あの会社はどう解決?テレワーク実施にあたっての不安と課題
- #コミュニケーションの向上
- #情報共有・文書管理
- #働きやすい環境づくり
- #つながるITインフラ環境
- #ITセキュリティーの強化
新型コロナの影響が長期化し、在宅勤務でテレワークに移行している企業が多くなっています。一方で、急なテレワークの実施に対して「64.2%が書類や捺印対応が必要でやむなく出社」という調査結果が出るなど、色々な課題が明らかになった企業も出てきています。テレワークに対する不安と課題、それらの解決方法を見ていきます。
INDEX
テレワーク導入の目的
テレワークとは、情報通信技術を使って時間や場所にとらわれない柔軟な働き方を実現する働き方を指します。テレワークにもいくつか実施形態があり、営業や出張中に外出先からノートパソコンで仕事をする「モバイルワーク」もテレワークに該当しますが、その場合は出社することが基本的な働き方になります。今回の新型コロナによるテレワークでは、人との接触を避けるため在宅勤務型の形態が主体となっています。
新型コロナ以前のデータですが2018年の総務省の調査によると、日本企業のテレワーク導入率は13.9%、うち在宅勤務の導入率は56.4%でした。導入目的としては「勤務者の移動時間の短縮」「労働生産性の向上」が主に挙げられています。直近の調査で移動時間の短縮目的が増えているのは、働き方改革や人手不足対策として、従業員のワークライフバランス重視の流れが出てきたことによるものです。
テレワークの代表的な不安
「テレワークの不安解消!円滑に仕事を進める方法」のコラムで触れたように、企業がテレワークを導入する時の不安として代表的なものとして、以下が挙げられます。
- テレワークできる仕事がない、あるいは対象業務が限定される問題
- リモートでのコミュニケーションが難しい
- テレワークしている従業員の労働時間管理が難しい
- テレワークしている従業員の情報セキュリティーの確保
- テレワーク環境面での不安
新型コロナ対策で浮き彫りになったテレワークの課題
一定規模の企業におけるテレワーク導入では、小規模にトライアルして制度面・実務面の課題を洗い出し、対象業務や職種を段階的に拡大して数年がかりで全面実施に至る、という導入ステップを踏みます。
例えばコニカミノルタジャパンでは、ICTの整備や紙文書の削減などの環境整備や、職種や部署の段階的な拡大を経て、2016年度より全社にコアタイム無しのフレックスタイム制度を適用してテレワーク制度運用を実施しています。
一方、今回の新型コロナ対策では、早い企業で1月後半からテレワークを実施していますが、準備不足だった企業も多そうです。これに対し、コロナ対策の在宅勤務に関するアンケートがいくつか出始めています。
また、IT企業を中心にテレワークのノウハウ記事も多数公開されていて、参考になります。
テレワークを実施してみたものの64.2%が書類や捺印対応が必要でやむなく出社?!
Adobeが2月に実施した調査で、テレワーク勤務のメリットや課題についてアンケートした所、「テレワーク経験者の8割以上が業務の生産性向上とペーパーレス化を実感」している一方、「64.2%が書類や捺印対応が必要でやむなく出社」しており、テレワーク継続の鍵は紙の書類のデジタル化としています。
テレワークを実際に実施して感じた業務上の課題をお教えください。(n=500/複数回答方式)
出典:アドビ「テレワーク勤務のメリットや課題に関する調査結果」
テレワークで在宅勤務と同様の生産性を維持するには、必要な文書にリモートからアクセスしたり、同僚と共有できる必要があります。もし紙文書がある場所でなければ仕事ができない状態なら、「時間や場所にとらわれない働き方を実現する」テレワークは難しいことになります。
数時間や数日のモバイルワークなら大丈夫でも、新型コロナ対策で在宅勤務ベースの業務が長期化する場合、従業員個々ではなく、会社全体として文書の電子化やファイルサーバーにリモートからセキュアにアクセスできる環境を整備する必要が出てくるでしょう。稟議の電子化も、いつでもどこからでも操作できるソリューションが各社から提供されており、処理の迅速化による生産性の向上が期待できます。
これらの課題を解決するソリューションはこちらでご紹介しています。
自宅の通信環境や作業環境が課題に
GMOインターネットグループ(以下GMO)は、事業継続と従業員の安全確保を目的に、1月27日から4000人規模で一斉在宅勤務体制に移行しています。GMOの新型コロナ対策の特集サイトは膨大な情報量で目を引きますが、在宅勤務の課題抽出と改善のためアンケートを2回実施し、その結果も一般公開しています。
第1弾アンケートによると、在宅勤務自体は9割近くがおおむね高評価であるのに対し、第2弾アンケートでは、在宅勤務体制が長期化する中で「通信環境」や「自宅の作業環境」などの環境面についての課題が多く挙げられています。
在宅勤務の「通信環境」に関する課題は、2月から全従業員が原則在宅勤務しているクックパッドでも挙がっています。「クックパッドの在宅勤務環境」では、企業が従業員の在宅環境整備する際、参考になる情報が公開されています。
例えば、クックパッドでは自宅に固定インターネットを持たない従業員に対し、モバイルルーターの貸し出しを実施していますが、同様に自宅にパソコンがない、家族と共用のパソコンしかない場合も考えられます。企業はノートPCを貸与するなど、セキュアな作業環境があるかにも気を配る必要がありそうです。
在宅勤務でも業務効率化がUP!
コニカミノルタジャパンでも2020年2月より新型コロナウイルスの感染防止として、テレワーク勤務を推奨しています。社員に長期間のテレワークに関する課題をアンケート調査したところ、意外にもテレワーク中でも業務効率化が向上したという結果が出ました。
詳しい結果や考察について資料にまとめていますのでご覧ください。
長期化も視野に、在宅勤務でテレワークできる環境を整えよう
オリンピックも延期されるなど、新型コロナをめぐる状況が収束するまで、一年以上かかるのではという見方もあります。各企業はテレワークが長期化することも視野に、在宅勤務の作業環境整備に本腰を入れる必要がありそうです。
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いいじかん設計 編集部