公開日 2023.06.15
JP2023・印刷DX展(JP展) 出展報告
印刷業におけるファクトリーオートメーション実現に向けて
今年で47回目の開催となる「JP2023・印刷DX展」が、2023年5月18日(木)・19日(金)にインテックス大阪5号館で開催されました。急速に変化する社会環境の中で、印刷業界はDX(デジタルトランスフォーメーション)によってどう立ち向かっていくのか。今年のJP展は、その課題解決に向けた情報発信やビジネス交流の場となりました。
本レポートでは、自社として国内初の技術展示となったインライン帯掛けシステムなど、コニカミノルタの展示内容や実機デモンストレーションについてご紹介します。
JP2023・印刷DX展(JP展) 概要
今年のJP2023・印刷DX展のテーマは、「変わる需要・変える供給」。
JP展に“印刷DX展”という名称がついてからは3回目の開催となり、前回を上回る80社が出展しました。
会期中は、印刷DXについて考察を深めるJP展主催者セミナーや会場見学ツアーが実施され、印刷現場におけるDXの導入方法から機材の自動化、生産性向上による収益アップなど多岐にわたる情報発信がなされました。
この主催者セミナーでは、コニカミノルタも印刷ビジネス全体におけるDX推進(受注~出荷、印刷ジョブを生み出す創注まで)についてご紹介させていただきました。
コニカミノルタの主催者セミナー詳細に関するお問い合わせはこちら。
来場者数と出展社数
JP2023の来場者は、2日間合計で11,409名。前回のJP2022からは3,671名増となりました。
出展規模も80社・185小間と昨年より増え、西日本最大の印刷関連機材総合展示会となるJP展にも3年ぶりに活気が戻ってきました。
特にオンデマンド印刷の自動化に関する実機デモが行われていたブースには人だかりができ、生産工程の自動化に強い関心が集まっていたように感じます。SDGsや環境対応に関する展示も多く、環境に配慮した用紙や水なし印刷に関する展示も見られました。
JP2023・印刷DX展の来場者数
2023/5/18(木) 5,883名 | JP2022の初日 3 ,786名 |
---|---|
2023/5/19(金) 5,526名 | JP2022の2日目 3,952名 |
合計 11,409名 | JP2022の合計 7,738名 |
コニカミノルタが提案した6つの生産改善とは
「コニカミノルタ式生産改善」と題し、印刷会社が抱える様々な課題に対して、印刷工程(受注・プリプレス・出力管理・印刷・後加工)のDX化による生産改善を6つのテーマでご提案させていただきました。
コニカミノルタ式生産改善の内容
テーマ | ご提案する生産改善について | 該当する印刷工程 | DXを支援するコニカミノルタ製品 | |
---|---|---|---|---|
1 | デジタル印刷の新たな未来 | 印刷会社の生産プロセスの効率化から電力の抑制と原価低減を実施するオフセット印刷機との共存をご提案 | 印刷 | AccurioJet KM-1e with HD |
2 | プリプレスの見える化と損益改善の実現 | 単品損益と生産工程の見える化、利益率改善から生産性向上の支援についてご提案 | プリプレス | AccurioPro Neostream ※2023年秋発売予定 |
3 | SDGs貢献へ! 変化する顧客意識 | AccurioPressの素材から、製造工程、物流工程、製品利用時において排出されるCO2量の相当量を、他の場所での削減量で埋め合わせる新しい環境への取り組みをご紹介 | 印刷 後加工 |
AccurioPress カーボンオフセットサービス |
4 | AIが可能にする生産現場の「ムダ・ロス・矛盾」の改善 | 画像IoTのプラットフォーム『FORXAI』を活用した作業分析と、印刷機の稼働状況を可視化するAccurioPro Dashboardを組み合わせることで印刷工程の「ムダ・ロス・矛盾」の改善策をご紹介 | 印刷 後加工 |
AccurioPro Dashboard Ultimate FORXAIと連携 ※技術展示 |
5 | 印刷業における ファクトリーオートメーション |
