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濃度計のツボ

蛍光分光濃度計

08モニター

色表示に影響を与える要因を知って適切な管理を

モニターの色表示には多くの要因が影響を与えています。大きく分けるとハードウェアに依存する要因、設定に起因する要因、運用上の要因の3つがあります。

視野角、面内均一性、階調性など、ハードウェアに起因する要因は、使用する液晶パネルによって定まります。
ここでは、設定に起因する要因と運用上の要因について考察します。

①設定に起因する要因

色温度

色温度を低くすると、画面全体が赤っぽくなり、色温度を高くすると青っぽくなります。印刷物をシミュレートして見る場合、基本的には5000Kに設定しますが、紙白に合わせてある程度微調整する場合もあります。

ガンマ

モニターは、入力信号に対する出力がリニアではありません。したがって、入力信号に対して右図のようなガンマ値で表されるカーブを適用して液晶パネルに信号を送り、自然な階調を得ています。現在は、通常ガンマ2.2が標準になっていますが、これを大きくすると中間が濃くなります。

輝度・コントラスト

輝度は画面の明るさで、単位は「cd/m2」(カンデラ)で表され、ブライトネスともいいます。コントラストは、画面内の「白」と「黒」の比です。特に手動でモニターを調整する場合には、輝度とコントラストをプッシュスイッチなどで調整する必要があります。輝度とコントラストの動きを理解するために、スイッチを動かす場合のそれぞれの動きを模式的に図に示します。

②運用上の要因

キャリブレーション

モニターは使用時間とともに、RGB信号のレベルやガンマカーブなどの特性が変化します。これを元に戻す作業がキャリブレーションです。

モニターのキャリブレーションには、ハードウェアキャリブレーションとソフトウェアキャリブレーションがあります。ハードウェアキャリブレーションは、ハードウェア内部の設定を調整する方法で、図のように表示のダイナミックレンジがハードの限界まで維持されます。一方、ソフトウェアキャリブレーションは、モニターの特性を測定し、その結果を基にパソコン内部のデータを変換する方法です。したがって、図のようにキャリブレーションを行うごとにダイナミックレンジが狭くなります。

キャリブレーション操作は、画面に表示されるカラーパッチを測定器で測定し、キャリブレーションソフトがその結果からモニターを基準の状態に戻す作業です。

ウォームアップ

モニターは、起動後すぐには輝度が安定しません。汎用モニターは図のように起動後およそ30分位は輝度が低く、色を見るには30分以上経過する必要があります。グラフィック用モニターは輝度ドリフト補正を行っているものが多く、10分以下で安定するものもあります。

観察環境

モニターを観察する環境は、外光の映り込みを防ぐため、図のようにフードを付けるのが理想です。また、モニターの高さを調節し、机からの反射光が当たらないように配慮しなければなりません。そして、観察する際は体がモニターの正面になるよう、モニターの角度や座る位置にも注意が必要です。

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