ひかり豆辞典
色温度とは
ご存知のように夜空に瞬く星(恒星)は、わずかに色が付いております。
赤っぽい色の星の表面温度より青白い星の表面温度が高いことも知られております。
また、刀鍛冶職人は熱している鉄の色(赤)を見て、温度を判断しているということも聞きます。
このように色と温度に付きまして、何らかの相関がありそうだということがおわかり頂けると思います。
外部からの光エネルギーを完全に吸収し全てのエネルギーを100%放射するという理想的な物体(黒体)を熱していったときに赤→黄→白→青白と色が変化します。
この温度による色の変化を下図xy色度図にプロットすると、右側から左下がりになっている黒線になります。この線を黒体軌跡と呼び、この線上の色温度値を絶対色温度と呼びます。単位はK(ケルビン)になります。
現実に存在する光源は全てこの黒体軌跡上にあるとは限りません。実際にはこの黒体軌跡からずれたところに白色の色度点になる光源がほとんどです。その場合、黒体軌跡から等色温度線を引っ張って色温度を求めます。この場合の色温度は「相関色温度」と称します。
このように色温度は一般的に白色(赤っぽい白、黄色っぽい白、白、青白)の範囲にて色を表す指標として使用しております。弊社の計測機器では、色彩照度計CL-200A、色彩輝度計CS-200、分光放射輝度計CS-3000HDR/CS-3000/CS-2000Plusなどで測定可能です。
カラーメーターによる色温度との違いについて
上記産業用計測機器とは別に写真撮影用の機材として、カラーメーターというものがあります。
これは写真撮影時の色温度、適正なフィルタ指数等を測定する機材です。
カラーメーターでの色温度は写真的色温度と表現されます。それは上記産業用計測機器のセンサは人間の眼の感度に合わせておりますが、カラーメーターのセンサはカラーフィルム感度に合わせているからです。
左下図1が人間の眼の感度、右下図2がカラーフィルム感度になり、全く感度が異なることがおわかり頂けると思います。
よって、例えば色彩照度計とカラーメーターで同じ光源の色温度測定を行いましても全く異なる値が出てくることになります。
写真撮影以外の用途での色温度測定には、産業用計測機器での測定が必要になります。
参考として下記に白色LED、電球色LEDおよび電球型蛍光灯(電球色、昼白色、昼光色)3種を弊社製品分光計で測定した相関色温度値とあるカラーメーターの色温度測定値を比較した結果を示します。横軸は分光計での相関色温度測定値になり、縦軸は分光計とカラーメーターの測定値差を表しております。
光源によっては測定値に大きな差が生じていることがおわかり頂けると思います。分光計での相関色温度値は原理上、真の値に近いものになります。ただ、これもあくまで一例であり、異なるカラーメーター、もしくは今回使用したものと同じ型のカラーメーターを用いて、同じサンプルを測定したとしても、同様な結果が得られるとは限りませんのでその点もご注意ください。
関連規格:日本工業規格 JIS Z 8725 光源の分布温度及び色温度・相関色温度の測定方法