濃度計のツボ
蛍光分光濃度計
03印刷の基礎
印刷品質に大きな影響を与える3つの要素
オフセット平版印刷機は、さまざまな要因で結果が変わる繊細な機械です。品質よく同じ色を安定して印刷するためには、常に機械をメンテナンスし、影響を及ぼす要因をコントロールしなければなりません。中でも特に、「湿し水」「ローラー」「インキ」のバランスが重要です。
湿し水
印刷品質に影響を与える最も重要な要素です。湿し水が汚れている、水温が高い、供給量が多過ぎるといった要因が、汚れ、色ムラ、インキの盛り過ぎ、網点の太り、トラッピング不良、乾燥不良をはじめとする多くのトラブルにつながります。
ローラー
オフセット平版印刷機の湿し水供給装置とインキ供給装置には、多くのローラーが使われています。良い印刷を行うには、ゴムローラーの硬度、温度、ニップ幅などに注意し、メンテナンスすることが必要です。
インキ
オフセット平版印刷に使われる主なインキは下図の4種類。環境負荷の大きい油性インキが減少し、現在は環境対応型の植物油インキが主流になってきたことは、生産量比率のデータでも明らかです。また今後は、UV印刷の普及に伴い、UVインキが多くなると思われます。インキが印刷品質に影響を及ぼす要因は、温度、タック値などですが、基本的には用途に合ったインキを適切に使用すればそれほど問題は起きません。インキそのものよりも、湿し水とのバランスなどが大きく影響します。
[ドライダウン]
オフセット平版印刷は、印刷後、時間の経過とともに濃度が低下し、色が沈みます。これが、インキの浸透、乾燥によって起こる「ドライダウン」と呼ばれる現象です。印刷直後は表面が平滑なため、センサーが受ける45/0°の表面反射成分は少なく、この状態濃度が計算されます。乾燥によって表面が凸凹になるとセンサーが受ける 45/0°の表面反射成分が多くなり、濃度が低く計算されます。その程度は用紙によって異なり、新聞紙のような非コートの表面が粗い用紙ほど変化が大きくなります。
偏光フィルタを付けると凸凹部分で反射する表面反射成分をフィルタがカットするため、乾燥後もあまり変わらない濃度を測定できます。したがって、インキ濃度を管理するためのウェット濃度測定は多くの場合、偏光フィルタが使われています。ただし、もともと偏光フィルタ有りでの測定値は、無しでの測定値と数値が異なるので注意が必要です。
濃度計のツボ コンテンツ
03印刷の基礎
04印刷標準化
05認証制度
06目視観察条件
07カラーマネジメント
08モニター
09ペーパーインデックス