野 史子さん
・コニカミノルタ株式会社 経営企画本部IT企画部 デリバリ・オペレーショングループ グループリーダー
・安定した社内共通基盤の提供や、セキュリティー対応を行う
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桑原 諒さん
・コニカミノルタ情報システム株式会社 システム開発・サービス本部 基盤技術部 所属
・リモートワークに関連するネットワークインフラの管理と運用を担当している
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鈴木 智雄さん
・コニカミノルタジャパン株式会社 DXソリューション事業部 ITS事業推進統括部 ITサービス管理部 所属
・日常的にテレワーク環境を活用している。本コラムの企画立案者。
コニカミノルタグループのITインフラ整備における3社の関係性
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今回はコニカミノルタ株式会社(以下 本社)とコニカミノルタ情報システム株式会社(以下 情報システム社)、コニカミノルタジャパン株式会社(以下 ジャパン)の3社での座談会となります。今のコニカミノルタグループのテレワーク環境がとても働きやすいと感じ、この環境を整備された方々にその背景などをお聞きしていきます。よろしくお願いいたします。
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よろしくお願いいたします。
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菊池さんと私が所属している本社のIT企画部では、コニカミノルタグループのITインフラ共通基盤を提供しています。
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情報システム社は、コニカミノルタグループのIT関連の設計・構築・運用を司る会社です。企画・方針・全体戦略について本社とタッグを組んで、日本全国のコニカミノルタグループ会社20社のITインフラ全体を整備しています。
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ここにはもちろんジャパンも含まれていて、新しい働き方の自社実践をする上では、「本社のIT環境整備のビジョン」と、「情報システム社の構築・運用ナレッジ&スキル」、「ジャパンが描く働き方のビジョン」の三位一体が必要不可欠だったと考えています。
コニカミノルタグループの働き方改革を支えたITインフラ整備の黎明期
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もう当時のことを知る人は少なくなってきたと思いますが、2003年にコニカとミノルタの統合後しばらくは、ITインフラ整備といえば社内インフラが対象でした。全社IT担当者以外にも部門ごとにIT担当者が存在し、それぞれが部門ごとにサーバーを設置し、管理していました。
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その過程で、部門別のNTドメイン中心から、全社共有のファイルサーバーの利用などを通じてAD(Active Directory)中心に移行したような大きな動きはありましたが、それも一般的な企業のITトレンドだったと思います。大きく変わったのは2012年のことですね。
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そうです。コニカミノルタ株式会社の本社がオフィスを移転し、それと同時に多くのインフラが変わりました。およそ300名が一つのフロア内のどこに座っても良いという部門横断のフリーアドレスで、これをやるにはペーパーレス化と同時にITインフラの大きな切り替えが必要でした。
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例えば、デスク固定のIP電話を廃止し携帯電話を一人1台持つようになり、どこでも通話できる環境が整いました。また通話以外でもコミュニケーションを取れるように、Microsoft Lync(のちにSkype for Businessに改称)が導入されました。
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離れた場所で業務をしているメンバーでも、Microsoft Lyncでチャットをするとすぐ返信がきました。今では当たり前かも知れませんが、当時はメールに比べて圧倒的に早いコミュニケーションに感動したことを思い出しますね。
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ほかにも、パソコンはウルトラブック(薄型のノートタイプ)が推奨され、全社共通のセキュアな無線LANに接続して業務をするようになりました。個人を認証するこの無線LANは、SSID非表示かつ期限付きの証明書を採用することでセキュリティーを高めていましたね。
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そして、各拠点に無線LANが普及したことで、出張の際にノートパソコンだけ持って行けば業務ができるようになりました。以前は各拠点にあるIPアドレス貸出帳を確認して有線LANで接続していたので、その工数が減りネットワークへの接続が簡単になりました。
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実感いただいたように、デバイスだけでなくソフトウェアやネットワーク通信などをトータルでの最適化を通じて、固定席での働き方からフリーアドレスの働き方へ移行していくことを目指し、改善を重ねていきました。
いいじかん設計 編集部
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