パルスオキシメータ知恵袋

低周波の実力とは?

実使用時には低脈波性能が重要


精度の確認は、健康なボランティアを室内で安静な状態にして、酸素濃度を低くした空気を吸わせて低酸素飽和度にしていき、測定します。一方、パルスオキシメータは通常は何らかの疾患を持つ方(特に呼吸・循環に疾病を持つ方)に使われるものです。パルスオキシメータは(主に)指先の動脈血の脈動を光で捉えて測定します。血液中の酸素が減ってくるということは、酸素は生命維持のためにより重要な臓器に 優先されて運ばれなければなりません。酸素を運ぶ血流は指先にはあまり回ってこなくなるようになります。したがって、パルスオキシメータを必要とされる患者様は、健康な方よりも指先の血流量が少なく(低潅流・低脈波)なっている可能性が高くなります。

低脈波時の表示方法はメーカー毎の特徴があります

健康で充分な血流がある場合には、あまり性能差が出ませんが、血流の悪い状態になりますと得られる真の信号量が少なくなり、一方、誤差の原因になる偽の信号(ノイズ)が多くなり、ノイズに邪魔され正しい信号が取れなくなってしまいます。 そうした状態では、製品による性能差が出てきます。低脈波になると、測定値が出てこない、出てくるまでに凄く時間がかかる、出てはくるが値の変動が激しい、間違っている(としか思えない)値が出てくるなどの不都合のあるものもあります。
また、表示される値は機種によって実は違います。機器が測定できないような信号になったときに、そのまま表示するが、正しく測定できていないという警告を出すもの、表示することもやめて警告を出すもの、実際には測定するのを止めて古い値をそのまま表示するもの、などです。
これらは性能を上げて、できるだけ悪条件でも測定できるようにしながらも、機器の限界時には、使用者に誤解を与えないよう警告を出す事を是と考えるか、悪条件時の測定は割り切って測定可能な条件を限定することで、安価に提供できる事を是と考えるかと言ったメーカーの姿勢によって変わってきます。

低脈波を精度よく測定するにはメーカーの技術力が必要です

ノイズを除去するためには、そのための部品(コモンモードフィルタ:高周波ノイズを除去する部品、バイパスコンデンサ:隣接する信号ラインのノイズを除去する部品、シールド:空中を伝わるノイズを阻止する部品、バッファアンプ:インピーダンスを下げることでノイズを減らす部品)を使用する必要があります。これらの部品を多く使えば正しく信号を取り出すことができます。しかし、部品点数が多くなり、回路規模が大きくなってしまいます(つまり本体が大きくなる)。 例えば良い音のオーディオを作ろうとした場合、音質を上げるために多くの部品が必要となります。それによってオーディオ本体が大きくなってしまい、また、動かすために大きな電力が必要になってしまうことと似ています。
また、部品だけでなくノイズに強い高度な回路設計・実装技術も必要となります。

2009年発売のPULSOX-1では、コニカミノルタの高密度回路設計・実装技術を活かし、高い性能信号処理能力を小さなボディに実現し、低脈波などの悪条件下での精度の高い測定を可能にしました。

更に2019年発売のPULSOX-Neoでは、信号処理能力の再改良と、指と受発光行路の微細な位置ずれを抑えるメカニカルなフィッテングを最適化することで、低脈波測定限界を更に押し広げました。

紫色のバルーンをクリックして、それぞれの項目の詳細説明をお読み下さい。
PULSOX-Neoは、販売名:コニカミノルタ PULSOX-Neo(認証番号:230AGBZX00112000)の呼称です。
PULSOX-1は、販売名:パルスオキシメータ PULSOX-1(認証番号:225AABZX00062000)の呼称です。

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