コニカミノルタ

濃度計のツボ

蛍光分光濃度計

05認証制度

印刷技術の標準化を推進するJapanColor認証制度

日本印刷産業機械工業会よるJpanColor2011の認証制度は、マッチング認証、標準印刷認証、プルーフ運用認証、プルーフ機器認証、デジタル印刷認証の5種類。事務局の努力によって、これまでに多くの印刷・製版会社が認証を取得しています。取得の主なメリットには、「お客様からの信頼が増す」「社内の技術がアップする」「社内の意識が⾼まる」などがあげられています。

  印刷認証:ISO1247-2 プルーフ認証:ISO1247-7 デジタル印刷認証:
ISO/TS15311
マッチング認証 標準認証 プルーフ運用認証 プルーフ機器認証 デジタル印刷認証
対象 標準印刷認証を取得した
印刷会社
印刷会社 デザイン会社/印刷会社 機器メーカー/ベンダー デジタル印刷機を有する印刷会社
認証内容 高いカラーマネジメント能力 安定した品質の印刷物を制作できる工程管理能力 信頼性の高いプルーフを安定出力する能力 信頼性の高いプルーフを安定に出力するプルーフ機器 高品質の印刷物を安定に作成出来る能力

認証取得の手順

各認証制度の申請⼿続きは以下の通りです。
印刷会社向けの標準印刷認証とデジタル印刷認証には、事前審査と本審査があります。
マッチング認証は、より高度な認証制度で、標準印刷認証取得が前提条件です。
プルーフ機器認証は、機器メーカー/ベンダー向けの認証制度で、機器認証を取得したシステム(プルーフ機器・RIP・用紙の組合せ)を運用する印刷会社向けの認証制度がプルーフ運用認証です。
プルーフ機器認証以外の認証制度はいずれも、認証取得後3カ月ごとの定期管理と2年後の更新登録が必要となります。

標準印刷認証

標準印刷認証の基準値と許容範囲
L* a* b* 許容範囲
C 53.4 -36.4 -51.6 ⊿E ≦ 5
M 46.3 76.1 -2.9 ⊿E ≦ 5
Y 88.6 -5.9 93.6 ⊿E ≦ 5
K 16.3 1.4 2.1 ⊿E ≦ 5

50%網点部ドットゲイン

14±3%以内
算出方法:マーレイ・デービス式による

連続印刷の許容範囲

5,000枚を連続印刷時、500枚ごとに抜き取った10サンプル(3枚ずつ)計30枚の68.26% (21枚)以上のL*a*b*値がOKシートの⊿ E4以内でかつドットゲインが14%±3%以内

マッチング認証

マッチング認証の審査項目と許容範囲
項目 測色箇所・確認箇所 基準
ベタの色彩値 CMYK4色の100%部 ⊿E<= 5
面内ムラ 9箇所に配置された
3色グレーパッチ
27点全て L* SDL* ≦ 1.5
27点全て a* SDa* ≦ 1.5
27点全て b* SDb* ≦ 1.5
差の許容値 IT8.7-4の1617色 平均⊿E ≦ 3
⊿E95% ≦ 6
階調再現の限界 紙白部とCMYKの 3%、98%、ベタ CMKについて L* 紙白部 > 3%
L* 98% >ベタ
Yについて b* 紙白部 < 3%
C* 98% < ベタ
ベタ上の最小網点の再現 黄色帯上の 5%網点部 帯部の色と円形部の色の違い確認できること
トーンジャンプ CMYKの全ての円形グラデーション部分 著しい段差が見られないこと

プルーフ機器/運用認証

プルーフ機器/運用認証の審査項目と許容範囲
項目 測色箇所・確認箇所 基準
ベタの色彩値 CMY3色の 100%部 ⊿E ≦ 6、⊿H ≦ 4
面内ムラ グレー3種中の各 9点 ⊿E ≦ 2、 9点のL*a*b*各々SD ≦ 0.5
変退色 strip中のCMYRGB6色 7日間暗所保存後全て⊿E ≦ 1.5
曝光検査 IT8.7-4 の1617色中の226色 24時間色評価用昼白色蛍光灯下後、
全て⊿E ≦ 2
54色の差の許容値 パッチ中の 54色全て 最大 ⊿E ≦ 6、平均 ⊿E ≦ 3
グレーバランス パッチ中のグレーバランス用 6パッチ 平均⊿H ≦ 1.5
最外周色 226色 IT8.7-4 の1617色中の226色 平均⊿E ≦ 4
差の許容値 IT8.7-4の1617色全て 平均⊿E ≦ 3、⊿E95% ≦ 6
用紙の紙白部 IT8.7-4の1617色中の紙白部 ⊿E ≦ 3
連続出力 パッチ中の 54色全て(10枚)
パッチごとの各平均値との平均色差
10枚全て ⊿E ≦ 1.5
機器の安定性 CMYRGBベタと CMY各 40% 24時間経過後全て⊿E ≦ 1.5
階調再現の限界 紙白部と CMYKの 3%、98%、ベタ CMKについて L* 紙白部 > 3%
L* 98% > ベタ
Yについて b* 紙白部 < 3%
C* 98% < ベタ
ベタ上の最小網点の再現 黄色帯上の 5%網点部 帯部の色と円形部の色の違い確認できること
トーンジャンプ CMYKの全ての円形グラデーション部分 著しい段差が見られないこと
見当精度と文字 カラーレジ評価パターン3箇所×12種 全て ズレ量 ≦ 50μm
ポジ non-serif 2pの CMK欧文
ネガ non-serif の CMK欧文
全て判読可能であること
2ポイントのCMKの抜き線 識別できること

