新執行役インタビュー

私たちの競争力の源泉は、
アイデアの創造と、絶え間ないイノベーション

執行役
Konica Minolta Business Solutions U.S.A., Inc. CEO

リチャード・テイラー

リチャード・テイラーが率いるKonica Minolta Business Solutions U.S.A社は、お客様のための新しい価値創造、そして企業としての持続的な成長のため、事業戦略から従業員教育に至るまで企業経営のあらゆる領域において、イノベーティブな取り組みを進めています。

執行役
Konica Minolta Business Solutions U.S.A., Inc. CEO

リチャード・テイラー

Profile

情報機器業界の大手企業で要職を歴任した後、2008年にKonica Minolta Business Solutions U.S.A., Inc.に入社。2016年4月、同社のCEOへの就任と合わせて、当社では初となる外国人執行役に就任。

Q1
現在、北米市場におけるコニカミノルタの成長を牽引しているものは何でしょうか?

メーカーからサービス・プロバイダーへの進化と、営業活動における“お客様志向”の提案力です。

私は、かつて講演で「コニカミノルタがトップティアになるには、業界の枠を超えてアップルやスターバックスなどの世界的な優良企業と競い合わねばならない」と語ったことがあります。
それを実現するためのキーワードが「サービス力」です。近年のコニカミノルタは、製造業という枠組みを脱して「サービス・プロバイダー」へと進化しつつあります。その代表的な取り組みが、複合機とITサービスとを組み合わせた「ハイブリッド型販売」です。これが北米市場での成長にも大きく寄与しています。
この業容転換を支えているのが、日々、お客様と接している営業担当者のイノベーションです。従来、当社の営業担当者は、地域別の組織で、一人で幅広い分野のお客様に対応する“ゼネラリスト”でした。しかし、業容転換で、お客様の課題解決につながるサービスを提案するためには、これまで以上にお客様理解を深める必要があります。そこで私は、新たに業種別の組織に変更することで、特定業種の“スペシャリスト”を育成する体制をつくりました。同時に、ITサービスのスペシャリストの養成にも注力し、彼らがチームで営業活動を展開することで、お客様ニーズへの対応力を高めることに成功しました。
こうした取り組みを続けてきたことで、コニカミノルタに対する社会的なイメージは大きく変化しています。例えば、「フォーブス500」において、当社は米国における「働きがいのある会社」として、初めて132位にランクされました。情報機器業界では当社のみでした。
この成果は、会社と従業員との信頼関係が起点となっていると私は考えます。従業員が会社のビジョンを理解して、その実現に向けて自らの役割を果たそうと努力し、そのために必要な学習機会を会社が用意する。このような姿勢がお客様にも伝わることで、「コニカミノルタを選んで良かった」と思っていただけるような信頼関係が生まれ、持続的成長へとつながっていくのです。

Q2
業容転換をさらに進めるために、高い能力を持った従業員たちに、何を期待しますか?

今では、お客様と同じ視点で考え、提案できるため、
お客様の満足度をさらに高めてくれると期待しています。

従来のような機器販売だけのビジネスでは、お客様満足度は機器の性能によってのみ左右されていました。一方、サービスを加えた現在のビジネスでは、お客様満足のファクターも多様化しています。それゆえ、私たちは、営業時だけでなく、導入から使用、更新に至る製品ライフサイクル全体を通じて、常にお客様に密着し、より多角的なサポートを提供することを心掛けています。
これにより、販売後はコミュニケーションが途絶えてしまうというお客様の不満を解消できますし、最適なタイミングで新たな製品やサービスを提案することも可能になります。その結果、お客様の要求に応えるという受動的なビジネスから、まだお客様自身が気付いていない課題を明らかにし、その解決策を提案するという、能動的なビジネスへと進化しているのです。

Q3
2011年に実施したAll Covered社の買収は、成長の促進と競争力の強化に、どのように寄与しましたか?

ITマネジメント分野への扉を開けるとともに、当社の成長戦略を補完し、
競争優位を維持させる貴重な財産となりました。

私たちは当時、成長戦略を補完し、当社がお客様にとって必要不可欠な存在となれるようなビジネスを探し求めていました。そこで大きな可能性を感じたのがITマネジメント分野でした。社外からスペシャリストを招聘すべく、戦略的なM&Aを推進しました。なかでも最大規模のものがAll Covered社でした。
M&Aにあたっての私たちのスタンスは、ある地域で最も優れた企業を買収し、そのオペレーションをグローバルに展開することで差別化を図るというものでした。従来の当社にはない、異分野のシニア・マネジメントを獲得し、その知識や技術、文化を融合できたことは、非常に有益なことでした。
なお、同社は今年、MSP(マネージド・サービス・プロバイダ)として米国トップ10に選ばれ、世界でも11位にランクされるなど、着実に成果を上げています。

Q4
コニカミノルタ初の外国人執行役に就任したことが、
北米市場でのオペレーションにどのような影響をもたらすでしょうか?

意思決定のスピードアップが図られ、グローバル規模でポテンシャルが高まっています。

社長の山名さんをはじめとした経営陣との関係がより緊密になり、情報をタイムリーに共有できるようになるため、よりスピーディな意思決定が可能になります。
コニカミノルタグループの共通目標は、“真のグローバルな組織”になること。そのためには、組織内の情報の流れをグローバル化し、世界中の従業員が自由に活用できるような環境をつくらねばなりません。世界各地のお客様から、より詳細で正確な情報をインプットし、それらを可能な限りオープンにして、製品やサービスの強化に役立てていく――私たちが競争の先頭に立ち続けるためには、こうしたお客様中心の情報マネジメントを徹底し、社会や市場の次のトレンドを競争相手に先んじて把握しなければなりません。当社が世界5極で展開するBIC(ビジネスイノベーションセンター)への投資も、その一環であり、いずれ実を結び、価値を生み出すことでしょう。
私は、コニカミノルタ初の外国人執行役に任命されたことを誇りに思っています。同時に、規模が大きく、競合環境も激しい北米市場での事業を通じて、グローバル規模でリーダーシップを発揮していくことが、私の使命だと思っています。
これまでにも、コニカミノルタの世界中の拠点から、優れたアイデアが生まれてきました。今後も、世界の全従業員にアイデアの提案を求めるとともに、そのアイデアをグローバル規模で実現していくよう努めていきます。