パルスオキシメータ知恵袋 基礎編

あれもパルス、これもパルス

パルスオキシメータもいろいろ。

TVドラマなどで良く目にする、手術中に心拍グラフや様々な数字が表示されている箱型の器械、これはバイタルサインモニタといい、患者の心電図、血圧、体温、脈拍数などを同時に測定し表示する機器です。この中にパルスオキシメータが組み込まれています。主にパルスオキシメータメーカーが、測定プローブとSpO2モジュール(SpO2を計算する基板)の形でバイタルサインメーカーに供給しています。

バイタルサインモニタ

SpO2 はバイタルサイン(生命活動の兆候)の重要な指標ですので、SpO2 だけを単独に計る箱型の装置(据え置き型パルスオキシメータ)もあり、ICUや救急、病棟で使用されています。

据え置き型パルスオキシメータ

小型で携帯できるパルスオキシメータとして、手に持てるサイズのものもあり(ハンドヘルド型パルスオキシメータ) 回診時や急変時にナースステーションから持ってきたり、一時的にベッドサイドに取り付けて連続的に患者のSpO2を監視することもあります。
これらのタイプのパルスオキシメータは生命に関わる身体の酸素供給力の急激な悪化が生じないようにモニター(監視)することが目的の事が多く、一定のSpO2以下になると警告音を発するなどのアラーム機能が装備されています。

ハンドヘルド型パルスオキシメータ

バイタルサインモニターの中には術後のICU・病棟のベッドサイドに測定装置を置き、無線で測定値をナースステーションなどに送り、複数患者のバイタルを集中して監視できるものもあります(テレメーターシステム)。
テレメーターの一つとして、心電図とともにパルスオキシメータも組み込まれた小型の装置もあり、ベッドから離れられるようになった回復期に使用されています。

集中した監視が必要なくなった回復期以降では、携帯性がより重視され、アラーム機能のないパルスオキシメータが中心に使用されます。

テレメーター

ハンドヘルド型でアラーム機能をなくし小型化したものが当初は主流でしたが、現在では表示装置側が腕時計型になったもので医療者が表示装置を見ることも、患者の腕に取り付けて、動作中の測定値を見ることもできる腕時計型パルスオキシメータが病棟では多く使われています。

バイタルサインモニターから腕時計型パルスオキシメータまでは測定部(プローブ部、センサー部)と、表示部(パルスオキシメータ本体)が分離していて、一つの本体に対し用途に合わせて複数のプローブが使用できるようになっています。

スポット測定(連続的に測定するのではなく、特定の瞬間の値を測定する)だけに使用する場合には、小型さがより重視されプローブの交換ができない一体型も多く使われています。
片手で保持できるタイプ(ワンハンドグリップ型パルスオキシメータ)や指先に取り付けるセンサーに表示部も一体化された指先一体タイプ(フィンガーチップパルスオキシメータ)があります。

一体型は主に成人使用を目的とされ、小児や幼児、新生児などには、専用プローブに交換できるプローブ分離型が必要になります。

交換プローブ

パルスオキシメータは非侵襲(患者を傷つけないで)リアルタイムに患者の酸素飽和度を測定できることが特徴ですので、モニターやスポットチェックに多く使われますが、一定時間の測定値の変化を分析することで特定の疾患の発見や容態の判定に使われることもあります。(睡眠時無呼吸症候群のスクリーニングや、夜間・運動時の低酸素血症の判定など)この目的のためにメモリー機能のついたパルスオキシメータが使われます。
メモリー機能付きハンドヘルド型もありますが、長時間測定が通常ですので、患者の携帯性に優れた腕時計型メモリー機がこの用途には多く使われています。

腕時計型メモリー機

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