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2022年9月27日

オプトアウトとは?販促メールの配信時に気を付けたいポイントを解説

オプトアウトとは?のサムネイル」

マーケティング施策、特に販促のメール配信などでオプトアウトやオプトインという言葉はよく耳にするのではないでしょうか。しかし、これらをなんとなく理解しているだけでは意図せず法律違反をしてしまっている可能性も。
リスクを回避するためにも、オプトアウト・オプトインの理解を深め、正しい情報発信を行っていくようにしましょう。

オプトアウトとは?

オプトアウトは英語の、選ぶ・決めるという意味の「Opt」と、外に出るという意味の「Out」が組み合わさった言葉で、不参加や脱退という意味合いがあります。マーケティングにおいてのオプトアウトは、主に、販促を含むメールマガジンやメッセージを配信する施策に関連するワードとして用いられます。

マーケティングにおけるオプトアウトとは

顧客への許可を得ずに販促のメールマガジンやメッセージを配信することをオプトアウト方式と呼びます。一方的に情報が配信できるため、不特定多数に大量のダイレクトメールを配信する業者などが増加したこともあり、現在は特定電子メール法により、この方式を用いての販促を含むメールマガジンやメッセージなどの配信は禁止されています。また、以下のようなメールの場合には特定電子メール法にあたらない場合もありますので、内容をしっかり確認するようにしましょう。

  • 取引上の条件を案内する事務連絡や料金請求のお知らせなど、取引関係に係る通知メール
  • 単なる時候の挨拶であって、広告や宣伝の内容を含まず、宣伝のウェブサイトへの誘導もしない電子メール
  • 名刺などの書面で自身のメールアドレスを通知した場合の電子メール など

最新の情報は、総務省のページにてご確認ください。

オプトアウトと一緒に知っておきたい、オプトインとは?

オプトアウトの理解を深めるためには、オプトインを理解しておくことも重要です。
オプトインとは、オプトアウトの対義語に当たる意味を持ち、顧客に事前に配信の許可を求めることを指します。例えば、会員登録時に「キャンペーンやお得な情報をお送りしてよいですか?」といった同意を求め、受け取りの許可・拒否が選べるようになっている項目を設定するなど、販促の情報を配信してよいか事前に同意を求めること、また顧客がそれに対し意思表示を行うことをオプトインといいます。

オプトアウト / オプトインの方式の違いについて

それでは、メールの配信を例に、オプトアウトとオプトインの違いについて解説します。

オプトアウト方式のメール配信

メール配信におけるオプトアウト方式を図解

オプトアウト方式にてメール配信を行う場合には、名刺交換や会員登録など顧客の意思によって提供されたアドレスへ、送信側は自由にメールを送信することができます。ただし、受信する顧客側がそれを不要とした場合、配信停止の意思表示を行うことで、停止することができます。

現在特定電子メール法により、販促のメールなどはこのオプトアウト方式で送ることは禁じられています。必ず、オプトイン方式で配信するようにしましょう。

オプトイン方式のメール配信

メール配信におけるオプトイン方式を図解

オプトイン方式にてメール配信を行う場合には、事前に情報を受け取るという意思表示を得ておく必要があります。例えば、会員登録時に販促のメルマガを送ってよいか、などといった項目を設け、事前に許可を得て初めて販促のメールを送ることができるようになります。
つまり、オプトアウト方式とは逆に、オプトイン方式では顧客側に配信についての主導権があることになります。これにより、覚えのない情報を受け取った場合などにも苦情を申し立てしやすい仕組みとなっています。

特定電子メール法について解説。オプトアウト方式からオプトイン方式へ

インターネット環境の普及により、オプトアウト方式で不特定多数に大量のダイレクトメールを発信する業者などが増加し、迷惑メールとして問題になったことなどを背景に、2002年に特定電子メール法が制定されました。また、2008年の改定で、販促メールなどの営業行為が含まれる情報配信においてオプトイン方式で送ることが規定され、オプトアウト方式は禁止となりました。

特定電子メール法とは

特定電子メール法とは、正式には「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」と言い、迷惑メールなどの増加に伴い2002年に施行された法律です。その後改正を重ね、規定や罰則強化などが行われています。
特定電子メールとは、「営利を目的とする団体及び営業を営む場合における個人」である送信者が「自己又は他人の営業につき広告又は宣伝を行うための手段として送信する電子メール」のことです。
例えば、メールの内容が、新商品の宣伝やセールの情報などだった場合には特定電子メールと言えるでしょう。その他、広告・宣伝のためのWebサイトへ誘導するSMSでのメッセージも含まれます。一方、取引上の事務連絡や料金請求等の通知で、広告・宣伝のWebサイトへの誘導などをしないメールなど、特定電子メールに当たらないものもあるため、配信内容が該当する内容であるかをしっかり確認するようにしましょう。
2008年には迷惑メールの手口が悪質・巧妙化していること、海外からの迷惑メールの急増などにより法改定されました。
この法改定によるポイントを解説します。

同意者だけにメールを送れるオプトイン方式を導入

事前に配信の許可を得た顧客に対してのみ配信を許可するオプトイン方式を導入。オプトアウト方式によって同意なく配信した場合には法律違反となり、罰則の対象となりますので注意しましょう。

さまざまな具体策で法の実効性を強化

法の実効性を強化することにより、迷惑メールの抑制を一層強化するため以下の規制が設けられることとなりました。

①架空電子メールアドレスを宛先とする電子メールへの対策

迷惑メール等は通常、送信者情報や送信元のアドレスを偽っていることが多いため、このような電子メールの送信がされた場合に、電気通信事業者が電子メールサービスの提供を拒否できることを明確化しました。

