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濃度計のツボ

蛍光分光濃度計

03印刷の基礎

さまざまな方式があるデジタル印刷

デジタル印刷にはいろいろな方式がありますが、電子写真によるもの、インクジェットによるもの2つのカテゴリーに分類されています。さらに、それぞれのカテゴリーの中でも、使用するトナーやインクの種類などによる方式の違いがあります。

デジタル印刷の種類

[乾式トナーによる電子写真方式]

まず感光体ドラムをマイナス電荷に帯電させ、そこにプラス電荷になる画像露光をすると画像部のみ電荷が消えます。次にマイナス電荷のトナーをドラムに付着させると電荷がない画像部にのみトナーが着きます。その後トナーを印刷用紙に転写し、熱で定着させて画像を形成します。

[液体トナーによる電子写真方式]

HP社のIndigoが代表例で、右図の原理で画像を形成します。感光体ドラムの帯電→露光→トナー付着の流れは乾式トナーと同じですが、液体のトナーを使用し、直接用紙に転写するのではなく、一旦ブランケットに転写した後に用紙へ転写するオフセット方式であるところが異なります。

[インクジェット方式]

画像信号が来た時のみインク滴を飛ばすドロップオンデマンド方式と、常時インク滴を飛ばしておいて画像信号が来た時のみインク滴が飛ぶ経路を変えて画像形成するコンティニュアス方式があります。また、インクを飛ばす原動力をピエゾ素子の変形を利用するピエゾタイプと熱で発生する泡を利用するサーマルタイプがあります。

ナノグラフィー

新しいインクジェット技術としてナノグラフィーがあります。これは、顔料粒子径を非常に細かくし、一旦ブランケット上に画像を形成した後に用紙へ転写し、高画質を実現するものです。

デジタル印刷の画質

印刷の画質は一般的に、顔料粒子径が小さいほど薄膜で濃度が高くできるため高画質になります。各印刷方式の顔料粒子径を模式的に表すと右表のようになります。

方式 色材 顔料粒子径(nm) 粒子径(模式図)
オフセット印刷 インキ 100 – 1000(500)
電子写真 乾式トナー 5000 – 6000(5000)
液体トナー 500 – 2000(1000)
インクジェット インク 50 – 200(100)
ナノグラフィーインク 数10(20)

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