コニカミノルタ

濃度計のツボ

蛍光分光濃度計

07カラーマネジメント

異なるデバイス間で安定した色を再現するために

カラーマネジメント

現在、カラーマネジメントという言葉は一般的となりました。
カラーマネジメントには、企業の信頼性を高める、コストダウンにつながるなど多くのメリットがあります。カラーマネジメントを実践するには色の目標を定めなくてはなりません。この目標の前提となるのが印刷であり、印刷で安定して再現できる色を基準にする必要があります。

カラーマッチング

カラーマッチングとは、色再現が異なるデバイス間での色を合わせることです。 主に印刷、モニター表示、プリンター出力の色を合わせます。

ICCプロファイルによるカラーマッチンング

ICCプロファイルを利用すれば、どんな色空間のデバイス間でも色を合わせることができます。

印刷物とカラープリンター出力とのマッチング

りんごの赤色を例として、カラープリンター出力の色を印刷物の色に合わせる場合のICCプロファイルの働きを図に示します。
何もしなければ、上段のように印刷とプリンター出力の色は異なります。ICCプロファイルを使って一旦L*a*b*にすることで下段のように色が合います。

ガマットマッピング

色空間の中の色再現範囲をガマットといいます。目標(合わせたい相手)にする色のガマットが、出力するデバイスの色域より広い場合、デバイスで再現できない色があります。その際、再現できる範囲内の色に置き換えることをガマットマッピングといいます。

レンダリングインテント

目標のガマットが、出力するデバイスのガマットよりも広い場合、ガマットマッピングを行う方法に4つの種類があります。

知覚的 彩度 相対色彩的 絶対色彩的
彩度を犠牲にしてできるだけ明度を維持するようにマッピング。最も階調がよい方法です。 明度を犠牲にしてできるだけ彩度を維持するようにマッピング。最も彩度が高い方法です。 元々再現範囲内にある色はそのままマッピング。色の一致は最もいいのですが、境界で色の圧縮が発生し階調が悪くなる場合があります。相対は紙白を0とするのに対し、絶対は紙白を有効にします。
階調重視階調重視(写真) 階調重視彩度重視(グラフィック) 階調重視色一致重視(プルーフ) 階調重視色一致重視(地色着色)
凡例

各レンダリングインテントが画像にどのような影響を及ぼすのか、RGBグラデーション画像を各レンダリングインテントでCMYKに変換。結果には、それぞれのインテントの特徴が表れています。

観察照明が異なることによる制作側とクライアント間の問題

制作会社、製版会社や印刷会社で、それぞれの場所の照明が異なると色の見え方にも違いが生じ、何度も校正のやり直しが発生します。

測定器を使って照明環境をシミュレーション

この問題を解決するのに、制作側のモニター上でクライアントの照明環境をシミュレーションする方法があります。まず、CL-500A、MYIRO-1、FD-7などでクライアントの照明環境を測定(ユーザー光源)。次に基準条件で出力したチャートをユーザー光源の設定で測定してプロファイルを作成します。作成したプロファイルをPhotoshopの校正設定に適用し、クライアントの照明環境をモニター上でシミュレートします。

マッチングの精度を高めるSCCA

SCCAは「Substrate Corrected Color Aim」の頭文字で、カラーマッチングにおいて、ターゲットの用紙と実際に使う用紙が異なる際に補正を行い、マッチングをよりよくする手法です。規定の計算式に基づいて、全てのターゲットの色に実際に使う用紙のL*a*b*値を補正計算してプロファイルを作成します。

楽しく学べる知恵袋