②罰則の強化

法人に対する罰金額について現行の100万円以下から3,000万円以下に引き上げるなどの罰則の強化を行いました。
また、電子メールアドレス等の契約者情報の提供を求めたり、送信委託者を総務大臣の報告徴収及び立入検査の対象とし、違法な送信に責任がある送信委託者に対して、必要な措置を命ずることができるようになりました。

迷惑メールの発信源となる諸外国と連携

対策を行う外国の執行当局に対し、その職務に必要な情報の提供が行えるようになりました。また、海外発国内着のメールが法の規制対象となることが明確化されました。

いずれにおいても、悪質な迷惑メールを取り締まるための法改正であり、規定に従い適正な情報発信を行っていれば、対象になることはありません。

適正な情報発信を行うための、重要ポイントまとめ

オプトアウト / オプトインの違いや、特定電子メール法について解説しましたが、実際に販促施策として情報発信を行っていくうえで、戸惑う点も多いと思います。
実際にどのように対応していく必要があるかをポイントにまとめました。理解を深め、漏れなく対策を行っていきましょう。

広告や宣伝などの配信はオプトイン方式で行いましょう

前述の通り、広告や宣伝を含む販促系の発信についてはオプトイン方式とするようにしましょう。会員登録時の項目に含むようにしたり、Webサイトのポップアップなどでメールマガジン購読を促すなど、オプトイン方式で配信の許可を得られるような仕組みを作りましょう。

メール以外にも特定電子メール法に該当するものがあることを知っておこう

特定電子メールと記載されているため、メールだけが該当するものと解釈してしまいがちですが、広告または宣伝を行うための手段として配信されているものと考えられるものは、特定電子メールに該当すると規定されていますので注意が必要です。

広告宣伝Webサイトへ誘導するメール・SMS

営業目的でサービス・商品等に関する情報を掲載したり、同様の目的のWebサイトへの誘導が、配信内容に含まれる電子メールや、SMS(ショートメール、SMS)が対象になります。

他の目的を装って営業目的のWebサイトへ誘導するメール

SNSも、招待・懸賞当選の通知や、友達からのメールなどを装って営業目的のWebサイトへ誘導しようとする電子メールの場合、対象となります。

特定電子メールに該当しないケース

下記のように、特定電子メールに該当しないケースもあります。メール内に広告・宣伝が含まれないことがポイントになりますが、下記は一例のため、規定に該当するか否かは規定をしっかり確認の上、対応するようにしましょう。

  • 取引上の条件を案内する事務連絡や料金請求のお知らせなど、取引関係に係る通知であって広告又は宣伝の内容を含まず、広告又は宣伝のウェブサイトへの誘導もしない電子メール
  • 単なる時候の挨拶であって、広告や宣伝の内容を含まず広告又は宣伝のウェブサイトへの誘導もしない電子メール
  • 政治団体・宗教団体・NPO・労働組合等の非営利団体が送信する電子メール

など

配信する情報に記載義務が伴うものがあります

オプトイン方式で許可を得た顧客に配信する情報には、記載義務を伴うものがいくつかあります。漏らさず明記するようにしましょう。

配信停止ができるようオプトアウト方法(停止方法)を明記する

オプトイン方式で許可を得たといっても、顧客が情報を不要と判断した時点で配信停止ができるよう、オプトアウト方法を明記しておく必要があります。
例えば、配信停止を伝える連絡先や、配信停止希望のフォームなどへのURLなどを掲載します。もし、意図的にわかりにくい表現や見つけづらい場所に記載されているとみなされた場合は、法律に触れる可能性があるため、注意しましょう。

送信者の氏名または名称、住所などを明記する

特定電子メール法では、送信者の氏名または名称、住所などの送信者情報を表示することも義務付けられています。この際、送信者情報は必ず本文中に明記する必要があります。詳細をWebサイトのリンク等で誘導するような表現はNGとなります。

問い合わせ先の電話番号またはメールアドレスを明記する

問い合わせやクレーム、意見等を受け付ける電話番号やメールアドレスの記載も義務付けられています。これらについては、Webページへのリンクの記載も可能です。

メールへの表記例

実際にメールに表記した場合の事例を紹介します。

特定電子メール法を考慮したメールへの表記例

① オプトアウト方法の記載
情報が不要となった際には速やかにオプトアウトできるよう、希望すれば受信拒否できることのお知らせと、その方法(配信停止ページのURLなど)を記載します。

②送信者の氏名または名称、住所
送信者の正式な氏名または名称と、所在地の住所を明記します。送信者の住所は、住所を明記したページへのリンクでも可となっています。

③問い合わせ先の電話番号、メールアドレスまたはWebページへのリンク
問い合わせ先の情報を明記します。送信者の住所と同様に、問い合わせページへのリンクでも可となっています。

2022年8月現在、メール配信などを介して販促施策を行う場合にはオプトアウト方式ではなく、オプトイン方式で事前に顧客の承諾を得る必要があります。
企業にとって重要な施策の一つとなっている販促メールや広告の配信について、特定電子メール法に照らし合わせ、対策が不十分になっているなどのリスクが潜んでいないか、改めて再確認をされてはいかがでしょうか?

コニカミノルタジャパン 白井杏奈

コニカミノルタジャパン株式会社 白井杏奈

Profile:大学卒業後、静岡のIT企業にてプロモーション業務(広告運用、Webサイト制作、オウンドメディア運営、展示会対応、デザイン業務)に従事。その後、MAツールベンダーのデジタルマーケティングを担当。現在はコニカミノルタジャパンにて、Printバルの拡販を行うべくグロースハッカーとして勤務している。