社内コミュニケーションの重要性とテレワーク下における対策
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新型コロナウイルス対策や働き方改革の推進など、ニューノーマル時代に合った働き方への対応が求められています。その代表的な対策の一つが、テレワークの推進です。テレワークを効果的に活用すると、場所や時間に左右されず、高い生産性を維持できます。
その一方で、社員同士の対面の機会が減るため、社内コミュニケーションに細心の注意を払う必要があります。社内コミュニケーションの重要性をふまえ、企業が取るべき対策や活用のヒントとなる事例について紹介します。
INDEX
社内コミュニケーションの概要と重要性
まずは、社内コミュニケーションの概要と現状について解説します。また、社内コミュニケーションが不足した場合のデメリットと、コミュニケーションの重要性についても言及します。
社内コミュニケーションの重要性
社内コミュニケーションとは、社員間の業務関連の伝達や日常的な会話などの情報交換のことです。いわゆる業務上の「報告・連絡・相談」に限らず、普段の会話も含めた、上司と部下や同僚間でのコミュニケーションを指します。
社員の企業に対する帰属意識は変化し、価値観も多様化しています。また、ニューノーマル時代の働き方により、社員同士が顔を合わせる機会が減少気味であることから、現在では社内コミュニケーションの重要性が高まっているのです。
テレワークにおける社内コミュニケーションの現状
テレワークを導入すると、出社する機会が少なくなるため、社員間で会話をする機会も減少します。テレワーク導入時の懸念事項や導入後の課題として「コミュニケーション不足」を挙げる企業は少なくありません。
社内コミュニケーション不足で生じるデメリット
社内コミュニケーションが不足した場合に生じるデメリットは、おもに以下の4つです。
■社員のストレス増加とモチベーションの低下
社員によっては、孤独感を感じてしまい、モチベーション管理が困難になることがあります。
■社員の状態や仕事の進捗状況の把握の難化
情報共有不足による、上司の社員一人ひとりが直面している問題や心の状態、目標への進捗状況などの把握が難しくなることがあります。その結果、社員が十分にパフォーマンスを発揮できない、業務が属人化してしまうといったことがあります。
■不正行為やコンプライアンス違反の発生
社員の不正行為が露見しにくくなります。コミュニケーションが低下すると、社員間の関係性が希薄になりやすく、不正行為やコンプライアンス違反発生を誘発する可能性があります。
■生産性の低下
業務知識の伝達や、情報が共有されない場合、仕事の進め方が属人化したり顧客からの問い合わせに対して担当者以外の社員が回答できなかったりする状況に陥りがちです。その結果、生産性が低下することがあります。
社内コミュニケーション活性化によるメリットと効果
ここで、社内コミュニケーションの活性化で得られるメリットについて押さえておきましょう。
社員にとって働きやすい環境構築の実現
社内コミュニケーションや情報共有が円滑であれば、チームとして組織的に業務に取り組めるため、社員にとって働きやすい環境になります。また、悩みごとやプライベートの相談も気軽にできるため、精神的なストレスを抱え込みにくくなる効果も期待できます。
業務効率の向上
情報が社内ですぐに共有されることで、顧客からの問い合わせに対して迅速なレスポンスが可能になります。顧客とのやり取りの円滑化につながり、一つひとつの仕事の品質が高まります。
社員のスキルアップ
スキルや仕事の進め方について気軽に上司や同僚に質問をして、教えを請うことが可能になるため、社員一人ひとりのスキルアップにつながります。その結果、チーム全体の戦力向上にもつながるでしょう。
ビジョンの共有
価値観が多様化するなか、トップや上層部のビジョン・理念を社員と共有することは重要です。ビジョンの共有によって社員の帰属意識が強まり、仕事に対するモチベーションの向上や、離職率の低下につながるからです。ビジョン共有のために、円滑な社内コミュニケーションは欠かせません。
テレワーク中に社内コミュニケーションを活性化する効果的な対策
働く場所がどこであっても、社内コミュニケーションの活性化は必要です。しかし、対面の機会が少なくなりやすいニューノーマル時代の働き方においてはなおさらのこと、コミュニケーションの方法に配慮することが求められます。そこで、テレワーク中に社内コミュニケーションを活性化する効果的な対策を以下に解説します。
