子育てや介護と仕事の両立に有効なテレワーク。必要なのはツールや制度だけではない!?

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子育てや介護と仕事の両立に有効なテレワーク。必要なのはツールや制度だけではない!?

出産後も会社を辞めず、子育てをしながら仕事を続ける女性が一般的になったことに加え、最近では産後パパ育休などの制度を活用し、夫婦で力を合わせて子育てと仕事の両立をしているケースが増えてきました。また、働き盛りの世代が親の介護に直面するケースも増加し、様々なライフイベントと仕事との両立が課題となる人が男女年齢問わず増えています。
こうした状況を乗り切るための手段として、企業も政府もテレワークの導入を推進してきましたが、テレワーク実施者は果たして本当に「子育て・介護と仕事との両立」が実現できているのでしょうか?2017年からテレワークを全社導入しているコニカミノルタジャパンで、子育てや介護をしながらテレワークを積極的に活用して働く社員にインタビューしました。

INDEX

登場人物

  • コニカミノルタジャパン 高木さん
    子育てと仕事を両立
    高木 由佳さん
    • 営業推進統括部 ポータル推進部 ポータル企画グループ 所属
    • 6歳と3歳の子育てをしながら勤務中
  • コニカミノルタジャパン 山下さん
    介護と仕事を両立
    山下 滋さん
    • ヘルスケアカンパニー 事業管理統括部 CS統括部 業務センター 所属
    • 90歳の父親と87歳の母親を介護しながら勤務中
  • コニカミノルタジャパン 高須さん
    インタビュアー
    高須 奈穂子さん
    • コーポレート本部 ダイバーシティ推進室 所属
    • 福岡から東京本社の仕事を行う
    • 14歳と10歳の子育てをしながら勤務中

現在の仕事内容やテレワーク実施状況は?インタビュー参加者の自己紹介

  • 今回のインタビューでは子育てと介護、それぞれと仕事を両立している高木さんと山下さんから色々とお話を伺っていきます。まずは子育て中の高木さんから、現在の仕事内容やテレワーク実施状況も含めた自己紹介をお願いします。
  • 私は、自社購買サイトbizconcie(ビズコンシェ)の企画運営をしています。お客様からのお問い合わせに対応する、いわゆるコールセンター業務もあり、チームメンバーと日々協力しながら働いています。
  • 現在6歳と3歳のお子さんがいらっしゃるとのことですね。
  • はい。二人とも男の子なので、日々体力がありあまって(笑)パワフルな毎日を過ごしています!今は週3~4日はテレワークなので、家族との時間も大切にしながら働いています。
  • 続いて、ご両親の介護をしながら働く山下さんをご紹介します。山下さん、現在所属されているヘルスケアカンパニーの業務センターでのお仕事内容と現在の働き方について教えてください。
  • はい。私の所属する業務センターは、ヘルスケア事業関連の全売上処理・債権処理・経理処理・仕入処理を統括し承認する部門です。私はここのセンター長として、福岡オフィスを勤務地にしているのですが、3年前、ちょうど新型コロナの感染拡大時期だったのですが、両親の介護をきっかけに山口県で39年ぶりの同居生活を始めました。当初は出社必須の業務環境だったのですが、現在はテレワークを週1~2回ほど活用しています。
  • 今回インタビュアーを務めます私は、仕事とプライベートの両立支援やキャリア形成などの課題解決に取り組み、社員一人ひとりが輝きながら働ける風土づくりを担当する東京本社のダイバーシティ推進室にて勤務しています。普段は福岡の自宅やオフィスからリモートで仕事をしています。

子育てや介護と仕事の両立は大変!実際にあった課題とは?