※○=プルーフ運用認証審査項目

デジタル印刷認証

デジタル印刷認証の審査項目と許容範囲
項目 測色箇所・確認箇所 許容範囲
プリフライト結果 JC_TEST_FORM 5_Ver1 Acrobat Pro DC
面内ムラ グレー3種中の各9点 ⊿E00 ≦ 2
54色全て JapanColorチャート中の54色 平均⊿E00 ≦ 2、最大⊿E00 ≤ 6
グレーバランス 19色22パッチ中のグレーバランス用パッチ 平均⊿Ch ≦ 2.0
1617色 T8.7-4の1617色全て 平均⊿E00 ≦ 2 、⊿E00 95% ≦4
最外周色226色 IT8.7-4の1617色中の226色 平均⊿E00 ≦ 3
用紙の紙白部 T8.7-4の1617色中の紙白部 ⊿E00 ≦ 3
500枚中15枚各パッチ平均に対する各パッチの色差 control strip54色 平均⊿E00 ≦ 1、⊿E00 95% ≦ 3
基準値に対する、15枚平均の平均色差 control strip54色 平均⊿E00 ≦ 3.0
階調再現の限界 紙白部とCMYKの3% 98%、ベタ CMKについて L* 紙白部 > 3%
L* 98% < ベタ
Yについて b* 紙白部< 3%
C* 98% < ベタ
ベタ上の最小網点の再現 黄色帯上の5%網点部 帯部の色と円形部の色の違い確認できること
トーンジャンプ CMYKの全ての円形グラデーション部分 著しい段差が見られないこと
見当精度と文字 カラーレジ評価パターン3箇所×12種 全てズレていないこと(ライン1本分)
ポジ5pのCMK和文
ネガ8pのCMK和文
全て判読可能であること
2ポイントのCMKの抜き線 識別できること

事前準備

①測定器の器差確認

どの認証制度でも最初に準備しなければならないのが測定器です。標準化には数値管理(Lab/DG)が必要であり、数値管理には測定器が必要です。審査申し込みをすると、パッチ/チャートと事務局の測定器で測定した測色値が送られてきます。準備した測色器でそれを測定し、⊿E1.5以下の許容範囲内か確認します。
範囲外の時は、測色器を較正に出すか、新しい測色器を準備します。測色器にはモデル間器差や個体差があり、使用する測定器の特性を充分に理解して使用することが標準化のカギです。

KONICA MINOLTA製測定器(FD-7/5等)は、JapanColor認証に使用できます。
※メーカー較正・修理が終了している機種は対象外。

②印刷物/出力物の検証

自社で印刷したチャートを測定し、事務局作成のエクセルテンプレートにLab値を入力すると⊿Eが表示されるので、基準の範囲内かどうかを確認できます。
濃度値はJapanColorの推奨値であり、認証の基準ではありません。通常この位の濃度で印刷すれば、認証の基準内になるという参考値です。スダレチャートを使って最適wet濃度(Lab→濃度)と刷版カーブを決定します。

認証取得後の維持管理と更新申請

各認証を取得した後も維持管理の作業が必要です。

3ヶ月ごとの管理実施事項

各種チャートを3ヶ⽉に1回以上の頻度で印刷し、測定して結果を記録・保存をします。
この時、測定したチャートも保存します。

必要項目
■管理高目標
■各認証管理記録一覧表
■各種チャート綴じ込み

1年後の中間確認

マッチング認証のみ、1年後に中間申請書を提出して中間確認が必要です。
ただし、結果が大きく崩れていても不合格にはならず、警告という扱いになります。

必要項目(マッチング認証のみ)
■マッチング認証中間申請書
■OKシート3枚
■OKシートの管理項目表

2年後の更新申請

保存してある記録を7回分以上まとめて管理項目表と共に提出し、合格すれば更新となります。

必要項目

<標準印刷認証>
■管理記録一覧表
■標準印刷認証更新申請書
■OKシート3枚
■標準印刷認証管理項目表

<マッチング認証>
■管理記録一覧表
■マッチング認証更新申請書
■OKシート3枚
■マッチング認証管理項目表

<プルーフ運用認証>
■管理記録一覧表
■プルーフ運用認証更新申請書
■プルーフ運用認証チャート3枚
■プルーフ運用認証管理項目表

<デジタル印刷認証>
■管理記録一覧表
■デジタル印刷認証更新申請書
■プリフライトチェック表
■OKシート3枚
■デジタル印刷認証管理項目表

Japan color認証取得の費用

認証区分 申請時 更新時
事前審査 審査料 登録料 合計 更新料
標準印刷 108,000 216,000 54,000 378,000 108,000
マッチング 162,000 54,000 216,000 162,000
プルーフ運用 108,000 54,000 162,000 86,400
プルーフ機器 378,000 54,000 432,000
デジタル印刷 108,000 216,000 54,000 378,000 108,000

※消費税込み

審査料、登録料の他にも別途費用がかかります。
  費用 購入先
枚葉印刷用ジャパンカラー2007 キット 64,000円 (社)日本印刷産業機械工業会
「JIS X 9201:2001」
高精細カラーディジタル標準画像(CMYK/SCID)
10,800円 (財)日本規格協会

※標準印刷認証の本審査:現場立ち会い認証員1人分の交通費及び宿泊費

※消費税込み

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