MAでお客様を可視化し、印刷物の価値向上に取り組むシンセイ印刷。Printバルを選んだワケと活用方法
企業プロフィール
企業名
:
有限会社シンセイ印刷
所在地
:
愛知県一宮市猿海道3丁目10番3号
設立年月日
:
2005年
従業員数
:
8名
地元・愛知県一宮市を商圏に印刷業を手掛けるシンセイ印刷
「伝える。つながる。」にこだわるデザイン力を強みに、地元である愛知県一宮市に拠点を置く企業の事業発展に貢献する印刷会社、有限会社シンセイ印刷(以下、シンセイ印刷)。チラシやリーフレット、ポスター、看板といった企業、官公庁の広告物をはじめ、製造業、小売業向けの事務用印刷物、そしてWebデザインや映像などを手掛ける同社では、印刷業界におけるトレンドの移り変わりに対して危機感を持っていたという。自ら営業活動し、オフセット印刷の現場にも立つ同社代表の野田 直人氏に、印刷業界の変化について、お話を伺った。
「有限会社に組織変更してから20年近く経ちますが、近年の印刷業界では、印刷物1枚の価値が下がっている印象です。弊社の例を挙げると、オフセット印刷では数十枚、数百枚程度は簡単に印刷できるのですが、お客様からは『そこまでの量はいらない』と言われてしまうケースがいくつかありました。また、印刷物に対する消費者のレスポンスも弱まりつつあると感じています。
こうした印刷物を取り巻く環境の変化の中で、今後も自社の事業規模を維持していくためには、生産性と収益性を改善するだけでなく、印刷物1枚の価値とお客様の情報の価値に向き合い、その価値の向上に取り組まねばなりません」(野田氏)
「MAでお客様を理解したい」過去に2つのMAを導入して感じていた課題とは
印刷物とお客様の情報、双方の価値を高めるために必要なアクションとして、野田氏が最も重視したこと、それは「お客様の理解」だ。営業の現場で感じたことに加え、データでもお客様を理解しようと考えていた野田氏は、インターネット上で情報を収集する中でMAに着目したという。一般的にMAは、マーケティングを自動化し、見込み顧客との関係を構築していくツールとして導入されるが、野田氏はお客様の情報を集約、可視化できるツールとしてMAに対する期待があったと、MA導入以前の当時を振り返る。
「MAは活用の幅がとても広いツールであり、当時から将来的に絶対必要になると感じていました。もし手作業でお客様の情報を取りまとめ、事業に活かしていくには、とてつもない作業量になり、充分な分析ができません。また、お客様に対しても、将来的にMAはおすすめすべきツールだと考えていました。そこでまずは自社でMAを導入すべきとの結論に至ったのです」(野田氏)
Printバルを導入する以前、同社では2つのMAを試験的に導入していた。どちらのツールも無料・低コストであることが特徴だったそうだ。しかし、試しに導入してみたものの、MAとして必要最小限の機能しか実装されておらず、お客様理解という活用方法までは応用ができなかった。加えて、通常のMAとして利用しようにも、印刷業とは相性が悪いように感じたという。
「印刷業向けに開発されたPrintバルとは違い、一般企業向けのMAは、メルマガやブログ記事などで自社から積極的に情報を発信できることを前提として設計されています。つまり、『この印刷機でどんな商品を制作できるか』『どのような企業に販売するか』といった自社サービスの情報を確実に把握し、自ら発信する必要があるのです。
しかし印刷業は基本的に受注型の産業であるため、お客様からの問い合わせに対しては適切にご提案できるものの、お客様がいない状態から企画して自ら販売していくことが、比較的苦手なのです。そのため、以前に導入していた2つのMAを活用した試みが失敗しました」(野田氏)
チラシに付与するユニークQRに対応していたことが、Printバル導入の決め手
印刷業のビジネスモデルや課題に寄り添ったMAを探していたところ、野田氏が出会ったのがPrintバルだった。過去に導入していた一般的なMAと違い、Printバルにどのような魅力を感じたのだろうか。野田氏は「一番のポイントは、ユニークQR(トラッキングQR)をうまく活用できることだった」と話す。
「過去のお客様との取り組みで、チラシに対するリアクションを計測しようとチラシにユニークQRを付与したことがあったのです。ユニークQRとは、一点一点個別の情報が入ったQRコードのことで、読み取り時に個別の情報を取得することができます。このユニークQRとMAを組み合わせることで、より細かくお客様を理解できないかと考えました。
過去に導入していたMAとはうまく組み合わせることができませんでしたが、PrintバルにはユニークQRを作成する機能が実装されていたことが魅力です。QRコードを作成するコト自体は、それほど難しい技術は必要ありませんが、一つひとつ作り分けるユニークQRの発行には手間と時間がかかります」(野田氏)
MAとユニークQRを掛け合わせ、アナログとデジタルの双方からデータを取得し、お客様の理解を深めることを目的に、同社ではPrintバルの導入を決定している。
展示会直前にPrintバルを導入。手厚いサポートで、1ヶ月半で導入が完了
Printバルの選定だけでなく、導入も代表の野田氏が手掛けている。以前に導入していたMAのうち一つは、自社でサーバを構築しなければならないオンプレミス型であったため、システムのバージョンアップを自ら行わなければならず、セキュリティーにも不安を感じていたそうだ。
