テレワークに欠かせないペーパーレス化の現状と対策とは?
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新型コロナウイルス感染症対策や働き方改革への取り組みにより、これまで以上にテレワークが注目されています。テレワークには、労働生産性やワークライフバランスの向上というメリットもあります。
テレワークの実現のために重要と考えられているのが、社内文書のペーパーレス化です。紙媒体の文書はテレワーク導入を阻害する要因になるからです。それでは、どのようにペーパーレス化して、テレワークを実現すれば良いのでしょうか?ペーパーレス化の現状や、多くの企業が抱えている課題をふまえながら、効果的な対策を紹介します。
INDEX
ペーパーレス化のメリットとは?
まずは、ペーパーレス化のメリットから紹介します。
業務効率化
ペーパーレス化することで「情報の一元化が可能になる」、「場所の制限を受けずに仕事ができる」というメリットが得られます。
■情報の一元化が可能になる
重複管理が不要になります。業務内容や情報の共有がしやすくなるとともに、業務の属人化を防ぐことが可能です。また、文書の検索性が大きく向上します。
■場所の制限を受けずに仕事ができる
リアルタイムの情報共有が場所を問わず可能になります。社外で仕事ができるようになるため、移動時間の削減にもなります。
こうしたメリットによって、業務効率化が大きく推進するのです。紙文書のデジタル化により業務効率の向上に成功した事例があります。「文書削減によりオフィススペースを確保 文書管理から情報・物品への管理意識を根付かせる」をご覧ください。
コスト削減
ペーパーレス化は、以下の2点からコスト削減を実現できます。
- 紙・印刷・通信にかかるコストの削減
- 保管スペースにかかるコストの削減
セキュリティー対策
ペーパーレス化は、セキュリティー対策にも効果的です。
- 資料の紛失や盗難の防止
- ログの監視やアクセス権限の設定による従業員の不正閲覧や情報持ち出しの回避
テレワークの実現
業務効率化、コスト削減、セキュリティー対策を実現することで、社外でもオフィスとほぼ同様の仕事ができるようになり、テレワークの導入を実現できます。
ペーパーレス化の現状と課題
ペーパーレス化にはこのようなメリットがあるにもかかわらず、現状ではペーパーレス化が進んでいない企業も少なくありません。ペーパーレス化が進まない要因はどこにあるのでしょうか?
ペーパーレス化の現状
2020年9月現在、多くの企業がペーパーレス化の実現に課題を抱えています。一般社団法人日本CFO協会が2020年3月から4月にかけて実施した調査によると、テレワークを実施した企業のうち、41%の企業が「テレワーク実施中に出社の必要性が生じた」と回答しています。
また、全体の3割近くの企業がテレワークを導入できておらず、その主な理由が「紙の書類」の対応(全体の77%)です。
出社を促す紙媒体の書類とは
出社する必要が生じたという「紙媒体の書類の処理」とは具体的にどのような書類を指すのでしょうか。代表的な例を2つ見てみましょう。
■取引先との請求書・発注書など
取引先や顧客に発行する請求書や発注書を、FAXや郵送で対応しているケースがよくあります。その場合には、書類を顧客にFAX送信するためだけにオフィスに行く「FAX出社」問題が生じます。
■社内の稟議書・決裁書
稟議書や決裁書などに上長の印鑑やサインが必須条件になっている企業も多いでしょう。そのような商慣習のために「ハンコ出社」を強いられるケースも目立ちます。
デジタル化を阻害する要因とは?
ペーパーレス化・デジタル化を阻害する要因として、次の3つが挙げられます。
- デジタル化のためにコストがかかる
- 従業員のICTスキルが低い
- 上層部や現場の従業員がデジタル化に抵抗を感じている
ペーパーレス化のための対策とは?
