コニカミノルタホールディングス株式会社
7月7日は『七夕』。織女(織姫)と牽牛(彦星)が年に1度だけ会うことが出来る日と言われています。この日ばかりは空を見上げる人も多いのではないでしょうか。
そこで『現代 イメージング考』の創刊号のテーマとして、時節柄、「星空・七夕事情」を取り上げ、現代人の星空・七夕に関する意識やイメージなどを調査してみました。対象は、首都圏在住者。都会では高いビルが林立し街の明りもあふれていて、星が見えにくい環境ですが、現代人は星空にどんな経験や思いがあるのでしょう。
全体を通して、星空に関心を持っている人が意外に多いという結果が出ました。
全体 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
500人 (100.0%) |
250人 (50.0%) |
250人 (50.0%) |
全体 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代以上 |
---|---|---|---|---|
500人 (100.0%) |
124人 (24.8%) |
124人 (24.8%) |
126人 (25.2%) |
126人 (25.2%) |
全体 | 東京都 | 神奈川県 | 埼玉県 | 千葉県 |
---|---|---|---|---|
500人 (100.0%) |
217人 (43.4%) |
148人 (29.6%) |
73人 (14.6%) |
62人 (12.4%) |
ある | ない | |
全体 | 56.0 | 44.0 |
---|---|---|
男性 | 52.8 | 47.2 |
女性 | 59.2 | 40.8 |
20代 | 59.7 | 40.3 |
30代 | 52.4 | 47.6 |
40代 | 50.8 | 49.2 |
50代以上 | 61.1 | 38.9 |
夜空をながめる人は2人に1人
夜空をじっくりとながめるという人は56.0%と過半数を超えています。性別では女性、年代別では20代と50代以上で多くなっています。
自宅周辺で | 郊外に出かけて | 旅先や出張先で | その他 | |
全体 | 65.7 | 11.1 | 18.9 | 4.3 |
---|---|---|---|---|
男性 | 63.6 | 10.6 | 22.0 | 3.8 |
女性 | 67.6 | 11.5 | 16.2 | 4.7 |
20代 | 64.9 | 12.2 | 17.6 | 5.4 |
30代 | 55.4 | 16.9 | 23.1 | 4.6 |
40代 | 70.3 | 6.3 | 17.2 | 6.3 |
50代以上 | 71.4 | 9.1 | 18.2 | 1.3 |
夜空スポットは自宅周辺
夜空をながめる場所は「自宅周辺」がかなりの割合でした(65.7%)。特に40代、50代は「自宅周辺」が7割に達しています。仕事からの帰り道、自宅が見えるとホッとして夜空を見上げることがあるのかもしれません。
ある | ない | |
全体 | 35.8 | 64.2 |
---|---|---|
男性 | 35.6 | 64.4 |
女性 | 36.0 | 64.0 |
20代 | 44.4 | 55.6 |
30代 | 32.3 | 67.7 |
40代 | 31.0 | 69.0 |
50代以上 | 35.7 | 64.3 |
意外に多い?きれいな星空を見た人は3人に1人
最近、きれいな星空を見た人は約3人に1人となりました。「昔」や「子どもの頃」ではなく「最近」と聞いていますので、意外にも多い数字ではないでしょうか。
旅先で | 郊外 | 故郷で | 都心 | その他 | |
全体 | 49.2 | 27.4 | 24.0 | 9.5 | 5.6 |
---|---|---|---|---|---|
男性 | 52.8 | 31.5 | 24.7 | 10.1 | 5.6 |
女性 | 45.6 | 23.3 | 23.3 | 8.9 | 5.6 |
20代 | 52.7 | 23.6 | 30.9 | 10.9 | 5.5 |
30代 | 47.5 | 40.0 | 15.0 | 5.0 | 0.0 |
40代 | 43.6 | 25.6 | 23.1 | 15.4 | 10.3 |
50代以上 | 51.1 | 22.2 | 24.4 | 6.7 | 6.7 |
都心ではやはり難しい、きれいな星空
きれいな星空を見たのは「旅先」が最も多く(49.2%)、「故郷」も含めると7割以上の人が“どこかに出かけた時”に見ています。都心は1割にも満たず、きれいな星空を見ることが難しいことを裏付けていますが、「郊外」が3割近くを占めており、都心から少し離れた場所では意外に見ることができるようです。
ある | ない | |
全体 | 52.6 | 47.4 |
---|---|---|
男性 | 57.2 | 42.8 |
女性 | 48.0 | 52.0 |
20代 | 46.8 | 53.2 |
30代 | 48.4 | 51.6 |
40代 | 54.8 | 45.2 |
