ソーシャルイノベーション
超高齢社会が直面する介護の課題にソリューションを‐HitomeQ ケアサポート
関連するSDGs
デジタル介護過程®の導入により、高齢者と高齢者を支えるすべての人のQOL向上を実現
近年、日本の社会では要介護者の増加にともなって介護人材の不足や社会保障費の増大が社会問題となっています。こうしたなか、コニカミノルタは独自の画像センシング技術と、介護現場の知恵や経験を融合した「HitomeQ (ひとめく) ケアサポート」で、高齢者と高齢者を支えるスタッフのQOL向上に貢献しています。
天井に設置した近赤外線カメラと、動きを感知するカメラ型AIセンサーにより、施設の入居者の行動を解析します。従来の経験豊かな職員に頼った主観的評価に基づく介護過程から、画像センシングから得られるデータを活用した客観的評価に基づくデジタル介護過程®に、オペレーションを変えます。これにより、エビデンスに基づいた一人ひとりに最適なケアの提供が可能になります。例えば、事実に基づいた転倒対策を行えるようになった結果、同サービスを導入した施設では転倒数が約80%削減されました。さらに、スタッフ間で平準化が図られ、大幅に業務が効率化されました。これにより、適切な人員での施設運営が可能となり、ケア品質向上とともに施設運営の安定化へ寄与します。実際に、情報共有や訪室業務等の効率化により平均で約30%の介護スタッフの業務効率化を実現しています。
2021年4月の介護報酬改定により、日本の介護は科学的介護に大きく舵が切られました。HitomeQで取得できるデータに基づき、高齢者一人ひとりの状態を正しく把握し、適切なリハビリを提供することで、高齢者のADL(※)維持・向上を図り、要介護度の悪化を抑制し、社会保障費削減に寄与することを目指しています。
※ADL:日常生活動作(Activities of Daily Living)のこと。最低限の日常生活が自力でどの程度行えるかを示すもので、寝返り、起き上がり、更衣、食事、排尿、排便、入浴、移動、階段昇降などの動作のこと。