濃度計のツボ
蛍光分光濃度計
07カラーマネジメント
- ICC
プロファイル - カラーマッチング
色の翻訳機の役割を果たす規格「ICC」
ICCプロファイルは、1993年に結成された国際色コンソーシアム(ICC: International Color Consortium) が策定したカラーマネジメントシステムです。例えるならば言語の翻訳機のようなもので、デバイスごとに異なる色を標準の色に変換する際、あるいは標準の色を各デバイス固有の色に変換する際に使われる規格です。
ICCプロファイルの主役「ルックアップテーブル(LUT)」
ICCプロファイルの中心は、標準色とデバイス色の間で相互にデータを変換するための参照表「ルックアップテーブル」です。基本的には入力側と出力側の2つのLUTが記載されており、双方向でデータをやりとりします。
ICCプロファイルのフォーマット
ICCプロファイルは、色変換用のテーブルを記述する形式が規定されており、現在はISO 15076という国際規格になっています。ICCが規定するフォーマットは、ヘッダ、タグテーブル、タグエレメントの3つのブロックで構成されています。最初のブロックには、このプロファイルが扱うデバイスの種類や使用する色空間などを記述、次のブロックにはデータの種類を表す識別子やデータのサイズなどを表すタグを記述、最後のブロックにLUTなど実際のデータを記述します。
ICCプロファイルの種類
ICCプロファイルの種類には、3つの基本クラスと4つの拡張クラスがあります。スキャナやデジカメで使われるのが入力デバイスプロファイルで、印刷やプリンター出力で多く使われるのは出力デバイスプロファイルです。モニターで使われるAdobeRGBやsRGBはディスプレイデバイスプロファイルです。
ICCプロファイルの作成方法
ICCプロファイルを作成する際は、まずチャートを印刷または出力し、次にそのチャートを測定器で測定します。プロファイルの作成条件を設定した後、プロファイルを作成します。チャート出力、測定やプロファイル作成時に種々の条件があるので、どのような条件で行うのかがポイントになります。
ICCプロファイルの品質
ICCプロファイルは、作成するプロファイラーによって出来上がるプロファイルの品質が異なります。品質を評価する要素は、①階調性②色域再現③CMYKプロファイルにおけるブラック生成の3つです。階調性では明度、彩度、色相のいずれにおいても階調が滑らかに変化することが最も重視されます。色域再現では各色座標が歪まないようにマッピングされる必要があります。ブラック生成についてはCMYKの出力側の場合のみですが、CMYKの比率バランスが良好になることがポイントです。
濃度計のツボ コンテンツ
03印刷の基礎
04印刷標準化
05認証制度
06目視観察条件
07カラーマネジメント
08モニター
09ペーパーインデックス