その一方でPrintバルはクラウド型であるため、初期設定の簡単さだけでなく、自社でセキュリティー管理とアップデート作業が不要である点が高評価だと野田氏は話す。Printバルの導入にあたっては、ちょうど展示会に出展するタイミングが重なったこともあり、およそ1ヶ月半という短期間で集中して初期の設定が進められた。
「まず『Printバルをどのように活用していくか』をしっかり考え、MA活用の目的を設定しました。導入当時は開催が直近に迫っていた展示会に向け、会場で獲得したお客様の情報をいかに管理し、その後どのようなフォローをしていくかをあらかじめ決めています。その後、展示会で配布する資料に設置するユニークQRの作成や、開催後のフォローに関するシナリオを設計しました。
短期間でのMA導入でしたが、担当者の方からのサポートは盤石だった印象です。質問メールに対するレスが圧倒的に早かったため、初期設定をスムーズに進めることができました。メールでは、シナリオの設計といった基本的なことから、弊社独自の活用方法まで、さまざまな内容についてお聞きしています」(野田氏)
「お客様の理解」を掲げてPrintバルを導入した同社では、お客様の行動を知るために顧客情報の収集と蓄積に力を入れている。例えば、Webフォーム上からの流入と、印刷物上のQRコードからの流入、それぞれ別のタグを付与することで、顧客情報の分類したり、見込み顧客とフォーム営業目的の問い合わせを分類するため、Webフォームの棲み分けを行ったり、といった活用をしているという。
その中でも、お客様理解に活用しているのが、レポート機能とアクセス状況のページだ。特にお問い合わせをいただいたお客様の「足跡」、つまりどのページを閲覧して問い合わせにつながったのか、もしくは問い合わせ後すぐページから離脱せずにどのページを閲覧しているのかといった情報を、野田氏は日々確認している。
Printバルで失注したお客様データを可視化!結果、問い合わせ件数が2倍に増加
Printバルの導入によって、同社のお客様に対する理解はどの程度まで深まったのだろうか。引き続き、野田氏にPrintバル導入後の変化と成果について、お話を伺った。
「Printバルの導入で得られた情報の中で、私が最も重視しているのは、お問い合わせはいただいたものの、受注にはつながらなかったお客様のデータです。『興味を持っていただいたのに受注いただけなかったのは、一体なぜなのか?価格なのか?サービス内容なのか?』と考察を深めていく上で、失注したお客様が閲覧していたページや滞在時間といったデータが得られるようになり、これらは貴重な手がかりになります。
例えば、しっかり価格ページを閲覧した上でお問い合わせをいただいていたら、少なくとも価格が合わないことが失注の理由ではないはずです。失注してしまった案件を分析し、自社サービスの課題を一つひとつ解決していくことで、受注率を向上させることができると考えています。
また、失注したお客様に対しても、期間を空けて掘り起こしのアプローチにも取り組んでいく予定です」(野田氏)
Printバルでお客様の理解を深めると同時に、お客様が求める情報をしっかりお伝えできるようにと、自社Webサイトの改修も進められている。サイト上のページ構成に手を加え、お客様が自社サイト内を回遊できるように工夫したことで、1, 2ページ閲覧しただけで離脱するケースが激減したという。
その結果、導入前後の1年で比較をすると、アクセスユーザー数でおよそ8%の増加、ページビュー数で44%の増加、そしてお問い合わせの件数も週平均5件ほどから、10件前後へと倍増していると野田氏は笑顔で語った。
マーケティングで営業を強力にサポートできている状態を目指して
獲得リード件数の最大化、ナーチャリングによる商談化ではなく、ビジネスとして重要な「お客様の理解」にPrintバルを活用している同社では、今後もお客様にとっての「印刷物1枚の価値」を向上させるために取り組みを続けていく予定とのことだ。今回導入いただいたPrintバルの活用、そしてマーケティング施策における今後の展望についてお聞きした。
「マーケティングの最終的なゴールは、自社の営業を強力にサポートできている状態です。Printバルで可視化した情報をもとに、お客様が印刷物に対して本当に求めている価値を理解した上でご提案ができれば、印刷業として最高のお取り組みができると信じています。
弊社は少人数の会社ですので、階段を登っていくように地道かつ着実な成長を続けていきたいですね」(野田氏)
取材の最後に、今回の取り組みを振り返って感じられたPrintバルの価値と導入をおすすめできる企業像について、野田氏ご自身のお考えを伺った。
「弊社のように地元が商圏である企業にとっても、お客様数が多い商材を扱っている企業にはPrintバルをおすすめできると思います。リピート率が高い、昔から変わらないお客様との取引がある企業でも、意外とそのお客様の本当のニーズを理解していないケースがあるのではないでしょうか。
Printバルは、そうしたお客様の隠れたニーズを可視化できるMAだと思います。もし活用方法がよく分からなくても、手厚くサポートしていただけますので、心配は無用です。私自身、MAは企業の将来に必ず役に立つツールであると思っていますので、どのMAを導入すべきか迷われている企業があれば、Printバルをぜひ検討してはいかがでしょうか」(野田氏)