ビジョンや情報の共有
自社のビジョン、商品やサービスの紹介、社員の働き方など様々な情報を共有することで、社員に自社の価値を再認識してもらい、企業のビジョン共有につなげることができます。そのためによく用いられるのが、オウンドメディアの活用です。
オウンドメディアを活用することで、社員にとっては、他部署の情報や他支店の社員の情報など、日常的には知る機会が少ない情報を得られるのです。
リアルタイムでコミュニケーションを取れる仕組みをつくる
非対面の状態でコミュニケーションを活性化させるためには、リアルタイムでのコミュニケーションを取れる仕組みづくりが重要です。そのための手段としては、クラウド型のITツールやWeb会議ツールの活用が効果的です。
おもなITツールは以下のとおりです。
- ビデオ会議ツール
- チャットツール
- 勤怠管理ツール
- グループウェア
- ファイル共有ツール
ITツールを活用することで、リアルタイムでの情報共有や社員の状況把握が容易になります。また、業務間や終業後に通常行うような雑談など気軽なコミュニケーションを増やすことも可能です。
オフィス環境の整備とテレワーカーのフォローアップ
コミュニケーションを活性化しても社員の孤独感や疎外感が残る場合もあります。それらへの対策には、オフィス環境の整備とテレワーカーのフォローアップ制度の導入も効果的です。
■バーチャルオフィスの活用
バーチャルオフィスとは、画面上に仮想のオフィスを構築するITサービスです。社員は、自分自身のアバターを操作し、画面上のミーティングルームで同僚に相談をする、資料共有・画面共有を行うなどができます。社員に一斉連絡をすることができる、相手に話しかけられるタイミングをアバターのステータスから確認できる、といった点が特徴です。バーチャルオフィスでは、まるで社内にいるかのような感覚で仕事を進めることができるでしょう。
ただし、バーチャルオフィスは、外部のWeb会議ツールやカレンダー、グループウェアなどのツールと合わせて活用することが重要です。
■テレワークスタッフのフォローアップ制度の導入
社員一人ひとりの仕事の進捗状況やストレス状態を把握するためには、フォローアップ制度の導入が効果的です。特定の指標(売上や資料送付などの成果、面談での積極的な発言や一つひとつの作業の質や取り組み方の工夫など)に基づいてフォローアップを行い、社員の孤独感の低減やスキルアップを図ります。
テレワーク中のコミュニケーション不足対策の取り組み事例
テレワークにおける効果的な社内コミュニケーション活性化の手法として、コニカミノルタでの対策事例を2点ご紹介します。
オンラインでの入社式の開催
コニカミノルタでは、例年4月、入社式および集合形式の新入社員研修を開催していました。しかし2020年は、新型コロナウイルスの影響により、開催を見送らざるをえない状況になりました。そこで、動画配信のプラットフォームを用いてライブ配信を行い、質を落とさず新入社員一人ひとりの一生の思い出になる入社式の開催に成功したのです。新入社員研修でもITツールを活用し、研修効果の高いオンライン研修を実施しました。
全体が見渡せるオフィスレイアウト
コニカミノルタは、2012年度以降に手がけているオフィスレイアウト事業において、オフィスレイアウトに関してもコミュニケーション活性化の促進を意識しています。例えば、全体を見渡せる設計を行い部署間の垣根を低くしたり、ジグザグレイアウトを施して自然に会話が生まれやすい状況を意図的に作成したりするなどの提案をしています。
自然なコミュニケーションの発生を促すためのこうした工夫は、テレワーク下でのコミュニケーションが制限される状況下においても効果的です。
詳しくは、「オフィスデザイン事例・レイアウト事例」をご覧ください。
テレワークではコミュニケーションの工夫を
テレワークの導入は、ニューノーマルな働き方を実現するための効果的な手法の一つです。テレワークを効果的に導入すれば、生産性の向上や場所にとらわれない働き方の実現、社員の感染症対策など様々なメリットが得られます。ただし、テレワークを導入する際には、コミュニケーションの機会が減少してしまう傾向が見られるため、コミュニケーションの質を向上させるための工夫が重要です。ツールの活用やオフィス環境の整備などを行い、社内コミュニケーションの活性化を意識するようにしてはいかがでしょうか。
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いいじかん設計 編集部