  • コニカミノルタジャパンでは2017年、高木さんにとってはちょうど一人目のお子さんが生まれた頃にテレワークの運用が開始されましたが、当時からテレワークを活用されていたのでしょうか?
  • 私は2017年11月に一人目を出産後、復職しましたが、当時はまだ部門内にテレワークが浸透しておらず、「仕組みはあるけど誰も利用しない」という状況でした。
  • 今とは全然違う環境だったのですね。では、出社勤務で子育てとの両立を目指されていたのでしょうか。
  • はい。子どもの突発的な発熱でたびたび出社できない日もあったのですが、当時はテレワークを利用してまで業務するという発想がなく…。本当に子どもはよく体調を崩すので、保育園からの呼び出しもよくありました。急遽お休みする場面が多々あり、メンバーにはその都度「ご迷惑をおかけし申し訳ございません」のワードを繰り返して。もう、ストレスでしかない!という感じでした。
  • 大事な日に限って発熱、パートナーにお願いできないタイミングに限って感染症…、子育て経験者の多くが「分かる分かる」という感じではないでしょうか。私も子どもを保育園に預け、1時間かけて出社したのに、着いたらすぐ保育園から呼び出しという経験があります。「仕方ないよね、早く良くなるといいね」などと、周囲の方も理解を示してくれたとしても、タイミングや頻度によってはとてつもなく心苦しいという、多くの子育て経験者の本音もよく耳にします。
  • ただ悪いことばかりでもなく、働き続けることは社会とのつながりも維持できますし、自身のメンタルケアにもつながっていると思っています。実際に仕事をしていると、メンバーとの何気ない会話でリフレッシュできますし、同じ部門に先輩ママもいるので保育園・小学校の情報、子育て支援のイベントや施設について教えてもらったり悩みを聞いてもらうなど、色々情報交換もできて助かっています。
  • 育休中は毎日育児に専念し、子どもと向き合い続けなければいけなかったという経験の大変さを語る復職者は多いです。社内で「ワーママミーティング」という主に外勤で子育て中の女性社員が悩みを持ちよりアドバイスしあう座談会を定期的に開催していますが、そこでも「ランチを平和に食べることができる幸せを感じた」、「自分一人の時間が嬉しい」、「パートナー以外の大人と話す時間が新鮮」、「何よりも、自分の働きに対して「ありがとう」って言ってもらえるって、家にいると感じられない!」というコメントが参加者から多くの共感を呼んでいました。
  • 一方で、介護と仕事の両立の大変さはまだ世間一般からの理解が追い付いていないことも多いと思いますが、山下さんはいかがでしょうか。
  • そうですね。介護と一口に言っても、例えば介護申請やケアマネージャーの手配、自宅の改築など様々ある上、経験しなければ分からないことも多く、家族の負担はとても大きいと感じています。介護の状況、自分の今の状況を同僚や部下に伝え、理解してもらうことが大切だと感じています。介護も子育てと同様、家族が急に体調を崩したり転倒するなどで突如として対応や休暇が必要になる場面がたくさんあります。
  • 例えば事故や病気などで周囲の方に助けが必要になるケースは誰しもあることと言いながらも、実際には自身が直面しないと分からないこと、想像が及びにくいこともあるように思います。

テレワーク制度があっても利用しづらい!?運用開始当初の困難

  • 高木さんの先ほどのお話では、2017年の運用開始当初はまだ職場内でテレワークが活用されていなかったとのことでしたが、どのような要因で使われていなかったのだと思いますか?
  • 一番大きいのは情報共有の問題だと思います。ECサイトの運営にはチームメンバーとの詳細かつリアルタイムの情報共有が必要不可欠です。問い合わせ対応業務も営業時間内に届いたお客様からのお問い合わせに対して、複数メンバーで連携しながらタイムリーに回答する必要があり、同じ空間で仕事することが当たり前でした。そのようななかでも、当時は会社がテレワーク推奨日(テレワーク・デイズへの参加)を設定していたので、その日にテレワークを実施してみたことがあります。
  • そうした取り組みもありましたね!で、実際活用してみてどうでしたか?
  • あくまで“推奨”だったので、テレワーカーメンバーとオフィス出社メンバーとに分かれてしまいました。この場合、テレワーカー側には疎外感や漠然とした不安感もありました。例えば、突発的な打ち合わせがあった場合、社内にいるメンバーだけで完結してしまい、事後報告で知ることもありました。
コニカミノルタジャパン テレワーク推奨日の様子

テレワーク推奨日の様子

  • なるほど。異なる場で働くメンバーの疎外感への配慮不足は、そもそもテレワークの経験が浅かったことや、オンライン会議に不慣れだっただけなのかもしれないですね。一方の山下さんも当初はテレワークを活用していなかったとのことですが、それは業務内容から出社を余儀なくされていたという感じでしょうか?
  • はい。全ての業務が紙での承認フローだったので、出社対応が必須となっていました。電子化は「システムへの高額投資が必要」、「不正防止の担保を取れない」などの懸念もあり、あまり前向きに取り組んでこなかったという経緯があります。

コロナ禍でテレワークを活用せざるを得ない状況に。これまでの課題をどう改善した?

