体制
環境マネジメント体制
推進体制
「代表執行役社長」が、環境マネジメント全体を統括しています。
コニカミノルタでは、代表執行役社長が気候変動問題を含む環境マネジメント全体についての最高責任と権限を有し、環境マネジメントの有効性について責任を担っています。代表執行役社長のもと、任命されたグループ環境責任者が環境マネジメントを推進しています。グループ環境責任者は、環境に関する中期計画を作成し、会社全体の経営計画として取締役会の承認を受けます。またグループ環境責任者は、環境マネジメントにおける進捗状況や課題について代表執行役社長、および取締役会に設置された監査委員会へ毎月報告します。
グループ全体の環境に関する中期計画を推進する機関として、経営企画部長が主催する「グループ環境推進会議」を設置しています。同会議は、各基幹部門の環境推進責任者が参加し、環境に関する中期計画、年度計画の審議を行います。 また、四半期ごとの進捗状況の確認やグループの環境課題に関する検討を行います。
■グループ環境マネジメント体制
環境監査
グループの内部環境監査は、経営監査室が主導する「グループ内部環境監査委員会」が、内部環境監査全般にわたる指揮命令を担って実施しています。
年に1回以上実施している内部環境監査で、マネジメントシステムの適合性・有効性を確認するほか、環境に関する中期計画の推進状況などを確認することで、グループのすべての組織においてマネジメントシステムが有効に機能していることを確実なものとしています。
環境マネジメントシステム
ISO14001に基づいたマネジメントシステムの運用を進めています。
環境経営において、グループ全体で環境マネジメントの有効性を高めていくために、ISO14001に基づいたマネジメントシステムを運用しており、全世界の生産拠点でのISO14001認証取得を基本方針としています。
コニカミノルタでは、製品ライフサイクルを通じてサステナブルソリューション活動、サステナブルファクトリー活動、サステナブルマーケティング活動に取り組んでいます。またこれらの活動において事業課題と環境課題の解決を目標に設定し、環境と本業を一体化した活動を進めています。この考え方はISO14001:2015年版と合致しています。
環境活動をグループ全体で効率的に進めるため、日本ではグループ会社を統合した認証登録をしており、ISO14001:2015年版の認証登録も2016年度に完了しています。海外拠点についても環境と本業を一体化した活動の考え方をもとに、2015年版で活動を行っており、2018年度上期に認証登録を完了しています。
環境リスクマネジメント
コニカミノルタでは、環境リスクを経営リスクの一つと位置づけ、取締役会で任命されたリスクマネジメント担当役員を委員長とする、リスクマネジメント委員会のもとで管理を行い、リスクが顕在化することを未然に防止しています。
この委員会では、企業活動に関してリスクアセスメントを行い、その結果抽出されたリスクとその対応策を確認するとともに、リスクマネジメントシステムが有効に機能しているかの確認・見直しを行います。リスクマネジメント委員会の内容は、執行役を担当しない取締役で構成される監査委員会に定期的に報告され、特に経営上・事業上重要なリスクに関しては取締役会に報告、協議されています。 また、当社は、リスクを「組織の収益や損失に影響を与える不確実性」と捉えています。リスクを単にマイナスの側面からだけではなく、「機会」としてのプラスの側面からも捉えたうえで、リスクマネジメントを「リスクのマイナス影響を抑えつつ、リターンの最大化を追求する活動」と位置づけています。
環境順法体制
地球温暖化や資源エネルギー問題をはじめ、地球環境問題の広域化・グローバル化が進むなか、持続可能な成長を目指して各地域、各国レベルでの政策・規制の見直し・強化が進んでいます。
ワールドワイドに事業を展開しているコニカミノルタでは、生産、販売の各拠点において環境法規制が確実に遵守されるよう、グローバル順法管理体制を構築しています。
各地の生産拠点・販売会社がしかるべき環境法規に適切に対応できるよう、欧州・北米・中国・日本の環境組織を中核とした管理体制を構築しています。これらの体制のもと、関連する法規制への対応(各国の化学物質規制、製品含有規制、回収リサイクル規制、省エネルギー規制など)を行っています。
2023年度も、すべてのグループ会社を対象に順法状況の確認を実施した結果、環境関連法規制などに関する重大な違反はありませんでした。
アセスメントの仕組み
コニカミノルタは、設備の設置や移動、廃棄の際には設備アセスメントを、製品の開発または変更時には製品アセスメントを実施することで、法規の順守を確実なものにするとともに、環境へ及ぼす影響が最小限になるよう努めています。
製品アセスメント
コニカミノルタは、新製品の開発において、製品の製造、輸送、使用、廃棄に至る全ライフサイクルの過程で環境に及ぼす影響を低減するため、各過程での環境負荷を洗い出し、評価項目を設定してアセスメントを行う仕組みを運用しています。
自社が定める環境影響の評価軸に沿って目標を設定し、商品化フローの中で製品アセスメントを実施します。達成状況をチェックし、目標値をクリアした製品のみが市場に送り出されることで、最新の環境順法の対応・含有化学物質の管理・製品の環境性能向上・各国環境ラベルへの適合を確実に実行することができています。
緊急事態への対応
さまざまなリスクによって発生するクライシスに対しては、迅速・適切に対応するためにクライシス発生時の報告ルールを設け、当社役員や当社子会社役員などに周知しています。その報告ルールに沿って、世界各地で発生した災害事故、その他のクライシスに関する情報を危機管理担当執行役が集中管理しています。
また環境に関しては、ISO14001の統合認証を取得している国内グループ各社において、緊急時(異常事態/自然災害)に、環境に著しい影響を与える、または与える可能性のある事象を、「コニカミノルタ環境マネジメントマニュアル」に規定されるグループで統一したルールに基づき、各部門で特定し、対応処置の手順を定め、その対応処置のテストを定期的に行っています。そのテスト結果をレビューし、必要に応じて修正しています。例えば、化学品の雨水溝への漏洩を想定した外部の流出を遮断する訓練や、溶剤への引火による爆発を想定した避難訓練など、各部門にて作成した「緊急事態対応要領」に沿って、1回/年以上の割合で万が一の事故時の被害を最小限にとどめる訓練を実施しています。
また、緊急事態発生の際は、即日環境責任者に報告する情報伝達体制を各部門で構築して、適切な対策をとるように取り組んでいます。
環境教育の実施
ISO14001の統合認証を取得している国内グループ各社では、従業員に対して環境活動に対する意識と力量の向上を目的に様々な環境教育を実施しています。地球環境問題の課題認識をはじめ、専門知識の習得までグループの環境活動を底上げするプログラムを多くの従業員が受講しています。新入社員教育、内部環境監査員教育、製品系化学物質管理教育等、1回/年以上の割合で実施しています。