2022年12月22日
【IGAS2022出展報告】紙とデジタルの共創、印刷業界の変革とこれから
4年ぶりとなるIGAS2022国際総合印刷テクノロジー&ソリューション展が、2022年11月24日(木)から11月28日(月)まで東京ビッグサイトで開催されました。印刷業界向けの最新技術やソリューションが数多く展示され、ビジネスの拡大や創注にむけた活発なビジネス交流の場となりました。本コラムでは、IGAS2022のレポートと多くの反響をいただいたコニカミノルタ出展ブースについてご紹介します。
IGAS2022について
IGAS2022のテーマは、「Venture into the Innovation ~新たなイノベーションへの挑戦~」。
コロナ禍によって経済活動が大きく変動する中、ベンダー間の枠を超えて印刷業界に新しい価値を提案するソリューションが数多く出展されているのが印象的でした。会場内でのライブ配信とYouTubeでの動画配信を組み合わせたハイブリッド形式で実施され、会場に来られない方にも積極的な情報発信がなされました。
来場者数と出展社数
来場者は、5日間合計で33,078人。前回の6日間より1日少ない開催期間となりましたが、海外からも当初の予想より多く来場され、ツアーを組んで参加される団体もみられました。
出展社数は218社。各社の出展ブースの他に、出展社が共同で印刷ビジネス拡大のためのヒントを提供する特設ゾーン「Innovative Business Zone」が設けられました。IGAS2018年に続いての開催となった「Smart Factory Zone」では参加企業が12社に増え、印刷産業のSmart Factory化に向けたDX事例がセミナーを通じて紹介されました。
IGAS LiVE TVによるハイブリッド開催
スペシャルナビゲーターに人気フリーアナウンサーを起用し、各ブースの見どころ紹介やトップインタビューを行うなど、IGAS LiVE TVを通じて様々なコンテンツが配信されました。リアル×配信によるハイブリッド開催もIGAS2022の新たな取り組みの一つとなりました。
IGAS2022でみえた3つのキーワード
各社の展示やセミナーなどを通じみえてきた3つのキーワードはこちら。
① 生産性向上(自動化・効率化・見える化)
② ビジネス拡大や創注支援
③ 環境問題、SDGs活動への対応
①生産性向上(自動化・効率化・見える化)
各社、印刷工程の省人化・効率化・見える化を支援するソリューションを数多く展示していました。コニカミノルタも、デジタル印刷機とホリゾン・インターナショナル株式会社のインライン接続の後加工機による自動化や、デジタルラベル印刷機とダックエンジニアリング株式会社の印刷検査装置による効率化など、ベンダー間の枠を超えて生産性の向上による利益創出を提案しました。
さらにコニカミノルタブースでは、コニカミノルタが持つ画像IoT/AI技術とパートナー(NEC)の持つ技術を掛け合わせた印刷工程におけるAMR制御(自動搬送ロボット)のデモンストレーションも実施。印刷現場への安全で効率的な自動化を提案しました。
②ビジネス拡大や創注支援
いま印刷業界で注目されている「創注」。その創注支援やビジネスの拡大につながるMAツールも数多く紹介されており、コニカミノルタの印刷会社向けMAツール「Printバル」も大きな反響をいただきました。実際に「Printバル」を導入し、印刷営業のDX化に取り組まれている株式会社クイックス 代表取締役社長の岡本氏にもご登壇いただき、印刷会社がビジネスを拡大していく上でどういった活動をしていかなければならないか、いま重点的に取り組んでいる施策や今後の展望についてお話いただきました。
③環境問題、SDGs活動への対応
印刷産業での環境保全を含めたSDGs活動の必要性や重要度もますます高まっており、IGAS2022でも環境に配慮した無駄のないものづくりが各ブースで提案されました。コニカミノルタは、印刷会社のSDGs活動を支援する新サービスをIGAS2022で発表。“CO2実質ゼロのデジタル印刷機を納入する”という新サービスは、印刷会社のSDGs活動を”いますぐ具体的に支援できる”サービスとして、多くの反響やご相談をいただきました。
IGAS2022でリリースされたSDGs活動支援の新サービス
AccurioPress カーボンオフセットサービス
ご提案機種における全ライフサイクル(素材・製品・物流・使用・廃棄)にて排出されるCO2量をコニカミノルタにて算出。算出されたCO2量をJ-クレジットによりカーボンオフセットを行い納入するサービスです。本サービスの活用により、「CO2削減活動への貢献」「印刷物への記載」「自社HP等での情報発信」を実現できます。
カーボンオフセットとは
日常生活や経済活動において避けることができないCO2等の温室効果ガスの排出について、まずできるだけ排出量が減るよう削減努力を行い、どうしても排出される温室効果ガスについて、排出量に見合った温室効果ガスの削減活動に投資すること等により、排出される温室効果ガスを埋め合わせるという考え方です。(引用:環境省HP)
J-クレジットとは
J-クレジット制度とは、省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの活用によるCO2等の排出削減量や、適切な森林管理によるCO2等の吸収量を、クレジットとして国が認証する制度です。創出されたクレジットを活用することにより、低炭素投資を促進し、日本の温室効果ガス排出削減量の拡大につなげていきます。
※本サービスにて使用するクレジットは、上記J-クレジット制度に基づいて創出されたクレジットです。(引用:経済産業省HP)
まとめ
紙とデジタルの共創、理由は今ここにある
デジタルを活用した印刷現場の生産性向上とあわせて、印刷営業のDX化による印刷ビジネスの拡大・創注に向けた取り組みがますます重要になってくることを感じたIGAS2022。 多くの印刷会社様や印刷業界の方と意見交換をさせていただき、コニカミノルタにとっても大変意義のある5日間でした。コニカミノルタは、これからも印刷会社の経営課題を解決し、印刷物が活躍し、印刷会社が頼られる存在になるための変革をサポートしてまいります。
コニカミノルタジャパン株式会社 坂入陽子 |