  • お二人とも、社内でテレワークの制度ができてから3年ほどはあまり積極的に活用されていなかった状況だったのですね。コロナの影響で全社員がテレワークでの勤務を余儀なくされたことをきっかけにして、高木さんの周囲の環境も大きく変わったのではないでしょうか。
  • そうですね。今ではほかのメンバーも同じくらいの頻度でテレワークしているので、私も気兼ねなく利用できるようになりました。慣れると、思っていた以上に仕事が捗って驚いています。以前は課題に感じていたメンバー間の口頭での情報共有もTeamsのチャットに置き換わり、出社時と変わらないコミュニケーションができています。また、メンバー同士の打ち合わせを行う際も会議室の空き状況を心配することなく、参加者の時間さえ合えば思い立ったタイミングですぐに開催できるようになったことも、テレワークのメリットですね。
  • ほかのメンバーも子育てなどの背景の有無にかかわらず同じくらいの頻度でテレワークというのは一つのポイントのように思います。組織全体のコミュニケーション手段が変化したことは、ビジネスを止めないという観点からもいい影響がありそうですね。山下さんの職場でも、コロナ禍でいよいよテレワーク対応に舵を切ったという感じでしょうか。
  • そうです。ヘルスケア事業として業務を止めることはできないけれど、会社での感染防止を図りたい!という一心で所員一同がテレワークの導入に向けて様々な環境整備を取り組んだ結果、テレワークができるようになりました。当初は不可能と思っていましたが、一度テレワーク勤務をしてみたら意外と業務ができました。もうテレワークのない働き方には戻れないと思ったくらいです。
  • 山下さんだけでなく業務センターの皆さんも働き方を見つめ直し、変化させてきたのですね。テレワーク導入に向けた環境整備の取り組みとは、具体的にはどのようなものだったのでしょうか。
  • 決して高額なシステムを導入したわけではなく、既存業務の運用の見直しや手軽に導入できるシステムを活用して、業務のデジタル化を図りました。例えば、Microsoft 365のSharePointを使ったスムーズなデータ共有やTeamsを活用したコミュニケーションの不安払拭など、所員で知恵を出し合いました。紙での管理からデータ管理に移行するのは結構大変だろうと思っていましたが、想像以上にスムーズに移行できました。これによりテレワークが実施できるようになったほか、用紙の購入や不要な文書の廃棄が減り、経費削減にもつながっています。これを機に所員皆が働き方を変えようと真剣に考えるようになり、運用改善も自分たちで行っていくことで、DXに対する関心も向上したと感じています。
  • 所員の皆さんのマインドも大きく変化したのですね。
  • はい。新しいことへのチャレンジには臆病になりがちですが、いざ必要性を理解し、自分事として捉えられるとスピーディーに対応してくれる頼もしい所員です。目指す姿をしっかり共有することで、当初の予定より短期間、約6~8か月でテレワーク運用を実現することができました。
コニカミノルタジャパン 福岡オフィスの様子

福岡オフィスの様子

テレワーク定着後、子育てや介護と仕事の両立状況は変わった?

  • 現在のような頻度でテレワークを活用するようになり、良かったと思えることは何でしょうか?
  • やっぱり家族との時間を捻出できたことは本当に嬉しいですね。通勤時間を家事の時間に置き換えたり、フレックスタイム制を活用して勤務時間中に数時間中抜けして子どもの行事にも参加するなど、様々できるようになりました。それから、子どもの突発的な発熱の時にも柔軟に対応できるようになり、保育園から突然呼び出されてもすぐにお迎えに行き、子どもが寝ていれば仕事をすることもできるようになりました。とは言え、うちの子達は2~3歳ごろまではママにべったりだったので、ケースバイケースではありますが(笑)
  • 確かに子どもにとっては、仕事中のママか、家族サービス中のママかの区別はつきませんから、対応可能な仕事は限られますね。山下さんは現在、ご両親の介護をしながらテレワークを活用し両立を図っていると思いますが、柔軟な働き方が実現できたことによるメリットはありますか?
  • 勤務時間に縛られず、家庭での問題解決も随時行えることから、心理的余裕が出ています。以前は妻が一人で両親の介護を対応してくれていたのですが、父親が車の免許を返納してからは負担が増えていました。私の働き方が柔軟になったことで、両親の通院時の付き添いなどを分担することができるようになりました。
  • お二人の介護を奥さま一人で担われていたとのこと、きっと想像を超える大変さがあったことと思います。介護をしていない方でも、パートナーから「洗濯物を入れておいて」とか、「宅急便を受け取っておいて」など、テレワーク中に家のことを頼まれる機会が増えたという話を聞きます。家族のお願いごとや頼りたいことって、本当はこれまでもたくさんあったのかもしれないですね。
  • 業務センターでは約50名の女性社員が勤務していることもあり、パートナーの転勤をはじめ出産、介護など、様々なライフイベントとテレワークを活用した勤務体制の需要が今後ますます大きくなると感じている所員は多いと思います。実際に昨年パートナーの転勤で退職を考えていた所員がいましたが、パートナーの転勤先でテレワーク勤務をしながら十分な成果をあげています。退職から一転、今まで通りの勤務ができることは対象社員のモチベーションのアップにもつながりますし、他の所員へも多様性のある働き方を提案することで、離職率を下げる効果が期待できると考えています。
  • 離職率を下げる効果に加え、通勤時間を仕事の時間に充てることで「時短勤務」せずに済んでいる、という声も聞きますので、一人ひとりの能力発揮機会にも大きな影響がありそうですね。
コニカミノルタジャパン 山下さん