それでは、ペーパーレス化を実現するために取るべき対策を6つの観点から解説します。
従業員の理解を得る
ペーパーレス化は、業務効率化や労働生産性の向上に効果的な方策の一つです。管理職や一般従業員に意図や目的を説明し、趣旨を理解してもらう必要があります。
機器や環境の整備
ペーパーレス化は、インターネット技術の活用を前提としているため、最適なインターネット環境の構築や必要台数のパソコンの準備が不可欠です。テレワーク導入の際には、従業員自宅のインターネット環境の確認も必要です。
クラウド型ツールの導入
クラウド型ツール導入のポイントはいくつかあります。
■勤怠管理ツール
勤怠情報はWeb・クラウドで管理ができます。おすすめのツールはクラウド型勤怠管理システム「AKASHI」です。このツールでは、出退勤時のタイムカード打刻をWeb上で申請できます。パソコンだけでなく、スマートフォンからもアクセスができるので、従業員は在宅で勤務時間の報告が可能です。
また、実績集計や照会、分析も一元管理が可能で、CSVデータで出力して、別のシステムと連携もできるので、管理者側にもとても使いやすい仕様です。法改正やコンプライアンスにも対応しており、導入後も安心して長く使用できます。
勤怠管理についてはこちらで詳しくご紹介しています。
■ストレージサービス
ストレージサービスとは、ファイルや資料などのデータを保管しておくための補助記憶装置のことです。クラウド型のストレージを利用すると、どこからでもファイルをアップロードでき、どこからでもそれらを使うことができます。リアルタイムでの情報共有が可能になるのです。ファイルサイズも気にせず共有できます。コニカミノルタジャパンでは「クラウドストレージ Box」を利用しています。
ストレージサービスには、Microsoft社が提供する「One Drive」やGoogle社が提供する「Google Drive」などもあります。業務で使っているITツールに応じて、より効率化が図れるツールを導入すると良いでしょう。
■グループウェア
グループウェアとは、メッセージ機能による情報共有や資料の共有、スケジュール管理、プロジェクトの進捗管理などが実現できるツールのことを指します。グループウェアを活用することで、デジタル上で業務を可視化できます。
おすすめのグループウェアはMicrosoft社の「Microsoft 365」です。 Microsoft 365は、メールアプリの「Outlook」や資料作成には欠かせない「Excel」、「Power Point」などのOfficeアプリケーションとクラウドグループウェアをセットにした定額制クラウドサービスです。
Microsoft 365の「SharePoint Online」を使えば、イントラネットの情報共有を容易に推進できます。企業全体はもちろん、部門やチームごとのポータルサイトを作成してファイル、データ、ニュースなどの共有も可能です。
■社内SNS・ビジネスチャット
社内SNSやビジネスチャットを利用することで、デジタルでの情報のやりとりを安全かつ効率的に行えます。
おすすめは「Teams」です。こちらも Microsoft 365 のアプリケーションの一つです。コミュニケーションツールを業務で利用する際、LINEやFacebook Messengerなどを使うと、私用と仕事の境界が曖昧(あいまい)になりかねません。また、退職した従業員の扱いに関して、情報管理やセキュリティー面でのリスクが生じないような対策が必要です。
■Web会議ツール
Web会議ツールについても Microsoft 365 の「Teams」がおすすめです。画面の共有もできるので、同じ資料やデータを見ながら会議を進められます。ほかには、Cisco社が提供する「WebEx」も使い勝手が良いでしょう。セキュリティーの高さと切れ目なく画面を切り替えられる操作性が人気で、特に大手企業を中心にユーザーが多いWeb会議ツールです。
■電子決裁ツール
紙ベースの稟議・決裁フローを電子化し、いつでも申請・承認ができるツールとしておすすめなのが「X-Point Cloud」です。忙しく外出が多い管理職でも、すき間時間や外出先から承認できるようにモバイルワークにも対応しているので、企業の意思決定速度も上がります。「ハンコ出社」の改善にも効果的です。
リモートで利用できる複合機の機能を活用
複合機の機種によっては、オフィスに出社しなくてもFAXを利用できます。
これらの複合機の詳しい機能についてはこちらをご覧ください。
セキュリティー対策
テレワークの技術は、常にネットワークとの接続が前提になるため、ネットワーク、デバイス、ツールの全てにセキュリティー対策が必要です。
具体的には、ネットワークに対してはファイアウォールの構築やセキュリティー対策ソフトの導入、デバイスに関してはバージョンを常に最新に保つことやセキュリティー対策ソフトの導入などが挙げられます。また、人為的なミスによる情報漏えいのリスクにも対応する必要があるため、定期的な従業員教育も重要です。
様々な業務がWebやクラウド上で完結することは非常に便利ですが、常に最新のセキュリティー対策を施しておく必要があります。その一方で、情報システムの部署やIT管理者にとっては、管理する範囲が広がり、負担が増えることが悩みの種になる場合も少なくありません。
そこでおすすめしたいサービスが、コニカミノルタの「IT-Guardians」です。セキュリティー対策の管理・運用をコニカミノルタの専門チームがサポートします。
外部業者の力を借りる選択肢も
ペーパーレス化は全社的プロジェクトになります。そのため、役員および全従業員の意識改革、明確なゴールを見すえたプロジェクト管理が必要です。しかし、社内の人材だけでこれらを実現しようとする際には、すでに携わっているほかの業務との兼ね合いから、容易に進まない場合があります。そこで、選択肢の一つとしておすすめしたいのは、外部の専門業者のサポートを活用することです。コニカミノルタの「文書管理コンサルティングサービス」では、専門家が顧客の状況やニーズに応じて、書類の最適な管理方法を提案します。
テレワーク導入にはペーパーレス化が不可欠
ペーパーレス化に対応することは、テレワークを効果的に導入するために不可欠です。ペーパーレス化の対処を後回しにしてしまうと、FAX送信や社内稟議の押印のための出社を無くせません。
ペーパーレス化の方法はいくつかありますが、クラウドを利用した複合機のサービスを活用すると効果的です。ペーパーレス化は全社的なプロジェクトになるため、社内の人材だけでは上手く実現できないこともありえます。外部サポートサービスの利用を検討するのも良いでしょう。
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いいじかん設計 編集部