• 2022.05.12

    ワークフローの課題を改善する!システム導入のメリットとポイントを解説

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    ワークフローの課題を改善する!システム導入のメリットとポイントを解説
    ワークフローは、各種申請や稟議に関する一連の手続きとその流れを指します。日々の業務においては、上層部からの承認を必要とする場面が多々あります。これまで一般的とされてきた書類の回覧と承認者の押印によるワークフローについて、業務効率化や働き方の多様化への対応に向けた見直しが求められています。
    ここではワークフローシステム導入による、申請や稟議手続きなどの効率化に関する情報をまとめて紹介します。

INDEX

ワークフローシステムとは

はじめにワークフローシステムの基本情報と、紙の書類とハンコを用いる既存のワークフローの問題点について解説します。

ワークフローの概要

ワークフローとは「業務や工程の流れ」全般を指します。企業・組織内において、業務上必要とされる文書や情報の受け渡しと、その流れを示す言葉として用いられます。
例えば各種申請や稟議申請、経費の承認を得るためのプロセスを想像すると分かりやすいかもしれません。
申請者が作成した書類を複数の承認者で回覧し、各人から承認印をもらうといった一連の手続きの流れがワークフローです。

国際ワークフロー標準化団体(WfMC)は「ワークフロー」の定義を“ビジネスプロセス全体あるいはその一部の自動化であり、これによってドキュメント・情報・タスクが、手続き規則に従って、担当者から担当者へ引き継がれる”ことだとしています。
多くの企業が導入を考えるワークフローシステムとは、紙の書類ではなく電子化された書類をオンライン上で回覧・承認できる仕組みです。
物理的な書類の移動を伴わず、データとしてやりとりが可能となります。申請・承認手続きの流れをシステムにより自動化し、設定されたルートに従って承認の処理を行うことができるのです。

では、具体的に既存のワークフローにおける課題を確認しておきましょう。

既存のワークフローにおける課題

ワークフローシステムが注目される背景となっているのが、紙の書類とハンコを用いる既存のワークフローには、以下のような課題があるためです。

■紙の書類とハンコによるアナログな承認フロー
既存のワークフローでは、承認内容ごとに決められた書式の書類を作成し、各承認者から承認印をもらう必要があります。紙の書類を複数の承認者間で回覧するので、やりとりに時間と手間がかかります。

■多様なワークスタイルに対応できない
紙に押印という物理的な処理を必要とするため、申請者も承認者も出社していることが前提となります。
テレワークやリモートワークが浸透するなか、既存のワークフローでは多様な働き方に対応できません。

■申請状況の把握が難しい
紙の書類の場合、申請処理の進捗状況を把握するのが難しく、どこまで進んでいるのか、誰が書類を持っているのか不明瞭です。承認を待っている間に、ビジネスの好機を逃す可能性もあります。

■事後の管理が必要
承認完了後の書類はファイリングをし、管理簿に記入したあと、整理して保管する必要があります。書類の管理作業に人手がかかる上、保管スペースも確保しなければなりません。

■不正処理への懸念
不正な書類作成や内容の改ざん、承認者飛ばしや代理で秘密裏に押印するなど、不正処理が行われてしまう可能性があります。

■効率性に乏しい
内容が近しい申請書を作成する際、紙の場合は1件ずつ書き起こす必要がありますが、電子化されていれば類似部分をコピーして作成することができます。
また過去の申請書を参考にして新しく作成する際も、紙の場合は保管ファイルから紙で保存されている参考にする申請書を探して、新たに記入することから始めなくてはなりません。こうした点を含め、検索性や作業効率が低いと言えます。

■ルールの不統一
新旧の書式が混在して分かりにくい、記載内容の書き方が一律でないなど、書類に関してのルールが統一されていない場合もあります。
購買する物品の内容により承認ルートが異なるといった運用方法が、混乱を招くことも考えられます。
ルールの不統一や最適化されていないワークフローにより、社内統制がとれない、業務効率が向上しないといった課題が生じます。

