方針
エコビジョン2050
長期環境ビジョン「エコビジョン2050」
地球環境問題は喫緊の課題であり、環境負荷を抑制して持続可能な社会づくりを実現していくうえで、グローバル企業が大きな責任を有しています。コニカミノルタは、その責任を果たすという強い決意を、2050年を見据えた長期環境ビジョン「エコビジョン2050」に表しています。
エコビジョン2050
- ①製品ライフサイクルにおけるCO2排出量を、2025年までに61%削減(2005年度比)するとともに、スコープ1,2,3以外のCO2削減貢献量を80万トン以上とし、カーボンマイナスを達成する
② 製品ライフサイクルにおけるCO2排出量を、2050年までにネットゼロにする - ①地球資源※使用ゼロに向けて、自社製品における地球資源使用量を2050年までに90%以上削減する
②自社製品以外での地球資源の削減貢献量を拡大する - 生物多様性の修復と保全に取り組む
※ 地球資源:原油や鉱物資源などの新たな採掘をともなう資源で、一般に枯渇性資源と同義。
気候変動への対応
長期環境ビジョン「エコビジョン2050」においては、マテリアリティの一つである「気候変動への対応」に長期的な視点で取り組みます。
取締役会での承認を経て、「2050年までに自社製品のライフサイクル全体におけるCO2排出量を2005年度比で80%削減する」という高い目標を2009年に設定しました。近年になって多くの企業が自社生産でのCO2排出量に加え、サプライチェーンなど製品ライフサイクル全体の排出削減を進めるようになりましたが、コニカミノルタは2009年からライフサイクル全体のCO2排出量削減に取り組み、着実に削減実績を積みあげてきました。
また2017年には、気候変動問題を機会と捉え、ビジネスを通じて社会のCO2削減に貢献していくコミットメントとして「カーボンマイナス」を追加しました。
2023年5月には、これら「エコビジョン2050」の改定を取締役会で承認し、製品ライフサイクルCO2について、従来の80%削減から、2050年にネットゼロにする新ビジョンとしました。また同時に、「カーボンマイナス」は2030年に達成する計画としていましたが、5年前倒し2025年の達成を目指すこととしました。
ネットゼロとは、温室効果ガスの排出量を「実質ゼロ」にする考え方です。ただ完全に排出をゼロにするのは難しいため、SBTiのネットゼロ定義に沿って、残余排出があった場合にはカーボンクレジットなど国際的に認められた方法でオフセットしていきます。また、当社は再生可能エネルギー100%での事業運営を目指す国際リーダーイニシアティブ「RE100」に加盟しています。2050年までに自社の事業活動で使用する電力の調達を100%再生可能エネルギー由来にすることで、ネットゼロに向けた削減の実行力を高めていきます。
また、カーボンマイナスについては、コニカミノルタが培ってきたコア技術のAI活用と事業領域をまたぐ技術融合により強化し、お客様や調達先におけるエネルギー・CO2削減の貢献度を高め、削減貢献を拡大していきます。こうした環境貢献のインパクトを生み出し高めることで、当社ビジネスの競争力につなげていきます。2024年度には、最新の気候科学に基づき、パリ協定の達成に向けて1.5℃排出経路に沿った実効的かつ野心的な目標設定への更新を視野に入れ、2018年度を基準年度としたCO2排出削減実績の管理を開始しました。
なお、「カーボンマイナス」とは、当社の責任範囲である製品ライフサイクルCO2排出量(スコープ1,2,3)を2050年にネットゼロを目指しつつ、責任範囲外のCO2排出量削減へ貢献し(スコープ4)、それが責任範囲の排出量を上回る状態を生み出すことを目指し、お客様や調達先との協業に取り組むことと定義しております。当社が製品ライフサイクルCO2排出量のネットゼロを目指すことは、当社の事業そのものを脱炭素社会に適合させる意思を表しています。また「カーボンマイナス」を早期実現させることは、社会が脱炭素に大きく変化するなかで、当社が自らの排出以上の貢献を示すことで、事業を通じた大きな社会貢献の価値を示し、それが事業の成長を後押しすることを目指したものです。
自社責任範囲のCO2排出量とは、自社の製品・事業に直接関わるCO2排出量です。具体的には自社製品のライフサイクルに関わるCO2排出量であり、自社調達部材の製造、自社での生産、自社製品の物流、自社での販売・サービス、お客様での自社製品使用時です。一方、お取引先での自社調達部材以外で発生するCO2排出量、お客様での自社製品以外で発生するCO2排出量は責任範囲には該当しません。しかしながら、コニカミノルタのCO2削減ノウハウや技術を提供、あるいはコニカミノルタの製品・サービスによりお客様の生産工程を変革するなど、自社責任範囲外のCO2排出量を削減することで貢献ができます。
「カーボンマイナス」とは、自社責任範囲を超えて活動することで、地球上のCO2削減により積極的に関わる活動と考えています。これを実現、達成するためにコニカミノルタはお取引先・お客様に対して、当社のソリューションやノウハウの提供を通じて、ステークホルダーの課題認識・行動変容へ積極的に取り組み、自社だけでは成し得ないより大きい削減効果を成し遂げていきます。また、活動の効果をみえる化することで、より多くの人に定量的に実績を知ってもらい、CO2削減活動に積極的に関わってもらう機会となることを期待しています。
有限な資源の有効利用
2023年5月、マテリアリティの1つである「有限な資源の有効利用」について、当社の長期的な環境ビジョンである「エコビジョン2050」において2050年の定量的な目標を設定しました。
自社製品やサービスの提供に使用する資源において、枯渇資源に該当する地球資源に依存しない事業形態を目指すため、「地球資源使用ゼロに向けて」をビジョンとしました。
具体的には、自社製品に投入する資源の量を削減するだけでなく、投入する資源を再生材料、バイオ材料などの循環資源に積極的に切り替えていくことで、地球資源使用量を2050年までに90%以上削減を目指します。
また同時に、自社製品での貢献や、ノウハウを共有することなどにより顧客・調達先などのステークホルダーでの地球資源削減の貢献量を最大化していきます。自社製品やサービスの提供に使用する資源において、枯渇資源に該当する地球資源に依存しない事業形態へ変革するとともに、事業活動を通じた取り組みにより非財務価値を財務と同期させて企業価値を向上することを目指しています。
※ 地球資源:原油や鉱物資源などの新たな採掘をともなう資源で、一般に枯渇性資源と同義。