50代以上 | 60.3 | 39.7 |
首都圏在住でも52.6%の人が「見たことがある」
たくさんの星が集まり、川のように見えることから名付けられた「天の川」。都会のような明るいところで見るのは難しい淡い光の帯であるにもかかわらず、半数以上の人が「ある」と回答しています(52.6%)。首都圏在住者への調査ということを考えると、驚きの数字ではないでしょうか。やはり天の川もどこかに出かけた時に見ていて、その印象が強く残っているのかもしれません。
また、年代とともに「ある」と答えた人が増えていますが、これは昔は明りが少なく、星が見やすかったからではないかと推測できます。
3個程度 | 5個程度 | 10個程度 | 20個程度 | 30個以上 | まったく知らない | |
全体 | 33.2 | 29.8 | 23.4 | 8.8 | 2.8 | 2.0 |
---|---|---|---|---|---|---|
男性 | 33.6 | 30.0 | 23.2 | 6.8 | 3.6 | 2.8 |
女性 | 32.8 | 29.6 | 23.6 | 10.8 | 2.0 | 1.2 |
20代 | 30.6 | 30.6 | 23.4 | 10.5 | 4.0 | 0.8 |
30代 | 29.8 | 32.3 | 20.2 | 10.5 | 4.8 | 2.4 |
40代 | 32.5 | 30.2 | 27.0 | 6.3 | 2.4 | 1.6 |
50代以上 | 39.7 | 26.2 | 23.0 | 7.9 | 0.0 | 3.2 |
多くても10個以内が一般的
知っている星座の名前は、ほとんどが10個程度以内となりました(合わせて86.4%)。自分の誕生日星座などもあるので名前を知っている人は多く、「まったく知らない」という人はほとんどいませんでした。しかし、実際に見たことがある星座はどのくらいあるのでしょうか。
北斗七星 | オリオン座 | 北極星 (ポラリス) |
カシオペア座 | さそり座 | おりひめ星 | |
全体 | 91.4 | 72.0 | 57.0 | 53.8 | 27.0 | 18.6 |
---|---|---|---|---|---|---|
男性 | 93.6 | 73.2 | 60.8 | 54.4 | 27.6 | 17.2 |
女性 | 89.2 | 70.8 | 53.2 | 53.2 | 26.4 | 20.0 |
20代 | 88.7 | 84.7 | 60.5 | 60.5 | 28.2 | 22.6 |
30代 | 90.3 | 79.0 | 62.1 | 55.6 | 30.6 | 15.3 |
40代 | 91.3 | 72.2 | 56.3 | 50.8 | 29.4 | 13.5 |
50代以上 | 95.2 | 52.4 | 49.2 | 48.4 | 19.8 | 23.0 |
ひこ星 | すばる | その他 |
18.2 | 17.8 | 7.2 |
16.0 | 18.0 | 5.6 |
20.4 | 17.6 | 8.8 |
20.2 | 15.3 | 8.9 |
14.5 | 21.8 | 8.9 |
15.1 | 20.6 | 6.3 |
23.0 | 13.5 | 4.8 |
北斗七星なら9割以上…ほとんどの人が見たことがあるのは教育の成果?
「北斗七星」(おおぐま座の一部)はほとんどの人が見たことがあることがわかりました(91.4%)。「北極星」(こぐま座で一番明るい星)、「カシオペア座」と合わせ、見つけやすいこと、学校で習うポピュラーな星の並びであることがその理由と考えられます。また「オリオン座」は、明るい星が多く覚えやすい星座の代表です。逆に明るい星が一つだけで星座の形がたどりにくい「さそり座」や、「おりひめ星」(こと座のベガ)、「ひこ星」(わし座のアルタイル)などは、どれがその星かわからないという人が多いのではないでしょうか。
その他の回答では「南十字星」という回答が目につきました(7名)。首都圏からは見えない星座なので(日本では沖縄より南で目視可能)、旅先で星を見ていることがわかります。
子どもの頃 学校で |
子どもの頃親と | デートで | 友人と | 子どもや孫など家族で | その他 | 行ったことはない | |
全体 | 51.0 | 28.8 | 27.6 | 24.4 | 20.8 | 3.8 | 10.0 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
男性 | 52.4 | 30.0 | 24.0 | 20.0 | 16.0 | 3.6 | 12.8 |
女性 | 49.6 | 27.6 | 31.2 | 28.8 | 25.6 | 4.0 | 7.2 |
20代 | 65.3 | 40.3 | 28.2 | 28.2 | 4.8 | 4.0 | 2.4 |
30代 | 58.9 | 37.1 | 40.3 | 23.4 | 11.3 | 1.6 | 11.3 |
40代 | 46.8 | 28.6 | 26.2 | 26.2 | 29.4 | 3.2 | 8.7 |