人の手を介さず印刷工場を稼働させるプロセスとは。受注~出力、断裁、帯掛け工程を実演。加工後はホリゾン様ブースへAMRによる自動搬送を実施 ※開発展示 |
受注 プリプレス 出力管理 印刷 後加工 |
AccurioPro Flux Premium AccurioPress C4080 TU510 ※他社製品と連携 |
6 | 印刷会社の販促手法を変化させる DX活用とは |
コロナ禍の2年間で、新規開拓・売上アップに成功したin2site活用術をご紹介 | 受注 | in2site |
DXソリューションの展示コーナーでは、2023年5月に新発売されたばかりのクラウド型バリアブルソリューションVariable Studioをご紹介。
宛名、DM、名刺、POPなど様々なバリアブルデータが簡単に作成でき、チケットやクーポンなどの数字が記載されたナンバリング印刷物はAccurioPressとIQ-501のVDPナンバリング検査機能(オプション)を活用することで印刷終了後の目視による検品作業を大幅に軽減します。さらにトリマーユニットTU-510を活用することでインラインでの断裁加工も可能です。
ここからは、コニカミノルタ式生産改善の中でも特に高い関心をいただいた「印刷業におけるファクトリーオートメーション」についてご紹介します。
印刷業におけるファクトリーオートメーションの実現に向けて
デジタル印刷の現場が抱える非効率な作業を減らすため、「自動化・効率化・見える化」をキーワードに、受注~出力、断裁、帯掛け工程のワークフロー改善に着目。株式会社J SPIRITSのPRINT SAPIENS、株式会社ホリゾンのiCE LiNKとシステム連携し、受注から出荷までを自動化できるワークフローを構築しました。
※参考展示
ファクトリーオートメーションの全体フロー図
このワークフローを構築することで、「人的ミスや時間ロスの削減」「印刷業務の自動化・スキルレス化」「収益改善施策への貢献」を実現することができます。
デジタル印刷部分では、コニカミノルタ独自のインライン断裁オプション装置(TU-510)での用紙断裁に、インラインでの帯掛け装置を接続。用紙断裁から帯掛けまでを一貫してインラインで行うことで手作業となっていた工程の自動化を実現しています。
この「インライン帯掛けシステム」はコニカミノルタとして国内初の技術展示となり、実際にご覧いただいた方々からも多くのご質問やご感想を頂戴しました。
加工後はホリゾンブースへAMR搬送機での自動搬送を行い、無線綴じ機への加工指示もJDF連携で行っています。
プレゼン資料ダウンロード
「印刷業におけるファクトリーオートメーション」の説明資料をダウンロードいただけます。
ワークフローの詳細や詳しい機能説明については是非こちらをご参照ください。
本件に関するご質問やご相談がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
JP展では多くの皆さまにコニカミノルタブースにお立ち寄りいただき、誠にありがとうございました。
引き続き、印刷会社の生産性向上や利益率改善、環境配慮など印刷ビジネスのDXを通じて印刷業界の発展に貢献してまいります。
コニカミノルタ以外の印刷機をお使いの方も、何かお困りごとやご質問などがございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。
コニカミノルタジャパン株式会社 坂入陽子 Profile:コニカミノルタジャパンでデジタル印刷機の運用支援、技術サポートを8年間担当。印刷現場での経験から商品企画部門を経て、現在は印刷業界に有益な情報をお届けするためのコンテンツ制作やWebサイト運営、各種イベントを担当している。 Profile:コニカミノルタジャパンでデジタル印刷機の運用支援、技術サポートを8年間担当。印刷現場での経験から商品企画部門を経て、現在は印刷業界に有益な情報をお届けするためのコンテンツ制作やWebサイト運営、各種イベントを担当している。 |
イベント情報やお役⽴ち資料など
印刷ビジネスに役⽴つ最新情報をお届けします。
「資料が欲しい」「詳しく知りたい」など
フォームよりお気軽にお問い合わせください。