テレワークや多様な働き方を受け入れるために気を付けたい職場環境づくり

  • お二人のように、「テレワークの活用で柔軟に働けるようになった」という声を聞く一方で、「ほかのメンバーから家庭の状況の理解を得るのが難しい」という新たな悩みの声も社内で増えているように感じます。先ほど高木さんも「ケースバイケース」と仰っていましたが、例えば“子どもの体調不良”という状況一つとっても、テレワークしても大丈夫なケースもあれば、全く無理!というケースもあり、パートナーと交代で働いて凌ぐという話も聞きます。
  • 自分や周囲の別の方の子どもと近い年齢の子どもがいると聞くと、ついその子の対応の時と比べてしまいがちですが、子どもの性格、成長度合い、子育てへの考え方など、子育て環境は一人ひとり異なります。周囲の方も自身の思い込みで決めつけず、ご本人と話しながら、将来も見据え、本人にとって本当に必要なサポートが何かを考えていく必要があるかと思います。子育て中はつい「できないこと」に目が行きがちですが、「できること」を際立たせるスタンスの方がより一層大事だと思います。周囲の理解も得やすくなり、結果、両立がしやすくなるのかもしれません。
  • 本当にその通りで、両立を実現するためには周囲の人にも理解を深めてもらうことが一番大切だと思っています。子どもの成長にも個人差がありますし、子どもが一緒で仕事が捗らないと思う場面ももちろんあります。仕事と子育てを一人で同時対応することはできないので、私は「無理をしない。しんどい時は誰かに頼る。」と決めて働くようにしています。
  • 一人で背負いすぎないというのは大事なスタンスだと思います。子育てにおいても、仕事においても、この「頼る」ことをきっかけに、多様な視点が入り、より良くなるということは多くあると思います。また、子育て中の社員が周囲を「頼る」ことで、組織に少しずつお互い様精神が芽生え、助け合いが日常となり、子育て中だけでなく、様々な背景を持つ社員が働きやすくなることと思います。復職した社員の働き方を組織で検討するなかで、メンバー全体の仕事の仕方を見直す組織も増えているように感じます。「頼る」ことをきっかけとした組織の変革可能性は無限大ですね!
  • 山下さんは、ご自身が介護のために制約を受ける時間帯でも、組織長として自職場の業務を止めずに回すための工夫はされていますか?
  • 周囲の所員でカバーできるように、毎日Teamsで朝会を開催して、当日のスケジュール確認や現状について共有しています。まずは周りの共感を得ることが大事です。ライフステージは所員それぞれ異なりますが、「困ったときはお互い様」の精神が根付きつつあります。
  • 介護については日々変わる状況について、自分の言葉で想いとともに共有することは、相手の気持ちに働きかける上でとても重要ですね。
  • 私の部内では、私自身の経験や、チーム内で同じく育休、時短勤務のメンバーが増えてきたことを受け、最近チーム体制の見直しを行いました。基本的に一つの業務に2名以上が携わるようにして、突発的に休まなければいけないときにもほかのメンバーでカバーできるように体制を整えました。ほかにも、フルタイム勤務のメンバーに業務負荷が偏りすぎないように始業時間をずらしたり、あるいは業務差配をしたり、チーム全員が心地よく働けるように工夫をしています。
コニカミノルタジャパン 高木さん
  • なるほど。特定の誰かのためにほかの誰かが犠牲になるという考え方ではなく、「チーム全員」が主体で見直しを行ったところは大きなポイントではないでしょうか。チーム体制や業務改善について、「子育てや介護などへの対応は割と理解されやすいのでみんな言うけれど、実は…」という話を聞くことがあります。大事な課題提起や気付きが「言い出しにくい」として埋もれていたケースも、この見直しにより解消、または一歩前進につながっていそうです。山下さんも組織に対して自己開示をしたことで、ほかの方も自己開示がしやすくなったのではないでしょうか?
  • はい、テレワークの活用も相まって所員も自分の状況の報告や相談をしやすくなったようです。以前は個人的な相談があれば会議室を予約する必要がありましたし、そもそもほかの所員の目が気になって相談しづらいという雰囲気があったようですが、テレワークであれば周りを気にすることなくオンライン会議やチャットで相談することができます。上長としても所員に寄り添える環境ができて良かったと思います。
  • 確かに、周囲の社員には見えない形での相談に対するハードルがテレワークで下がったと思います。ただ、誰しもが自宅に専用スペースがあるわけではないので、テレワーク中でも本当に話しやすい状況にあるかの確認は必要かもしれませんね。