50代以上 | 33.3 | 9.5 | 15.9 | 19.8 | 37.3 | 6.3 | 17.5 |
圧倒的に多い「子どもの頃に」30代の人は「デートで」
「行ったことのない」人は1割で、ほとんどの人はプラネタリウムに行った経験がありました。1970年頃からプラネタリウム施設が増え、学校教育の一環として行くようになったため、若い世代を中心に「子どもの頃学校で」、「子どもの頃親と」という回答が多くなっています。
また今の30代が20代だったおよそ10数年前は、プラネタリウムの入場者数のピークでした。メジャーなレジャーの一つだったプラネタリウムには「デートで」訪れた人も多く(40.3%)、30代の人にとっては思い出のデートスポットでもあるようです。
星についての知識を学ぶとこ | 癒しの場 | エンターテイメント | デートスポット | その他 | |
全体 | 41.0 | 38.4 | 16.4 | 3.4 | 0.8 |
---|---|---|---|---|---|
男性 | 44.0 | 33.2 | 19.2 | 3.2 | 0.4 |
女性 | 38.0 | 43.6 | 13.6 | 3.6 | 1.2 |
20代 | 37.1 | 41.9 | 16.1 | 3.2 | 1.6 |
30代 | 33.9 | 33.9 | 25.0 | 6.5 | 0.8 |
40代 | 44.4 | 43.7 | 10.3 | 1.6 | 0.0 |
50代以上 | 48.4 | 34.1 | 14.3 | 2.4 | 0.8 |
プラネタリウムは「学び」と「癒し」
学校行事で行ったことがある人が多い(Q8、51%)こともあり「星についての知識を学ぶところ」(41.0%)とイメージする人が1番多かったのは当然の結果でしょう。実際、日本のプラネタリウム館の約9割が教育目的で設置されています(日本プラネタリウム協会「プラネタリウム白書」より)。
しかし、プラネタリウムを「癒しの場」と捉えている人もほぼ拮抗しており(38.4%)、特に女性では「知識」よりも「癒し」が上回っています。このプラネタリウムを癒しの場と捉える傾向は、日本人特有のものだとか。日本以上のプラネタリウム大国であるアメリカでは、科学を学ぶ場というイメージがほとんどだそうです。
また、Q8で4人に1人が「デートで」プラネタリウムに行ったと答えている割には、少なかったのが「デートスポット」(3.4%)という回答です。子どもの頃に見た学習番組のイメージを思い浮かべられるからかもしれません。しかし最近のプラネタリウムでは、さまざまな映像を駆使した番組や癒しをテーマにした番組など、従来の番組とは違ったテイストのプログラムもふえており、今後はイメージが変わってくるかもしれません。
カテゴリー | 内 容 | % |
---|---|---|
家族 | 家族の健康、幸せ、家内安全、など | 56.2 |
自己実現 | 夢の実現、仕事の成功、恋人がほしい、など | 24.8 |
お金 | 宝くじ当選、商売繁盛、収入アップ、など | 11.6 |
その他 | 世界平和、景気回復、など | 7.4 |
家族や世界平和を思う願い事
短冊への願い事の多くは「家族が健康でいられますように」「家族がいつまでも幸せでありますように」という家族を思いやる気持ちにあふれた短冊でした。次に多かったのは「内定が取れますように」「世界一周旅行」など自身の夢や希望を書いたもの。「宝くじが当たりますように」と一攫千金を狙うものもありました。また、その他で結構目立ったのは「世界平和」の願い。自分のことよりも戦争が絶えない世界を思いやる人たちの願いは、七夕の日、空に届くでしょうか…。
―― 以 上 ――
日頃、星に関心のない人でも、七夕の日にはふと夜空が気になるもの。しかし七夕の日には雨が降ることが多い、という印象を持つ方も多いのではないでしょうか。もともと「七夕」とは旧暦7月7日(今年ならば8月11日に当たります)の夜のこと。今の暦の7月7日は梅雨の真っ只中ですが、本来なら梅雨明けの、星空が美しく見える季節の行事だったのです。今でも仙台、高岡、山口、大分など、多くの地方の七夕祭りが7月ではなく8月7日前後に行なわれています。
七夕といえば、「天の川をはさんで別れて暮らしている織り姫と彦星が、1年に1度だけ出会う日」として知られています。この物語はもともと、中国から伝来した「牽牛星(けんぎゅうせい)」と「織女星(しょくじょせい)」の伝説と、星に手芸や芸能の上達を祈る中国の習俗「乞巧奠(きこうでん)」が結びつけられ、日本固有の行事となったものと言われています。
ところで、旧暦は月の満ち欠けを基準にして作られた太陰暦を基にした暦。旧暦の7日では月の形は上弦の半月で、ちょうど星がきれいに見えてくる夜8時頃、南の空に明るく輝いています。その月に照らされて天の川が見えなくなる…川がなくなって陸続きになるので二人が会えるという説もあります。夜空が暗くて、天の川がどこででも見られた頃ならではのお話ですね。
ちなみに、笹に五色の短冊を付けて飾るようになったのは、寺子屋が普及した江戸時代から。当時は詩歌を書いて手習い事の上達を願ったのだそうです。最近のように、健康や夢の実現を願うようになったのはいつ頃からなのでしょう?