ワークフローの改善については以下の記事でもご紹介しています。あわせてぜひご覧ください。

ワークフローシステム導入のメリット

ワークフローシステム導入のメリット

ワークフローシステムの導入により、先に挙げられた課題解決が期待できます。

■承認フローの最適化
予め設定しておいた承認ルートで自動処理が行われるため、承認フローの誤りが発生しません。申請ごとの承認者や使用する書式が明確に提示され、人為的なミスが発生しづらくなります。

■ペーパーレス化の推進
紙の書類が不要となり用紙代や印刷・作業コスト、管理スペースの費用など、各種コストの削減につながります。ペーパーレス化が推進され、社会に対して環境負荷へ配慮する企業姿勢を示すことができます。
ペーパーレスについては、「ペーパーレスをどう進める?実施のメリットと推進ステップ、成功ポイントを解説」で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

■業務効率の向上
端末上の操作のみで完結し、提出・送付・回覧が不要となるため、承認期間のスピードアップを図ることができます。
申請者は書類検索によってテンプレートをすぐに探すことができるので、どの書式を使えば良いのかという混乱がなくなります。前データの再活用が可能となり、入力支援により作成時の不備を減少できます。
また処理状況が可視化されるため、承認の遅延防止や処理待ち時間の短縮の実現につながります。

■多様な働き方に対応
場所に制限されずにオンライン上で申請・承認処理が行えるようになり、テレワーク、リモートワークなど多様な働き方に対応します。
テレワークについては、「テレワークのメリットとは?導入により浮かび上がった課題と対策について解説」で解説しています。ぜひご覧ください。

■内部統制の強化
統一されたルールで処理が行われ、人為的な変更の余地がありません。処理内容・状況の可視化により、透明性が確保されるため不正防止が徹底されます。
異動・昇格、組織改編・変更にも迅速な対応が可能。外部監査に対して、常に正確な資料を提出できます。

■処理済みデータの活用
検索性が向上し、集計作業が簡略化。過去データの活用が容易です。

ワークフローシステムの種類と機能

ワークフローシステムの種類と機能

ワークフローシステムの種類と一般的に搭載されている機能を紹介します。

ワークフローシステムの利用方法による分類

■オンプレミス型:
サーバーやソフトウェアを含む情報システムを自社内に設置し、独自で運用するタイプです。
自社カスタマイズが自在にできる一方、初期費用が高額で、保守管理やメンテナンスを自社で行う必要があります。

■クラウド型:
システムに関するインフラ環境が仮想環境でサービス提供されるタイプです。初期費用の負担が軽く、オプションの追加によって、ある程度のカスタマイズが可能です。メンテナンスや障害対応などは、事業者側で行うため自社での負担がありません。

ワークフローシステムの種類と特長

■汎用型:
多様な業務シーンで利用しやすいタイプです。設定や運用が容易であるため、社内に専門的な知識をもったスタッフがいない場合や、社内リソースを設定業務に当てられないケースでも運用しやすいと言えるでしょう。
一方、細かな設定や個別に開発ができないため、自社の業務要件を満たせない可能性もあります。

■開発型:
自社特有の業務要件に最適な状態へと開発ができるため、満足度の高いシステムが構築できます。
一方、開発するための知識や時間などを含めたコストが高くなりやすいと言えます。またメンテナンスや運用においても専門知識が必要になることが多く、専任スタッフの確保や運用維持のための外注を検討する必要があります。

■グループウェア型、新興型:
手軽に設定・運用を始めることができるタイプです。維持コストも低いのが特徴です。
一方、機能面では全ての業務に対応するだけのものが揃っておらず、一部の業務に対するシステムとなる可能性があります。

■業務特化型:
業務特化型の最大の特徴は、特定の業務の課題解決のための機能に特化したシステムであることです。
例えば経費精算業務や人事関連業務に特化したシステムであれば、それぞれの業務に対しては効果が出やすく、使いやすいシステムだと言えますが、一方で、ほかの業務に応用することは難しいため、投資対効果を実感しにくいとも言えるでしょう。