まとめ

  • 子育てと仕事の両立を実現している高木さんですが、今後チャレンジしてみたいことはありますか?
  • 今は、子どもたちとの時間を楽しみたいですね。長男は最近サッカーに目覚めたので、彼の頑張りを応援したいなと思っています。子どもたちに関われる時間は、思っている以上に少ないですからね。
  • 子どもが小さいうちは毎日がとにかく忙しくて、いつまでもそんな時間が続くような錯覚を覚えるという声もよく聞きますが、13歳や16歳で親元を離れる人も少なくはないですし、友達との時間も増えていくと思うと、子どもと濃密に過ごす時間は人生100年のうちの本当に少しの貴重な時間かもしれないですね。最後に高木さん、山下さんから、今後育児や介護への対応でテレワーク導入を考えている読者の皆さまに向けて、一言ずつお願いします。
  • 子育てしながら働くのは想像以上に体力を使います。体調・メンタル管理は最重要項目だと思います。しんどいときは無理せず誰かに頼ってください。家族・友人・同僚…仕事や育児のフォローだけでなく、話を聞いてもらうだけでも気持ちが軽くなりますよ。毎日、大変ですが、子どもたちだけでなく、自分のケアも大切に。一緒に頑張っていきましょう!
  • テレワークは遠隔地勤務や介護・育児でも有効な働き方であると証明されています。多様性の求められる働き方は今後も様々なトライをすることで実現できるものと思いますが、そこで皆さんに一つお願いがあります。それは、皆さん一人ひとりの働き方の困りごとを口に出して発信して欲しいと言うことです。私の場合は、管理者という立場もあり、改革を進めやすい状況でしたが、当センターに勤務している社員のなかにも現状の問題を抱えても言えない方が多くいます。介護は実際経験するととても大変なのに、この大変さを周囲の人に理解してもらうことがまだまだ難しい状況です。困ったことがあれば積極的に声を上げ、周囲の理解が進めば、皆で知恵を出し合って働き方を変えることができると思います。何事も諦めずに皆で考えましょう。新しい働き方が、今後定着することを願っています。
  • お二人とも、今日はありがとうございました。高木さん、山下さんの話の共通点として、いかに周囲の理解を得るか、周囲の共感を得て、みんなでどうしていくと良さそうかを考える、ここにポイントがあるように感じます。テレワークという一つの手段を既存の仕事に組み込む際は、今困っている当事者のためだけではなく多様な視点を持って未来に困りうることも想定する。これを組織全体で考えていくことで、よりテレワークの活用が進んだ結果、多様な人財が活躍できる職場になるのだろうな、と感じました。そういった好循環を生む秘訣が、“頼ること”と“自己開示”なのかもしれません。

コニカミノルタジャパンでは今回ご紹介した2名のような働き方を実現できる環境づくりのご支援をしています。お気軽にご相談ください。支援内容については以下のページでご紹介していますのであわせてご覧ください。

次回は、テレワーク中のマネジメントの方法や考え方についてインタビューをします。お楽しみに!

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いいじかん設計 編集部

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