地球温暖化防止への取り組み
地球温暖化防止の考え方 ~ライフサイクルでCO2削減~
地球温暖化防止は製造業にとって最も重要な社会的責任の一つです。コニカミノルタグループでは、ライフサイクルの視点に立って地球温暖化防止に取り組んでいます。
生産段階での事業所からのCO2排出だけでなく、出荷された後の物流時のCO2排出、およびお客様での製品使用時のCO2排出も含め、それぞれの段階での排出量削減に取り組んでいます。
2006年度からは、生産時、物流時、製品使用時を含めたライフサイクルCO2排出量を2010年度に2000年度比で20%削減する目標を掲げるとともに、この目標を国内サイトからのCO2排出量、海外生産サイトからのCO2排出量、製品使用時のCO2排出量の目標値に展開し、取り組んでいきます。
サイトCO2削減
2005年2月に京都議定書が発行し、企業にとっても事業所からのCO2排出量削減に取り組む責任がますます高まっています。コニカミノルタでは、「国内グループの事業所からのCO2排出量を2010年度までに1990年度比で7%削減する」という京都議定書の日本の目標である6%削減を上回る高いレベルの目標値を設定し、取り組んでいます。また2006年度からは、「海外グループの生産事業所からのCO2排出量を2010年度までに2000年度比で7%削減する」という目標も追加し、グローバル規模の取り組みへ拡大していきます。
2005年度の国内グループの事業所からのCO2排出量は、前年度比1.5%増(1990年度比23.6%増)となりました。これは液晶パネル用TACフィルムの増産などによるエネルギー消費の増加が省エネルギー活動による削減分を上回ったためです。サイトにおける削減活動としては、設備・器具のインバータ化、高効率設備の導入、重油から天然ガスへの燃料転換などユーティリティ系ハード面の取り組みとともに、エア漏れ対策や生産効率の向上など生産プロセスでの取り組みも強化し、約3,000トンのCO2を削減しました。また、CO2排出量の多いサイトを対象に省エネサポートプログラムを実施し、エネルギー使用状況の総チェックを行い、サイト毎に省エネ施策の絞り出しを行いました。省エネサポートプログラムでは、約500にも及ぶ省エネ施策を抽出し、2010年度には約30,000トンの削減を見込んでいます。また、海外生産サイトからのCO2排出量は、前年度比10%増(2000年度比21.6%増)となりました。
また、今後の工場増強、生産拡大計画においてCO2増加要因が多分にあるため、省エネの徹底と並行して、補完的対策として排出権取得の準備も並行して進めています。2005年度には、確実にCO2削減ができ、地球貢献が可能で、コニカミノルタらしいプロジェクトを選定するための独自の排出権評価プログラムを開発しました。
今後は、省エネ対策の成功事例や省エネサポートプログラムで抽出した改善ポイントに対する施策を国内だけでなく海外にも水平展開し、徹底的な省エネを進めるとともに、補完的対策としての排出権取得を進めていきます。
ガスコジェネ発電から買電に切り替え
東京サイト・日野(東京都日野市)で自家発電に使っている、出力1万4000キロワットのガスタービンコジェネレーション設備の運転を3月いっぱいで停止、電力会社からの買電に切り替えました。これは、CO2削減メリットがガスエンジンコジェネより環境面からも有利と判断したからです。
日野はコニカミノルタ国内サイトの中で最大の工場で、自家発コジェネは1号機の1万4000キロワットを86年に操業開始しました。98年にはガスタービンコジェネ2号機(出力7000キロワット、蒸気量毎時30トン)を導入し、04年には同工場で必要な電力の90%をガスタービン発電でカバーし、蒸気は冷凍機、生産工程送風機、一般熱源に利用していました。このうち1号機を3月末に運転停止、買電に切り替えました。更新時期にきているため環境性と費用対効果から、電力購入の方がメリットがあると判断したからです。買電切り替えで年4000トンの削減効果があると試算しています。
チームマイナス6%
チーム・マイナス6%は京都議定書の目標を達成するための国民的プロジェクトです。コニカミノルタもチーム・マイナス6%の趣旨に賛同し、チームメンバーに登録しており、グループ全体で次のような取り組みを行っています。
1)社内での取り組み
1.夏の冷房は28℃、冬の暖房は20℃を推奨する。
ポスター等の掲示により、取り組みへの参加を明示し徹底する。
クールビズとウォームビズにより、室温に適応する工夫をする。
2.エレベーターの効率運用に努める。
2アップ/3ダウン活動(2階上、3階下までは、階段を使う)
3.オフィス内の照明、OA機器等の節電に努める。
照明不要時OFFの実施
OA機器等の省エネモードや不要時OFFの実施
4.アイドリングストップを啓蒙する。
社有車でのアイドリングストップの実施
入構車に対するアイドリングストップの協力要請
2)家庭での取り組み
家庭でもチーム・マイナス6%のアクションに準じて活動する。
3)対外的活動
広報宣伝部が主体となり、キャンペーン等の対外的活動への参加を積極的に実施する。
物流時CO2削減
コニカミノルタグループでは、製品の長距離輸送方法として、トラックから鉄道や船舶に切り替えるモーダルシフトを推進しています。写真フィルムや印画紙などの製品輸送においては、長距離便、中距離便について鉄道や船舶を利用しています。
また、物流拠点の集約、拠点間移動における共同輸送、さらに使用済み複写機や現像処理機などの回収に製品納入の帰り便を活用するなど物流の効率化を図っています。
販売段階での取り組み
コニカミノルタビジネスソリューションズ株式会社では、電気自動車を導入しています。サービス技術者が複合機のメンテナンスなどでお客様を訪問する際のサービスカーとして使用しています。環境負荷が少ない上、コンパクトな車体が大都会エリアでの移動に機動性を発揮できることから、今後も導入事業所を拡大していきます。
導入している電気自動車