ワークフローシステムの一般的な機能

■フォーム設計:書類のフォーマット作成機能
■経路設定:承認フローの定義付を行う
■申請書作成:利用者によるテンプレートを呼び出し、エディターによる入力
■承認・否認による処理:ルールに従った送付処理・差し戻しが設定可能
■他システムとの連携:経費精算、勤怠管理、購買管理、クレーム管理などのシステムとの連携などが可能
■運用管理機能:申請工程の参照・権限設定の変更などによるセキュリティー設定が可能
■進捗管理アラート機能:遅滞している場合にアラートをメールで通知して注意を促す

ワークフローシステム選定のポイント

ワークフローシステム選定のポイント

ワークフローシステムを選定するにあたっては、自社の課題を整理し、必要な要件に合ったツールを選定することが重要です。また将来的な事業展開を考慮し、機能拡張が可能であり、また、ある程度社内の担当者だけでも運用がしやすいシステムを選定することもポイントです。

■自社ニーズへの対応
複数拠点への対応、将来性をにらんだ拡張機能など、要件を満たせることを確認。導入・運用・メンテナンスなどを総合的に見ながら予算とコストのバランスを検討します。

■日本企業の複雑なフローに対応
承認フローは企業によってルールが異なります。そのため、自社で利用している承認フローの内容を整理し、自社に承認フローを回付する上で、必要な機能が備わっているかを明確に判断することが必要です。また、自社で行っている処理内容に合わせて承認フローが柔軟に自由設計できることも重要なポイントです。さらにアクセス権限の付与といった、各フローに即したセキュリティー設定が可能であることも必要です。

■専門人材が不要
申請フォームのテンプレートの設計、ルート設定を始め、社内人材でもある程度の設定や変更が対応可能であること。

■既存のツールやシステムとの連携
自社にある既存の他管理システムとの連携によるデータ共有が、業務の効率性を高めます。

■直感的な操作性
管理者・利用者とも画面を見て直感的に操作・処理ができ、都度マニュアルの参照が不要であること。社員のシステムへの抵抗を薄め、導入後に使われないといった事態を回避できます。

■試用期間がある
システムは、使ってみないと現場での活用に耐え得るかが分かりません。無料トライアルでお試しができるサービスであれば、自社業務とのマッチングを判断でき、事前の受け入れ準備が可能となります。

また、企業規模や文化に見合ったものを導入することも重要です。コニカミノルタジャパンではお客様企業に合わせた最適なワークフローシステムをご提案しています。
中小企業のお客様におすすめのワークフローシステムは「X-point Cloud」です。X-point Cloudは、「まるで紙に書くような」直感的な入力フォームで、ITに不慣れな方でも安心して利用できるワークフローシステムです。稟議、経費精算、日報、作業依頼、総務諸届、勤怠申請など、様々な申請・決済業務を効率化。自社専用サーバーが不要なため、すぐに導入・利用でき、業務全体の負担軽減にスピーディーに貢献することができます。人数規模の大きい大企業にはX-point Cloudと同じベンダーが提供する「AgileWorks」をおすすめしています。

また、ワークフロー機能だけでなくスケジュール管理等の機能も兼ね備えたワークフローシステム「desknet’s クラウド」もおすすめです。

どのワークフローシステムが自社に合うか分からない、というお客様はお気軽にコニカミノルタジャパンへお問い合わせください。



コニカミノルタジャパンでもワークフローシステムを導入し、テレワークや外出先など場所にとらわれない多様な働き方を実現しています。事例を以下の記事でご紹介しています。

業務効率化に向けてワークフロー体制の見直しを図る

コロナ禍を経て、かねてからの課題であった業務効率の向上や非対面による各種処理の必要性が、さらに重視されるようになりました。ワークフローシステムの導入は、業務における様々な不都合を是正し、処理をスムーズに進めていくための有効策となります。ワークフローシステム導入の利点とともに、種類や機能についての理解を深め、自社のニーズをしっかりと満たすシステム選定をしていくことが大切です。

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いいじかん設計 編集部

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